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コミカライズ版「作画:潮里潤先生 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 17話」が更新しております。
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帝国から遠く離れた惑星。
狭いボロアパートで、安士は赤ん坊をおんぶしていた。
妻である女性がスーツ姿で出かけようとしている。
「ヤス君、十九時までには戻るから、それまでお世話をお願いね」
「――はい」
知的な女性は、安士を主夫にして自分が働きに出ていた。
安士は赤ん坊を背負っている。
本当なら逃げ出したいが、包丁を持って追いかけ回されてから怖くて逃げられない。
胸から腹部にかけて斜めに入った傷跡が生々しい。
女性に「この傷は残しておきましょうね。――二度と逃げないようにね」と、言われているので消せなかった。
この世界の医療なら完全に消せるのに、わざと残している。
愛の重い女に手を出してしまったと、安士は後悔する。
「うぅ、逃げたい。だが、俺の小遣いでは逃げ出せない」
リアムからもらったお金は、ほとんどをあの二人を育てるために使ってしまった。
残っていたお金も遊び歩いて使い切り、今は女性からお小遣いをもらって遊んでいる。
家に残って子供の面倒を見ているが、家事のほとんどは女性が行っている。
主夫にもなりきれず、ヒモにもなりきれず――中途半端な状態だ。
これがリアム、凜鳳、風華を育て上げた剣神の真の姿である。
赤ん坊がぐずり出す。
「はいはい、オムツを替えようね。――はぁ、俺は一体何をしているんだろう?」
遠く離れた惑星で、安士は生きていた。
◇
高級ホテルに用意された特別な医務室。
そこには凜鳳と風華の姿があった。
病衣を着用し、体中包帯だらけだ。
怪我が治ると、二人ともお腹が空いたと言ってベッドの上で次々に料理を平らげていく。
その様子を忌々しげに見ているのはティアだ。
その側にはエレンもいた。
ティアは、ベッドの上で姿勢正しく食事をしている二人を見る。
ただ、正しい姿勢で食事をしているだけで、皿の上の料理が次々に消えていくので給仕係が忙しそうに皿を取り替えていた。
ティアは二人の旺盛な食欲を前に呆れる。
「病み上がりでよくそんなに食べられるわね」
風華が人心地ついたのか、箸を置いて背伸びをした。
「食わないと力が出ないんだよ」
その横でお吸い物を飲み干した凜鳳が、小さく息を吐いてからニヤリと笑う。
「僕より力がないくせに」
風華が凜鳳に指をさした。
「お前は食ってもガリガリだけどな! 胸も小さいしよ」
風華の立派な胸に比べ、凜鳳の胸は平凡だった。
気にしているのか、凜鳳は目を細める。
「はぁ? 頭に回る栄養まで胸にいったんじゃないの? どうして僕が胸の大きさにこだわっていると思うのかな? そもそも、大きい胸をありがたがる意味が分からないよ。剣の道に生きるなら、そんな邪魔な脂肪は斬り落とした方がよくない? いっそ僕が斬り落として上げようか?」
早口の凜鳳を見て、エレンは思うのだった。
(あ、気にしてる)
騒がしい二人。
すると、またお腹が鳴り出した二人は、食事を再開するのだった。
そして、監視役のティアは不満そうにしている。
繋いだ腕には包帯と器具が取り付けられていた。
「どうしてこいつらの世話を私がしなければならないのか」
エレンが監視役に選ばれたのは、同門だからだ。
リアムが二人を預かることになり、顔合わせではないが話す機会を設けたのだ。
それは二人も理解しているようだ。
風華がエレンに話しかけてくる。
「ところでちっこいの」
「ちっこいのじゃありません。エレンです」
「別にいいだろ。俺たちは同門。お前との関係は叔母と姪か? ま、仲良くしようぜ」
二人はエレンに好意的だった。
リアムを殺そうとしていたのが嘘のようだ。
しかし、エレンはそのこともあり二人と仲良くするのが苦手だった。
「師匠を殺そうとした人とは仲良く出来ません!」
顔を背けると、風華が残念そうにする。
同じ一閃流の使い手というよりも、それは妹にそっぽを向かれて寂しそうにする姉のようだった。
