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南 遊 記  作者: 原 海象
21/32

第二十一回 華光 東岳廟を閙がす

初めまして!原海象と申します。


今回は 中国四大遊記の一冊である神魔小説『南遊記』の二十一回目を編訳したものを投稿致しました。

なお、原作のくどい話やあまり馴染がない用語や表現はカットしております。

原作は明から清の時代に書かれたとされております。

また本書は別名は「五顕霊官大帝華光天王伝」といいます。

<南遊記>


第二十一回 華光 東岳廟を閙がす


 さて、華光は東岳廟の大門の下までやって来ると、道中で草野三聖に会いました。

 草野三聖が訊ねるには、

「お前さんは誰だい?」

 華光は威張るように言いました。

「俺様は華光天王だ!」

「お前さんはとんでもない奴で、『東で暴れ、西に突っ込み、皆無事では済まされない』

と聞いておるぞ。なんだってわしらの東岳廟にやって来た?」



 そう言って、草野三聖は華光を捕まえて離そうといたしません。

華光は怒って、

「てめえらそろいも揃って、なんでそんなことを言って俺をバカにする?」

 というと金磚きんせんを投げつけて三聖を打ちのめしました。


三聖は慌てて逃げ出し、「華光が来た!華光が来た!」と叫びました。



そして三聖は華光天王が来たことを東岳聖帝に報告致しました。

東岳聖帝は驚いて功曹(人事を担当する官吏)に訊ねました。

「華光天王はとんでもない奴だと聞き及んでおるが、奴はなんでまた我が東岳廟に来たのであろう?」

 

功曹は首を傾げながら言いました。

「華光天王様にはきっと訳があってのことでございましょう、ここは礼を尽くして華光天王様をお持てなしましょう」

 

言い終わるか終わらないかというところに、華光が現れました。


東岳聖帝は華光を迎え入れて席を勧め、功曹はお茶を出して持てなしました。


東岳聖帝、曰く

「華光天王様が此方までご足労下さるとは、一体どういうご用件でございますか?」


 華光は恐縮して言いました。

「今日は別に挨拶に来たというわけじゃなく、俺の母上が冥府に来ていないかどうか調べてもらいに来たんだ」

「ご母堂様はどのようなお方で?」

「母上は名を吉芝陀聖母、又の名を簫太婆という」



 東岳聖帝はこれを聞くと、すぐに功曹に言い付けて吉芝陀聖母と簫太婆が来ていないか調べさせました。功曹が人の運勢を細かく記した「禄命簿」を調べ聖帝に答えました。


「簫太婆は来ておりますが、吉芝陀聖母は来ておりません」

 華光は驚き、

「吉芝陀聖母が簫太婆で、簫太婆が吉芝陀聖母なんだ」

 東岳聖帝も首を傾げて言いました。

「ですがそれではお二人じゃないですか」

「併せて一人さ」

「お二人でしょう」

「一人だけだ!」

 そこへ功曹が進み出て、

「ここではただ人が死んだら、ここの冥府の帳簿に名前を残してから、みんな陰司(地獄)に収められます。もし華光天王様がはっきりしたことをお知りになりたければ、陰司(地獄)に行かれるが宜しいでしょう。そうすれば全て明らかになります」

 


これを聞くと、華光は東岳聖帝に別れを告げ、陰司(地獄)へ母上を捜しに向かいました


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