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ふかく、あさく

作者: 井伊紀文

 底にたまった泥たちを

 みんなすくいあげて

 まっさらにしてしまった

 池には冷たい岩が

 ごつごつとしているばかり

 そんなふかくまですくわなくても

 よかったが

 よかったが


 他人のこころの泥たちを

 みんなすくいあげて

 外にあげてしまった

 あんなに綺麗な人だったのに

 あんなに美しい人だったのに

 さらされた緑色の泥

 たまっていた汚れ

 そんなふかくまですくわなくても

 よかったが

 よかったが


 まことの輝きばかりが先走ったら

 あらゆる秘密も隠し事も

 みんな無くなっちゃって

 ふかくまですくわなくても

 あさいところでよかったのに

 ふかくまですくうことが

 ぜったいにいいことなのか

 

 人のこころをふかくまで掘らないほうが

 よりその人を知りたくなるんだな

 だからあさいところで一歩引いて

 あさいところで十分十分


 ふかいやさしさで

 やさしく 

 そしてあさく


 

 

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