凜鳳の方はクスクスと笑って、エレンの気持ちにも理解を示す。
「まぁ、僕も師匠を狙われたら激怒するから仕方ないよね。でも、兄弟子を狙ったのはその師匠の指示だよ。兄弟子もそれを知って、僕たちを受け入れてくれたよ。その兄弟子の弟子である君が、そんな態度はよくないね~」
風華は食事に満足したのか横になっていた。
「エレン、お前もいつか弟や妹たちに狙われるかもな。兄弟子の指示でな」
「――そ、それは」
今のリアムにはエレン一人しか弟子がいない。
凜鳳と風華は預かっている兄妹弟子にすぎず、正式な弟子ではないのだ。
最低でも後二人は、弟か妹が出来る。
それが少しだけ、エレンには嫌だった。
いつか自分以外の弟子が出来れば、リアムはそちらに意識を向けるだろう。
今のように、自分だけを見てくれなくなる。
エレンが困っていると、病室にリアムが入ってきた。
「元気そうだな」
二人の様子を見たリアムは、警戒などせず笑顔だった。
ベッドの上の二人が、すぐに正座をして頭を下げた。
太々しい態度や、荒々しい言葉遣いはともかく、一応は礼儀作法は仕込まれている。
凜鳳がリアムに謝罪を述べる。
「この度は本当に申し訳ありませんでした。自分たちの浅はかさを知りました」
風華も同様だ。
「未熟な我らでは、兄弟子の領域にまだ届かぬと理解いたしました」
殊勝な心がけの二人を前に、リアムはティアが用意した椅子に座って二人を見る。
警戒した様子がまるでない。
まるで身内を相手にしているような態度だ。
「誰が上か理解できたようだな。さて、お前たちを預かることになったが、正直に言えば一閃流に関しては俺が教えることはない。精々、修行場所を用意してやるくらいだ」
安士が鍛え上げた凜鳳も風華も、既に剣士として完成している。
ここから先は、自らを鍛えていくしかない。
リアムにできるのはその手伝いくらいだった。
ただ。
「だが、その他が駄目すぎる。師匠が俺に預けたということは、お前らを騎士として一人前にしろという意味だろう。怪我が治り次第、お前らを連れて俺は一度領地に戻る。お前らはしばらく、俺の領地で騎士となるために学べ」
学べと言われて露骨に嫌な顔をするのは凜鳳だ。
「――け、剣士に学など不要では? 兄弟子、僕は辞退します。今は少しでも自らを鍛えるべきかと」
リアムは笑顔だった。
「駄目だ。師匠が俺に預けたということは、そういうことだろうからな」
リアムなりに、二人の育成について色々と考えているようだ。
風華はどうでも良さそうにしていた。
「カプセルに入って外で数年鍛えて終わりだろ? ま、荒事なんてこっちは慣れっこさ」
確かに、二人を騎士にするため軍隊に放り込んでも平気だろう。
だが、リアムはそれより先に。
「そうか。なら、戻ったらしばらく行儀作法見習いとしてうちの侍女長であるセリーナに預ける。しっかり、メイドとして頑張れよ」
凜鳳も風華も、それを聞いて唖然としている。
「あ、兄弟子!? メイドって何ですか!」
「ふ、ふざけるなよ! 俺たちが何で女みたいなことをするんだよ!」
リアムは笑っている。
「俺も修業先で使用人として働いた。お前たちは貴族ではないから、俺の屋敷でしっかり教育してやる。逃げられると思うなよ」
「そ、そんなぁ!」
「お、俺がメイド!?」
リアムとしては善意から厳しく鍛えてやるつもりだろうが、二人からすれば剣とは関係ない修行に絶望していた。
エレンはちょっとだけ、いい気味だと思う。
◇
「――なん、だと」
案内人は膝から崩れ落ちた。
期待していたリアム暗殺の切り札が、まったく役に立たなかったからだ。
負けたのはいい。
しかし、その後もリアムの命を狙うどころか、兄弟子として慕い始めていた。
それもこれも、安士のせいだった。
リアムも安士の手紙を受けて、二人の妹弟子たちを可愛がっている。
「あ、あいつ、最後の最後に保身に走りやがった!」
安士の性格を考えれば当然なのだが、案内人からすれば裏切られた気分だ。
それよりも、だ。
どうしても許せないことがある。
「――私の行動が、実はリアムを助けていただけだと?」
後になって詳しく調べてみれば、結局リアムの手助けをしたに過ぎなかった。
全てが終わってみれば――カルヴァン派は大きく求心力を失い、その力を落としている。
対してクレオ派閥では、リアムは発言力を更に高めていた。
