表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

最終話決断

 昼になった。

 ドゥールが合流し、二人は先日行ったカフェに向かう。


「結局どうするのか決まったんですか?」

「うん、まあね」


 曖昧な返答で応える。不安と緊張で顔から血の気がひいていた。

 カフェに入ると、すでに真紅の眼のメンバーは席のついていた。エルディはラノイを見つけると、手招きして呼び寄せた。ラノイ達もそれに応えるようにして席に座る。


「先日はすみませんでした」


 開口一番、エルディはそう言いながら頭を下げて謝った。


「え……」


 突然の謝罪にラノイは困惑した。


「最後の方取り乱してしまいました。本当不快な思いさせてしまって本当申し訳ありませんでした」

「いやいや、頭をあげてください。全然大丈夫ですから」


 見た目からは想像できないほど丁寧な謝罪に、思わずたじろいでしまう。実際そんなに傷ついていないからむしろ申し訳なく思ってしまう。


「それでその、本題のパーティー加入の件は……」

「それなんですが……その……」


 言いにくそうにもごもごし、一瞬店全体に静寂が訪れた。

 短く深呼吸した後、ラノイはエルディの目を見て言った。


「加入の件は申し訳ありませんがお断りさせていただきます」

「……それはなんでですか?」


 さっきまでとは打って変わってハキハキとしたその物言いに、鳩が豆鉄砲を食ったような表情をエルディたちはしていた。


「正直誘ってもらったときは嬉しかったんです――」

「それなら、断ることもないんじゃ!」

「――でも、自分の魔法も付加もまだまだ未熟だし、このまま入っても足を引っ張ってしまうんじゃないかと……」

「そんなの、パーティーに入ってから努力すれば」

「とにかく今回の件はお断りさせていただきます。本当にすみません」


 しばしの沈黙の後、エルディが口を開いた。


「わかりました。無理して加入することもないですからね。でも、気が変わったらすぐ来てください。その時は歓迎しますから」

「はい、わかりました」


 程なくして真紅の眼はカフェを出た。それとほぼ同時にラノイ達もカフェを出た。その顔はいくらかシャッキリしていて、血色も元に戻っていた。


「ほんとに良かったんですか?」


 ドゥールが訪ねる。


「……うん。これでよかったんだよ」


 その言葉に迷いはなかった。

 途中ドゥールと別れ、宿屋に戻ると、扉の前にエルマがいた。エルマはチラリと顔を見ると、ふっと小さく笑った。


「どうやら、一区切りついたみたいね」

「うん。で、なんでここにいるの?」

「クエストに行く前に、あんたに話があって」

「何?」

「…………これからも頑張ってねって」

「それを言いにわざわざ来たのかい?」

「なによ。駄目なわけ?」

「いや、ありがとう。エルマも頑張って」


 それだけ言うと、エルマは足早に去っていった。

 ラノイは明日の準備を終え、ベッドに入った。


 明日はどこへ行こう、そんなことをぼんやりと考えながら、目蓋を閉じ、眠りについた。

今までありがとうございました。

後日後書きを投稿する予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