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<1918年9月23日解説パート・用語編>

<1918年9月23日解説パート 用語編>

◇ラフライダーズはWikipediaレベルでの精度ならば史実との齟齬がないことを約束します。『逃げ若』くらいには歴史の勉強にもなる、なら良いな…。知らんけど…


◆話題に出た歴史的事件、用語、地名など(登場順)


・懐中時計

ストップウォッチ機能付きの時計が1890年代にすでに販売されていました。

以下URLは1900年の懐中時計の画像検索結果です。

https://search.yahoo.co.jp/image/search?ei=UTF-8&fr=mcafeess1&p=Stopwatch+pocket+chronograph+1900s&x=nl



・共和党クラブビル

マンハッタン島ウェスト40丁目54番通りに実在。現在は共和党事務所ではなく、イベント会場用として使われているようです。

https://maps.app.goo.gl/t684bE6nNM7YUqU27

外観写真では10階建て以上に見えます。以下URLは1955年のもの。

https://pastvu.com/p/360213



・マーク・トウェインの名言①

【禁止されるからやりたくなるんだ、やらせたいことこそ禁止すべきだ】

原典では『The more things are forbidden, the more popular they become.』(禁止されるほどに、それは人気になっていく)

1895年の手記に書かれているのがこの言葉ですが、1876年トムソーヤーの冒険でもこの“禁断の果実”現象にもとづくエピソードがあり、トウェインは講演会でも主要な持ちネタの一つにしていたと思われます。



・マーク・トウェインの名言②

【笑いが人間の最強の武器だ】

原典では『The human race has one really effective weapon, and that is laughter.』(人類には本当に効果的な武器が一つあり、それは笑いだ)

1916年に出版された『The Mysterious Stranger(不思議な少年)』より。

1910年に死去したトウェインが遺した原稿は、その内容の過激な悲観思想が問題視されたのか、なかなか出版されませんでした。このセリフも、言っているキャラクターは極度に冷笑的な悪魔であり、字義通りに明るいポジティブさだけを受け取るのはちょっと、トウェインの意図とは違うのではないか、という気がします。

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Mysterious_Stranger


・ニューヨーク・トリビューン紙

1841年創刊の日刊紙。1850年代にはニューヨーク市で最も読まれていた新聞でした。当時の本社ビルは、マンハッタン島の南部のプリンティング・ハウス・スクエアにありました。共和党と親密なので、クラブビルに記者が出入りしていたであろうと推測できます。1921年にクラブビルのすぐ近くに土地を購入していますので、それまではクラブビルのなかにトリビューン紙の編集部支所があってもおかしくないかと思われます。

https://en.wikipedia.org/wiki/New-York_Tribune



・タイプライター

バーナビーの使っているのはUnderwood Standard Typewriter No.5です。当時の一般に流通していたもので、とくにこだわりはありません。

以下URLは画像検索結果です。

https://search.yahoo.co.jp/image/search?ei=UTF-8&fr=mcafeess1&p=Underwood+No.5&x=nl



・カーボンコピー

タイプライターでの文書作成の際、原稿用紙2枚を同時にセットし、その2枚のあいだにカーボンコピー紙を挟むことで同じ文書を2枚コピー作成することが行われていました。カーボンコピー紙と原稿用紙をもう1枚ずつ使用し、計5枚セットすることで3枚同時作成も可能です。それ以上の同時作成は紙の厚みのために上手くいかないと思われます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Carbon_copy



マーク・トウェインの名言③

【人間はみんな月だ】

原典では『Everyone is a moon, and has a dark side which he never shows to anybody.』(人間はみんな月で、誰にも見せない暗い面を持っている)

1897年出版の『Following the Equator(赤道周航記)』より。

アーロンは“人間も満ち欠けがあるから常に完璧じゃなくて良いんだ”というニュアンスで引用しましたが、トウェインはそこまでは言っていなくて、アーロンの過剰解釈です。



・グランドセントラル駅

住所はイースト42丁目89番地。1871年完成。共和党クラブビル(当時)へはグーグルマップのナビでは徒歩7分となっています。

https://en.wikipedia.org/wiki/Grand_Central_Terminal

https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Grand_Central_Terminal


・『國民の創生』

1915年の映画。デビッド・W・グリフィス監督。クー・クラックス・クラン(KKK)のプロパガンダ映画である側面と、映像演出の技法を画期的に進歩させた側面の両面ともが、映画史上重要な作品です。オグデンが語ったように、ウィルソン大統領はホワイトハウスでこの映画を上映し、絶賛する旨の発言をしています。

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Birth_of_a_Nation


・マーク・トウェインの名言④

【常に正しいことをしろ。世界の半分はそれで喜び(満足し)、もう半分は驚く】

原典では『Always do what is right. It will gratify half of mankind and astound the other.』(常に正しいことをしろ。人類の半分はそれで喜び、もう半分は驚く)

1901年、講演を依頼した教会の青年に送られたメッセージカードに書かれていた言葉。1922年出版の『Mark Twain in Eruption(噴火)』にそのカードの複製が口絵として掲載されて有名になりました。トウェインの意図としては“どんなに正しくても半分にまでしか伝わらない。でも、半分には伝わる”であったと思われ、劇中にてソロモンのNワード使用への叱責として引用するのは、アーロン流のちょっとズレた解釈ですね。



・Nワード

『Nワード』という言い方で禁句を置き換えるのは1918年には行われていたとは思えません。最も慎重な描写を模索した結果、こうなりました。ご容赦ください。

ニ●ーについてのWikipedia記事も存在しますが、URLにNi●●erが含まれているので貼るのを躊躇します。以下は『Nワード』の日本語版記事URLです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/N%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89



・「ウィルソン大統領は白人至上主義者だ、レイシストだ」

近年、否定的な意味でのウィルソン再評価が進んでおり、それが作者としてバーナビーにこのセリフを断言させた根拠です。“ウッドロウウィルソンと人種”というまさにそのことについて解説しているWikipedia記事がありましたので紹介しておきます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Woodrow_Wilson_and_race



・NAACP(全米黒人地位向上協会) 1909年設立。

1918年までに会員数は43994人、としている史料があります。公式サイトのOur-historyページでは1919年に90000人、となっています。1918年9月時点の会員数はその中間でしょう。のち、キング牧師の時代に至るまで、黒人公民権運動の主導組織であり続け、現在も活動中です。

https://naacp.org/

https://en.wikipedia.org/wiki/NAACP



・NUL(全米都市連盟) 1910年設立。

当時の会員数は不明。上記のNAACPよりは少なく、3000人程度かと思われます。浅学の時点での私見でしかありませんが、(少なくとも1910年代においては)NAACPが黒人の尊厳のための人種平等を訴えているのに対し、NULは生活向上と社会体制維持のための人種平等、という感じがします。現在の活動についての批評ではありませんので、誤解されませぬようお願いします。

https://nul.org/

https://en.wikipedia.org/wiki/National_Urban_League



・Gilt Edge Tea Room

住所や創業日など詳細不明。1920年代にグランドセントラル駅の黒人職員がこの飲食店でパーティーを開いたという史料がWeb上にありました。ハーレムよりはグランドセントラル駅の近くにあったんじゃないかな、と推測しました。

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