表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔界独立戦争 ~継承された守護魔道~  作者: 川合 佑樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/38

第十一話

 ミコトがセンサーを睨んだ。

「敵です! 魔導航空騎兵部隊……識別照合します。シユウ・クロノの部隊!」 

 彼女の指がディスプレイを高速で操作した。

 タイムラグを挟みながら、レーダー波がようやく敵を捉えた。

 画面に浮かぶ漆黒のシルエット。

 マガイの重厚な輪郭とシックウの鋭い機影を交互に映し出した。

 編隊の規模が十機以上であることを示した。

 ミコトの額に汗が光った。

 敵の速度が毎秒四十メートルを超えていた。

 高台からの待ち伏せを確信させるデータが次々と蓄積された。

 シユウの金髪がヘルメットの隙間から零れた。

 唇の笑みが傲慢を映した。

 斥候からの暗号回線が入電した。

「高台陣地、ミサイルロックオン完了。標的熱源、確認」

 計算尽くめの罠だった。

 マガイ──重武装の魔導航空騎兵──が、急降下した。

 マガイの巨体が青白い排気炎を長く引きずった。

 魔導機銃の初弾が木々を薙ぎ払った。

 シユウは自信に満ちた笑みを浮かべた。

 コックピットで無線を叩いた。

「パイロット諸君、クロノ家の名誉を!」

 放送のノイズがテツカガミに届いた。

 シユウの笑みがモニターを睨んだ。

 胸のクロノ家の紋章が青く脈打った。

 挑発は部下の士気を高めた。

 応答の「名誉に懸け、粉砕せよ!」が響いた。

 後方には、軽量で機敏なシックウがいた。

 隊列を組み、低空旋回した。

 魔導爆弾が投下され、森を焼いた。

 直径二十五メートルの火球が膨張した。

 熱波が空気を沸騰させた。

 結晶樹木の幹が内圧で爆裂した。

 余波がテツカガミを揺らした。

 外壁に飛び散る破片が金属を叩いた。

 ジンが叫んだ。

「シールドを展開しろ!」

 障壁を展開した。

 ジンの目はマップの包囲予測線を睨んだ。

「まだ耐えろ! 反撃の隙を待て!」

 クルーの動きが変わった。

 ミコトがコンソールを確認した。

「マガイが正面、シックウが左右から包囲!」

 報告がマップに即反映された。

 マガイの重圧とシックウの死角攻撃が視覚化された。

 カズマがパルス砲を発射した。

 シックウの翼を焦がした。

 彼の目はマップの弱点を睨んだ。

「リョウタ、挟撃崩すぞ!」

 リョウタは榴弾砲を構えた。

「あぁ、いつでもいける!」

 ユナは格納庫のソウマに駆け寄った。

 ソウマの肩にそっと手を置いた。

「ソウマ、あの放送……あなたを狙ってるの?」

 ソウマは額をユナの肩に寄せた。

「ユナ、俺も怖い。……この力が、みんなの未来を壊す道具になるんじゃないかって。でも、君がいるから、守れる気がする。一緒に、生き延びよう」

 ユナはソウマの手を握った。

 二人の共有した不安が、ソウマの胸に静かな炎を灯した。

「俺……行くよ。離れてて」

 彼は立ち上がり、戦闘準備に動いた。

 ソウマを銀粒子が包み込んだ。

「ジンさん! いつでもいけます!」

 ハッチを開く準備をした。

 シユウが部下に命じた。

「シックウ、左右から挟撃!」

 命令がプライベート周波で伝わった。

「了解! ルート確認!」

 シックウが加速し、テツカガミを狙った。

 シユウは睨んだ。

「マガイ、全速前進せよ!」

 マガイが急降下し、爆弾を連射した。

 センサーを乱した。

 シユウの陣形が天蓋を覆い、機銃が岩を削った。

 航空優勢の包囲だった。

 時間稼ぎの戦いが闇を深めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