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昼間の月
一度終わらせたのですが、こちら向きなものが出来たので。
月に手を伸ばしてはいけない
ずっとそう思ってきた
けれど
5年ぶりにあなたに会って
止まらなくなった
求めてはならない
望んではいけない
わかっていた筈だった
わからければならなかった
あなたは春の中にいたのに
流行り病で
街から人の姿が減っていた頃
卒業式が終わり
入学式が行われる少し前の時期
あなたに会った
会ってはいけなかった
でも
心がふるえた
おろかな恋だった
だけど
生きていた
青い空に白く見える
昼間の月
確かにあるのに
なんだか幻のようで
いつまでも眺めていた




