第三十回 華光 超孫梧空一族と戦う
初めまして!原海象と申します。
今回は 中国四大遊記の一冊である神魔小説『南遊記』の三十を編訳したものを投稿致しました。
なお、原作のくどい話やあまり馴染がない用語や表現はカットしております。
原作は明から清の時代に書かれたとされております。
また本書は別名は「五顕霊官大帝華光天王伝」といいます。
<南遊記>
第三十回 華光 超孫梧空一族と戦う
観音菩薩に辞して花果山に戻ると、数千匹もいる梧空の眷属に申しました。
「俺が観音菩薩様に聞いたところによると、華光の奴が俺に化けて
蟠桃を盗み、その累が俺に及んだそうだ。今からお前たち
と兵を起こし、離婁山に殴り込んであの奸賊を捕まえるぞ!」
さて、孫行者には一人娘がおり、名を月孛星と申します。
孫悟空のこの娘の出自は、月孛星の霊精が花果山の霊石に宿って誕生した石猿
とされ、猴の氏族とされる孫氏の姓を継ぎ、名前もそのまま月孛、
またの名を月孛星と申します。
その月孛星は父の前に進み出て言いますには、
「父上、どうか私も連れて行って下さい」
兄弟たちは笑いながら言いました。
「お前のそんなみっともない顔では行かない方が良いぜ。
華光達に笑われるだけだ」
月孛星は逆に笑い返し、
「いいえ、華光を捕まえたいなら私を連れて行くべきです」
そこでやむを得ず、孫行者は月孛星も連れて行くこととなりました。
孫行者は眷属を引き連れ離婁山まで進軍して来ると
大聖は大声で華光を罵倒しました。
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さて華光の方では、盗んできた蟠桃を吉芝陀聖母に食べさせ
てみますと、すっかり人肉を食べたくなくなったので華光は大喜び致しました。
そのようなときに、千里眼・順風耳から突如花果山の斉天大聖が眷属の将兵を
引き連れやって来たとの知らせが入ってきました。
千里眼・順風耳は
「奴らは『華光が不届きにも大聖に化けたために大聖にも累が及んだ故、
華光を捕まえて天界にしょっ引いてやる』と言っているのです」
華光はこれを聞いて大激怒、すぐに離婁山を駆け下り、白蛇槍を片手に
悟空に相見えました。出会い頭に、孫行者はいきなり華光を罵倒しました。
「てめえ、蟠桃を盗むにしても驢馬なり馬なりに化けて
行けばいいものを、この孫様の姿に化けやがるから、かわりに俺様がお咎めを受けた。
さっさと天馬から下り、孫様と天界までしょっ引かれるなら命は勘弁してやろう」
華光は怒りながら、
「俺が蟠桃を盗んだからって貴様に何の関係がある。
貴様に化けて行ったからって何だ」
「そのおかげで孫様がお咎めを受けたのに、何だとは何だ!」
「伸びろ!」
叫ぶや否や、如意金箍棒を取り出し、華光に撃ち掛かっていきました。
華光は白蛇磚を振り回しこれに応じました。
「唵!」
悟空は毛を引っこ抜くと息を吹きかけ、無数の小猴に変えました。
金磚一つに対し、一匹の小猴が押さえ込みにかかります。
これには華光もどうしようもありません。
そこへ悟空がまっしぐらに突進してきます。
「疾ッ!」
今度は華光、火金丹を取り出し、真言を唱えると凄まじい業火を吹き付けました。
悟空は全身みな毛ですので、火を見るなりすっかり気後れしてしまい
ろくすっぽ戦えませんでした。
そして、孫行者はシッポを巻いて逃げ出して東海に身を沈めました。




