#2こんな自分は嫌いだ。
そう、僕は選択のない一択問題は嫌いだ。〇〇するしかない、そんな言葉で運命が変えられると思うのか?否。僕はそうは思わない。しかしそれではこの状況は理解し難いものとなるだろう。つまり、現実から目を背けた。ただの逃亡者だ。ものは言い様だ。僕はこれを「選択なしの選択」と、少しカッコをつけながら正当化する。
「なぜ帰れないのですか?」
「だから、召喚者は呼び出すことはできても元の世界に戻すことは出来ないんです。」
「なら召喚者の空間とここの空間を縮めて入って来たはずなのに、なぜそれと同じ原理で帰れないのですか」
「始点と終点は多分一方通行だから…」
「ならなぜ日本が分かったのですか?日本のどこかに始点を作って、こちらに終点を作ったということですよね?ならば始点と終点を入れ替えれば良いだけの話ですよね?」
(うわあ…めんどくせぇ)
「だったら召喚術士の方々に聞きなさいよ!
いい加減本題に移るわよ。まず名前を名乗ってちょうだい。本名じゃなくても結構よ。」
少し不満はあるが、飲み込まないと余計こじらせそうなので、とりあえず素直に聞いた。みんなに(みんなって誰とか言わないお約束)名乗る名前だからかっこいい名前にしたいな…
神岡 龍二… 神龍…よし、
「シェ〇ロン!」
「すみません。シェ〇ロンという名前は既に使われておりまして…」
我ながら日本人はどういうネーミングセンスしてるんだ(特大ブーメラン)とか思いながらも、ゲームってそんな感じだったかーと少し懐かしむ。
そして、名前は
「セミドラゴン(二龍)」
となった。微妙にダサい。蝉だし出来損ない感あるし、何より厨二臭い。(ただし変更はできません)とか言われたら、本名のままで良かったとも後悔はするだろう。
「次に、職業を選んでください。」
「おすすめとかありますか?」
「あなたは適正検査の結果、スキルが多いので教師とかどうでしょう。」
そう言って1枚の紙が手渡された。
『職業適正表
ステータス(大まかにはS,A,B…Fで、平均はD1~C4となる。)
物理属性
攻撃C2
防御D3
耐性B1
魔法属性
魔素量B3
攻撃C2
支援C4
耐性B1
スキル 状態異常耐性レベル3
魔法属性感知
デュアルタスク
魔法効果倍増
物理被ダメージ増加
自己修復レベル2』
こんな自分に教師?冗談じゃないでしょう。ひねくれ者が子供に移ったら大変だろう、だから…
「私には分かります。あなたは本当は優しい方でしょう?」
何がわかる!と言い返したくなるが、自分のこういう所は嫌いじゃない。けれど、優しくしてやれない自分に嫌悪感を抱いた。