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記憶喪失になった瞬間に前世の記憶を思い出した。

 急いできたこともあり疲労があったランドは、魔力を温存するために、来た時のように魔法を使うことなく歩いて森の中に来たランドは、すぐに領主に聞いた魔物を探し出す。


 1時間程歩いたが、出てくるのはゴブリンやオークといった普通の魔物ばかりで、例の魔物はなかなか出てくる気配は無かった。ちなみにゴブリンやオークはランドに見つかった途端に、ランドの足元から即座に体を凍らせ、パリンと音を立てて死体も残さずに消えていくのだった。

 そして現在、ランドは少しだけ後悔していた。


(やばい、普通に休んでからくるべきだったな……魔力はまだ余裕があるけど、一気に使いすぎたせいで、体が重い)


 自分の愚かさを呪いながらも森を進み、魔物を探す。

 後悔と言っても、最悪ランドは、氷で魔物が入れないような空間を作り、休むつもりなのでまだ余裕はあった。そんな手段があるのなら、早くした方がいいのかもしれないが、ランド自身早くシュリの所へ帰り安心させたいという気持ちと、自分なら大丈夫だろうという慢心が判断力を鈍らせていた。


 そして、またしばらく歩き続けると、遂に領主に聞いた通りの特徴の魔物が現れた。

 一言で言い表すのなら、角の生えた緑色の熊だ。


「ぐがおおおおお」


 ランドを発見するや否や咆哮をあげながら、ランドに向かってこようとするが、その瞬間に、ランドを中心としながら、半径5mぐらいの範囲が、全て凍った。


「よし、終わった……帰ろう」


 本来なら、討伐の証拠として……そして、単純になにかの素材になるからという理由で、死体は持って帰るべきなのだが、今のランドにはそんな判断力はなく、死体ごと氷を消し、帰る方向へと向き、歩き出そうとする。


 ランドは普段森などを歩きなれてはいない。なので、足元を凍らせながら歩くことにより、バランスをとって歩いたり、走ったりしていたのだが、魔物を討伐したという安堵、シュリの元へ帰れるという安心、単純に疲労による判断力の低下。それらが合わさり、1歩目に足元を凍らせるのを忘れて歩いてしまい、足元にあった木の根に躓き、転んだ。ガンッ、という音をたてながら頭をぶつけ、その瞬間……ランドは記憶喪失になった瞬間に前世の記憶を思い出した。

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