キュリア5
あれから四年がたった。
今は遺跡荒らしをセバスチャンに任せている。
二人目の子がもうすぐ生まれるためだ。
まあ領地に戻るたびにあれだけやったのだから、子が出来るのが遅すぎたくらいだろう。
さすがにお腹が膨らんだ状態で戦いに赴くことは出来ない。
その間、今まであまりかまってやれなかったアリサとの時間をとった。
「良いかアリサ、戦いで一番大切なことは生き残ることだ。生きていさえすれば次がある。忘れてはならんぞ」
「は~い」
娘は気のない返事をしながら草冠を編んでいる。
やはり八歳の娘に戦いの心得を説いても興味は無いか。
試行錯誤の結果、覚えているマンガの中二病的セリフやお約束を交えた物語を創作して語った。
娘は物語を聞くのは好きなようで、私に次のお話をねだるようになった。
ういやつよ。
そして午後からは結界を維持するための魔力供給を指導する。
アリサは幼いながら旦那様よりも多くの魔力を有していた。
元々旦那様の魔力量は少なく、父は高齢、私は妊娠しているため魔力供給が出来なかった。
私は領地にいないことが多い為、かなり前からアリサも魔力供給の練習はさせていて、今はほとんどをアリサに任せている。
他領の同世代の子供は魔力供給の練習を始めたくらいだろう。
この子はとても我慢強く優秀だ。
「アリサ、其方は私の誇りだ」
頭をなでる私に娘が首をかしげた。