派閥の戦力強化も成功させ、その数を増やしている。
手も足も出なかったカルヴァン派と、肩を並べる大勢力を築いているではないか。
「許さない」
案内人は手を握りしめる。
それに、リアムの領地だ。
元々潜り込んでいた厄介な連中が特定されてしまい、今後の不安の芽が摘まれてしまっている。
何もかも、リアムに都合がいい状況が出来ていた。
「リアム、お前だけは絶対に許さない。こうなれば自爆覚悟でリアムを殺してやる!」
なりふり構わない案内人は、リアムを殺すために負の感情を集めることにした。
ちょうど星間国家同士の戦争もあり、そこには怨念が渦巻いていることだろう。
リアム絡みの負の感情も集めて、自分の手で止めを刺すことにした。
リアムを殺せるかどうかは分からない。
だが、案内人はそんなことに関係なく、リアムを倒したかった。
「絶対にリアムを殺してやる!」
負の感情を集めるためにその場から消えた案内人を、犬が見送った。
そして、犬は――どこかへと消えていく。
◇
遠征軍が無事に帝国に帰還すると、勝利を祝って首都星の各地で戦勝会が開かれた。
遠征軍に参加した貴族や軍人を招待し、貴族たちが盛り上がっている。
単純に勝利を喜んでいる者。
そして、クレオ派閥に近付きたい者。
もはや、クレオは以前のように無力ではなかった。
パーティーを開かれたクレオは、沢山の参加者との挨拶で疲れ切っていた。
リシテアを連れて休憩室に入る。
「――疲れるな。伯爵はこれを毎日行うのか? よくやる」
クレオのそんな愚痴に、リシテアは窘めつつも嬉しそうだった。
「伯爵が根回しをしてくれたおかげだぞ。首都星に残って精力的に動き回っていたらしいからな。だが、お前の名前でこれだけの人間が動くのだ。もう、無力な頃とは違うさ」
リアムが有望な貴族たちを招待していた。
本人ではなくウォーレスが、だが。
「俺は戦場にいるだけでしたけどね」
クレオは何もしていない。
実質的な総司令官はティアだった。
そして、全体の調整を行ったのはクラウスという有能な騎士だ。
「それより、伯爵本人はあまり表に出て来ませんね」
「一度領地に戻るそうだ。大規模デモは落ち着いてきているらしいが、やはり地元の様子が気になるのだろうな」
そんな状態なのに、よく首都星に残ってくれたとリシテアは感激していた。
ただ、クレオは素直に喜べない。
「――本当に伯爵は何でも出来てしまうのですね。俺とは大違いだ」
次の皇帝の座を巡って兄と争ってはいるが、クレオはただの飾りだった。
それを受け入れていたが――本人は面白くない。
「俺がいなくても彼さえいれば、周りは納得するのでしょうね」
「何か言ったか?」
クレオの呟きを聞き逃したリシテアは、今後のことを考えてワクワクしていた。
危機を乗り越え、今ではカルヴァン派閥と戦えるだけの力を得ていた。
それが嬉しいのだろう。
だから、わざわざ水を差すこともないと、クレオは首を横に振った。
「いえ、何も」
◇
案内人は首都星に舞い戻っていた。
遠征軍に滅ぼされた怨霊たち。
そして首都星に渦巻く憎しみ。
なりふり構わず集め続けた負の感情を持って、リアムに戦いを挑むためだ。
「リアム! 今日こそお前をこの手でぇぇぇ!」
アンドロイドの天城も倒せず、自分の行動が何の意味もなかったばかりか最終的にリアムの勝利に結びついていたと知った案内人は怒り狂っていた。
浮かれていたところで現実を突きつけられ、もう怒りで我を忘れていた。
そして、宇宙港でリアムがこれから領地に戻るところであるのを突き止めると、真っ直ぐに向かっていく。
「そこかぁぁぁ!」
凜鳳と風華、そしてエレンを連れて自慢の戦艦を案内していた。
無駄に豪奢な宇宙船の廊下を、護衛なしで歩いている。
四人の背中が見えた案内人は、負の感情を研ぎ澄ませて一つの刃を作り上げる。
案内人の腕が禍々しい刃へと変わり、リアムの背中に迫る。
「リアァァァムゥゥ!!」
◇
「どうだ、凄いだろ! 金をかけた超弩級戦艦だ。こいつの中で数年暮らしている兵士たちもいるからな!」
三千メートル級とか、内部にコロニーがあるようなものだ。
人員の入れ替えもあるが、中には数年間も戦艦の中で暮らして結婚した奴もいる。
赤ん坊も産まれたとか報告を聞くと、俺には理解できなかった。
赤ん坊はまともに育つのだろうか?
