幼馴染
家に帰ったら母さんに掃除を手伝わされた、ライトが言った通りサボればよかったよ。
そして父さんと大きな猪を担いだアル兄が帰ってきた。
「おかえり父さん、アル兄!凄い大きさだね!」
「そうだろ!
アーノルドが今回張り切ってな、こんなんじゃトムを祝うに値しないと森の中を歩き回されて父さんはクタクタだよ」
「父さんそれ内緒って言ったじゃん!」
「あっすまんアーノルド」
責めるアル兄と平謝りする父さん。
「あなたー、
アーノルドおかえりなさい。
その猪を台所に置いて身体を拭いてちょうだい。
用意はしてあるから」
「ありがとう母さん、猪を台所置くから先に行ってくるよ父さんそれとトムただいま今日は上手い猪鍋だぞ!」
そう言ってアル兄は台所に向かっていった。
アル兄が行ったあと俺の前で長いこと口付けをしていた父さんは、いつも布で身体を拭く場所に歩いていった。
もちろん母さんは乙女の顔をしている。
「母さん、解体しないと夕ご飯に間に合わないよ?」
「そ、そうね。
トムは今日の主役だからテーブルにある椅子に座って待っていてね。
美味しい猪鍋をつくるからお楽しみに」
乙女の顔から主婦の顔に変えた母さんが台所に向かった。
そんな母さんについていきテーブルのある部屋の定時席にすわり解体を見ながら待つことにした。
そのあと身体を拭いた二人が来て猪を狩った話を聞いてると母さん特製の猪鍋をみんなで食べ、畑作業で疲れた俺は身体を拭いた後、
すぐに自分の部屋で爆睡した。
「父さん残念だったね、
僕たち三人誰も戦闘職じゃなくて」
テーブルにある自分のコップに蜂蜜酒を注ぐアーノルドは父に言った。
「そんなことないさ。
アーノルドが母さんと同じ『農家』、
クルトが『商人』、
そしてトムはおそらく戦闘職じゃない職業。
嬉しいよ、
冒険者なんて危ない仕事に向かなくて。」
「そう?昔聞いた父さんの話、
トムほどじゃないけど好きだったよ」
「俺には冒険者してた時代が長かったし、誇れるものと言ったらそれといい嫁をもらうことができたことだけだしなー」
「あなた」
酒を飲み惚気る父に母は抱きついた、父は不安があると母のことを言う。
「あなた、
トムは大丈夫よ。
職業もスキルも意味がわからないけどあの子の昔から優秀だったじゃない。
ステータスのDEXの数値が大人並みじゃない。きっとなんとかなるわ」
「母さんそれは後で思った、俺でさえ35って数字なのに倍以上って凄いよな!
そうだよな、トムなら職業関係なくきっとなんとかなるよな!よしアーノルド!今夜は飲むぞ!」
「そうだね!トムに乾杯!」
「トムに乾杯」
母さんに励まされ元気を出した父に木のコップ向けながら上に上げ、父もそれに返すように木のコップを上げ、トムの未来が良きものになるように心で祈りながら。
「知ってる天井だ!」
起きた俺は、人生で言ってみたかったベスト8の言葉を天井に向けて放った。
「朝か、眠いし二度寝しよ」
窓にかかっているカーテンが太陽の光で少し白くなっているのを確認し、二度寝した。
「トム起きなさい!」
「ん、、母さん?」
「やっと起きた、朝ごはんできたから早く着替えてテーブルの部屋にきなさい」
「はーい」
母さんに起こされたので着替えてから部屋に向かう。
部屋に着くとテーブルの周りに誰もいなかった。
「あれ?母さん、父さんとアル兄は?」
「あの二人は昨日飲みすぎてまだ寝てるわ」
「起こさないの?それより畑の仕事は?」
「それは母さんがやっといたから大丈夫よ、
それよりトム皿を運ぶの手伝って」
「はーい」
美味しそうな朝ごはんが乗った皿を運んだ。
うちのご飯のスタイルは定食みたいに一人分が渡される。
他の家では何枚かの大皿に食材を入れ、自分で取るらしい。
「さあ、食べましょうか」
今日は母さんがお祈りを捧げ、2人で朝食を食べた。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
縫い物をする母さんに返事を返されたので、玄関に向かい草履を履き、昨日の畑に向かった。
畝を作るために。
畑に向かう途中で浮かない顔のライトにあった。
「ようライト!浮かない顔してんなーもしかして変な職業だったのか?」
「うん、実はそうなんだ。僕の職業ね、、」
「言いたくないんなら言わなくても大丈夫だぞ!たとえ変な職業でも、ずっと俺たちは友達だ!」
俺は自分のことを棚に上げてライトにズッ友宣言をした。
「ありがとうトム。でもトムには聞いてほしいんだ、そして相談に乗ってほしい。
僕の職業は
勇者なんだ」
読んでくれてあざっす!