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十日余りの月
山の周りの空が色を変えてゆく夕方
独りで街を歩く
少し出てきた頭痛から意識を外し
点き始めた街灯を見上げると
十日余りの月が空に浮かんでいた
帰りを急ぐ人の流れに逆らって立ち止まり
ため息をつく
今日も会えなかった
昨日も一昨日も
おそらくは明日も明後日も会えない
もしかしたら生きている間はもう
会えない人
あなたの穏やかな明るさが好きだった
会いたくて会いたくて
けれども会ってはいけない人
眠れば夢に見る
夢の中でも空を見上げて
いつまでも独りで
十日余りの月を見ていた