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キュリア4

遺跡を有らし続けて早四年、私は二十四歳になった。

エクスカリバーはまだだが、最強の盾であるイージスを手に入れることが出来た。

だがこの盾はルビーに酷似した魔石をはめないと本来の力を発揮しない。

それを誰が持っているかは分かっていた。


「たかがルビーの首飾りにその値段は高すぎないか?」

私はブルシュバーン家から二つほど領地を越え、とある商会の応接室に来ていた。

「これは遺跡から発掘された逸品でして、普通のルビーとは違うのですよ。こちらのルビーの首飾りであれば勉強させてもらいますよ」

私はこの商会にとても質の良いルビーの首飾りがあると聞き、お忍びでやってきたどこぞの貴族のご夫人に変装している。

ん、まて・・・私は変装しなくても、ちゃんと貴族のご夫人だった。

まあいつものようにズボンに帯剣していたら信じてもらえなかっただろうが・・・

それはともかく通常の十倍の値段では購入は難しい。

「結構よ、確かに良い物だとは思うけれど、そこまでの価値は感じないわ」

私は扇子をパチンと閉じて立ち上がると、気分を害したふりをして商会を後にした。


「セバスチャン、プランBよ」




「衛兵隊だ!おとなしく投降しろ」

この地方を治める領主の兵たちが商会の中へと突入していく。

「ここだ。この下に地下牢があって誘拐された人たちが監禁されている」

セバスチャンが巧妙に隠された隠し扉を開くと数人の衛兵が突入する。

さて、私も仕事をしよう。

「商会長の部屋は二階の一番奥です」

衛兵隊の指揮官が精鋭と共に階段を駆け上がっていく。

そして私はこっそり集団から離れ、鍵を壊して一階の倉庫へと突入した。

「あれ、おかしいな。ここにも捕らえられている人がいるはずなのだけれど」

誰もいないのに白々しいセリフを吐きながら箱の中を物色する。

これはあれだ、箱や樽の中に閉じ込められている人がいないか確認しているだけである。

目的の物は壁に隠された金庫の中から見つかった。

私はそれをパンツの中に隠すと何食わぬ顔で衛兵たちと合流した。



捕り物とその後の処置などが終わり、私たちは宿屋に帰ってきた。

「上手くいったわねセバスチャン」

「・・・はぁ・・・、そうですね」

あの商会が叩けばほこりが出る事はゲーム知識で分かっていたからセバスチャンに調べさせた。

何せ、ゲーム画面には悪徳商人デベロンバーと表示されていたから。

人身売買までしていると分かっていればもっと早く対処したのだが、それは今言っても仕方ないだろう。

後はここの領主の仕事だ。

気持ちを切り替えよう。

とにかく目的は達したし予想外の収穫もあった。

目的のルビーだけでなくエクスカリバーにはめるサファイアに似た魔石もあの商会に有ったのだ。

シナリオでサファイアはオットーハイム侯爵家が持っていたのだが、ルビーと一緒に隠し金庫の中に保管されていた。

さて、そろそろむずむずするから物を取り出そう。

「セバスチャン、少し外に出ていなさい」

「いつもなら衝立を立てて覗くなとだけ仰るのに、どうかされましたか?」

「良いから呼ぶまで一階の食堂で安酒でも飲んでいなさい」

私はセバスチャンを無理矢理叩き出す。

捕り物が終わった後にどさくさに紛れて何か盗んでいないか調べられる可能性を考えてルビーとサファイアを隠したのだが、奥にしまいすぎて取り出すのに苦労しそうだ。

まあそのおかげで女性兵士に体を調べられても見つかることはなかったのだが・・・

私は衝立の影でパンツを脱いで指を突っ込んだ。


二つの宝石を回収してセバスチャンを呼びに行った時には彼は酔っ払って泥酔していた。

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