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<第一部 マンハッタン島編 第七章シーン1.5-1『エリスの回答』(挿話・副読本的資料)>

エリスは9月23日午前8時40分ごろにテストを受けています。(第五章シーン1-1以前)

そのときアーロンはまだ来ていませんでした。

『バーナビーの小テスト エリスの回答』

【十四か条調査団のメンバーに対し、1918年9月23日~28日の期間で実施予定】


※所要時間10分。筆記具のみ使用可。

※設問の順番には意味がある。考えすぎないこと


Q1:使用できる言語をすべて記入せよ。


Q2:自分がもっとも得意と思う英語以外の言語で「十四か条調査団」「兵站の重要性」「2849(数字)」をそれぞれ書け。


Q3:滞在経験のある国をすべて記入せよ。


Q4:歴代大統領または軍人のなかでもっとも尊敬する人物を1名挙げ、その理由を述べよ。


Q5:宗教的信条または人生観を20単語以内でまとめよ。


Q6:ヨーロッパでの大戦について、所感を簡潔に述べよ。


Q7:ウィルソン大統領の政策について、最も注目したまたはしているものは何か、理由も併せて述べよ。批判的観点でも構わない。


Q8:敵国のスパイが重要情報を握っている。接触できたとき、拷問せずに情報を得る方法を述べよ。


Q9:この調査団の目的を現時点ではどう推察しているか、自由な意見を述べよ。個人的なものでも構わない。


Q10:あなたにとって“アメリカ”とは何か?


~~~~~~~~~~~~~~~~~


以下、エリスによる回答(9月23日午前8時40分)


【】内は日本語での意訳。エリスが書いた英文を省略している場合もある。

()内の※は答案をチェックしたバーナビーによる所感。バーナビーの内心での反応であり、エリスには伝えていない



A1:【フランス語、スペイン語、ポルトガル語が実務レベル。エスペラントは基礎的な会話と読解のみ 】

(※私=バーナビーはエスペラントはまだ習得途中だ。ヨーロッパのほうが話者の割合はおおいはずだし、役立つ場面もあるかもしれない)


A2:


 「十四か条調査団」:La Commission des Quatorze Points

 「兵站の重要性」:L’importance de la logistique

 「2849」:Deux mille huit cent quarante-neuf

(※フランス語を選択している。とくに驚きはない)


A3:【アメリカ合衆国。南部と東部諸州】


A4:Abraham Lincoln.

Because he proved that even law can be moved by conscience — and conscience, once freed, must learn the art of patience.

【リンカーン大統領。

なぜなら彼は、法さえも良心によって動かされうることを証明した。そして法を動かせる良心は、忍耐を技術として学ばねばならない】

(※法は動かされうるが、良心によってのみではない。忍耐が技術なのはその通りだ)


A5:To serve quietly, to strengthen patiently, and to reconcile without recoil.【静かに奉仕し、少しずつ着実に強化し、反動なく融和する】

(※B・T・ワシントン派の黒人たちの考えはこうまとめられるのか…なるほど)


A6:【この戦争は、知恵なき勇気は墓場しか生まず、勇気なき知恵は何も生まない、と私たちに気づかせました】

(※勇気と知恵が両立しても、墓場が生まれている現状もある。難しいところだ)


A7:【外交を力比べではなく良心へと高めようとする大統領の姿勢に興味を持っています。世界平和は尊い理想です。それは、宣言されるだけでなく教育されなければなりません】

(※教師志望なのだろうか?)


A8:【すぐに答えが得られると思わず、長い時間をかけて訊き出す。ときには沈黙が秘密を明かしていることもある】

(※時間をかけられる状況なら、それは可能だ。全体的に、長期的な視野の持ち主で、悪く言えば悠長だ)


A9:【アメリカでの理想が外国で通用するのかどうかを調査しようとしているのではないでしょうか?】

(※共和党による十四か条調査団、という計画名だけ聞かされている状況だとそういうしかないだろうな。他のメンバーも来ていなくて判断材料が少なすぎるのもある)


A10:A promise written in ink, waiting to be lived in flesh.【紙に書かれた約束は、実現される日を待ち続けている】

(※合衆国の崇高な理念は実現には程遠いのは、確かだ。どういう約束だと解釈するかが、党によって、人によって違う)

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