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二日月
糸の様な月が
まだ明るさの残る山に沈んでゆく
色を変えてゆく空よりも早く、地上は暗い
暗い街をいつものように
独りで歩く
冬の風は寒い
去年の今頃
会いたい人に会えた
五年ぶりだった
久しぶりに会えた人は笑顔で
会えて良かったと言ってくれた
細い月を眺めながら
会えない会いたい人を思う
沈む月のように
忘れてしまえればいい
けれども明日
また月を見れば思い出すだろう
少しずつ満ちてゆく月
いつか同じように心も満ちるだろうか
それとも二日月のような細い期待に
虚しくすがって残った時を生きるのか