太閤記は史料になるのか?
kindle unlimitedに川角太閤記があったので、ちょっとずつ読んでいってるのですが。
その場にいるかのような台詞回し。臨場感のある情景描写。
あれ、これ小説なのかな?
と疑問に思ったので、Wikipediaを参照。以下引用。
『川角太閤記』(かわすみ たいこうき)は、江戸時代初期に書かれたといわれる、豊臣秀吉に関する逸話をまとめた書籍。川角三郎右衛門著。全五巻。
概要
本書は田中吉政に仕えた川角三郎右衛門が、秀吉と同時代の当時の武士から聞いた話をまとめた「聞書」や覚書を元にして書かれたとする。同時代の人物の述懐が収録されている点で他の太閤記とは一線を画し、元和年間の成立で、甫庵太閤記よりも数年早く刊行された。
内容は、天正10年の織田信長の甲州征伐から太閤秀吉の死後、関ヶ原の戦いのある慶長5年ぐらいまでで、主に秀吉の軍功を中心にしているが、秀吉以外の武将の逸話も多く、物語体や編年体ではなく、個別の逸話が覚書の形式で条々で書かれており、それが大まかに年代順に並んでいるので、一部は年代不詳の逸話もある。本来は単に『太閤記』といったが、かなり趣が異なるため、後になって他の太閤記と区別するために著者の川角三郎右衛門の名を冠して呼ぶようになった。
明智光秀の旧臣でその後前田利長に仕えた山崎長門守や、豊臣秀次の馬廻だった林亀之助などの話があり、基本的に小説である『太閤記』の中では比較的に史料価値があると判断されていたので、本能寺の変や豊臣秀次事件などに関する史料としてしばしば引用される。
引用ここまで。
つまり、これは小説ですね。江戸期に書かれた小説です。
小説なので虚実入り混じってます。伝聞を元に書かれているので、当時の考え方や江戸期にはこんな風に捉えられていたという点がわかります。
伝聞が元なので嘘や単なるうわさも混じります。近年の研究で否定されてることも含みます。
ですが、この川角版太閤記が元ネタかな~と思われる後世の作品もちらほらあるので、読んどいて損はないかな、と。
だって、茶釜抱えて爆死したとかネタとして採用したくなるやん。
太閤記と名がつく作品がいっぱいあるんですよね。
有名どこがこの川角太閤記と甫庵太閤記。どれも戦国時代から後に作られているので、創作要素が強めです。小説ですから。
昨今の司馬史観論争などを見て思うんですが。小説なんだから、史実と違うことを書いても、怒られることはないと思うんです。
なのに、これは嘘だとかいう論調を見かけると首をかしげます。
いかに嘘っぽくなく嘘を書くかが小説の醍醐味だと個人的には思ってます。
結論。太閤記は史料としてはいまいちだけど、ネタ元としては使えるよ。