確かに学校もあるとは聞いたが、不安である。
見栄のために馬鹿でかい戦艦を買ったのはいいが、俺の理解を超えていることが多いな。
そんな理解不能な戦艦の中は、俺が金をかけて豪奢な作りになっている。
派手好きな風華が喜んでいるのが、妙に嬉しかった。
「凄ぇ! 兄弟子、俺にも頂戴!」
本当だったら一隻や二隻は買ってやりたいが――それは出来ない。
「超弩級戦艦が俺の自由に出来ると思うのか? 天城の許可がいるから無理だ。絶対に許可が出ない」
戦艦を私物化するだけでも嫌な顔をするのに、妹弟子にあげた! なんて言えば、天城に何を言われるか分からない。
少し前にニアスに俺の乗艦を建造させた時も小言を言われてしまったよ。
もうすぐ完成するので、受け取るのが今から楽しみでしょうがない。
「ちぇ~」
風華が残念そうにしている。
だが、プレゼントくらい用意するつもりだ。
「そんなに残念がるな。お前らには専用の機動騎士を用意してやる。これからパイロット訓練も必要になるからな」
凜鳳は興味がないのか髪の毛を弄っていた。
「男の人はロボットが好きですよね。斬り捨てれば同じだと思いますけど」
ロボットに興味がないようだ。
エレンが目を輝かせている。
「師匠、わ、わたしも!」
だが、エレンは駄目だ。
「お前にはまだ早い」
「そ、そうですか」
俯いてしまうのが可哀想だが、エレンはまだ幼いのでゆっくり育てたい。
風華はロボットに少しだけ興味があるらしい。
「兄弟子、どんな機動騎士を用意してくれるのさ?」
よく聞いてくれた!
「実は俺の愛機を量産することにした。ま、劣化品だけどな」
アヴィドを量産とかまず無理だそうだ。
第七兵器工場曰く「量産する機体じゃない」だそうだ。
というか、出来ない。
レアメタルを揃えても、マシンハートがないのでアヴィドの性能は再現不可能である。
だから、劣化品ながらも高い性能を維持するアヴィド量産型を二人に用意することにした。
性能的には、アヴィドには劣るが他よりはマシだろう。
何しろ、劣化品でも下手な専用機よりも金がかかる機体だ。
「劣化品とかやる気がでないなぁ」
文句を言う風華のおでこを指で小突く。
「わがまま言うな。劣化品でも金と時間のかかる機体だぞ。他からすれば高級機だ」
まぁ、その程度など痛くも痒くもないけどな。
それはそうと。
俺が前を向いて嬉しそうにしていると、エレンが話しかけてくる。
「師匠、何かいいことでもあったんですか?」
こいつには俺の気持ちが分かるようだ。
「あったな。気が付けば望んでいた以上の完全勝利だ」
カルヴァンと勝負できるぐらいの力を得た。
後は――二人の妹弟子に出会い、そして俺の弟子も少しずつ成長している。
今日は気分がいい。
これも全て、案内人のおかげだ。
ただ、最近は忙しくて案内人への感謝の気持ちが薄れている気がする。
きっと今回も俺のためにアフターフォローを頑張ってくれたのだろう。
丁度、通りかかった場所に俺が作らせた案内人を模した像が目についた。
黄金で作った案内人の像だ。
「――お前ら、ここで祈れ」
すると、凜鳳が呆れた顔をする。
「急になんですか?」
「いいから祈れ。感謝の気持ちをこの像に捧げるんだ!」
急に俺が祈れと言いだし、風華が凜鳳と顔を見合わせる。
「どうする?」
「まぁ、兄弟子の命令ですからこれくらいしますけど」
ただ、エレンはやる気十分だ。
「師匠、私はいっぱい感謝します!」
「よく言った! さぁ、この像に感謝を捧げるぞ!」
◇
リアムに感謝しろと言われた三人は、とりあえず祈ることにした。
凜鳳は誰に感謝していいのか分からずに。
(ま、僕が感謝するなら安士師匠だよね)
そして風華も当然のように。
(安士師匠に感謝すればいいんだよな?)
最後のエレンは、リアムに感謝を捧げる。
(師匠に出会えたことを一生懸命に感謝するぞ!)
三人の本気の感謝が、案内人の黄金像に注がれるのだった。
◇
リアムたちが立ち止まった。
それを見た案内人が飛び上がる。
「リアム、これで終わりだぁぁぁ――え?」
すると、四人が方向を変え屈みだし、その先にあったのは自分の黄金の像だった。
いったいこいつらは何をしているのか?
すると、リアムたちの感謝の祈りが黄金の像に集められていく。
どこにいても感謝できるようにと用意された案内人の黄金像。
すると、その黄金の像が輝きだした。
リアムたちには見えていない。
「ま、まぶしぃぃぃ!!」
案内人が黄金の光にその身を焼かれると、黄金の像から刀が出現する。
黄金の刃を持つ刀は、一閃流の継承者たちの祈りで具現化したものだ。
純粋な感謝の気持ちが練り込まれたもの。
案内人には毒であり、リアムの感謝も加わり猛毒である。
「や、やめ――」
止めてと言おうとした瞬間に、案内人の胸元に突き刺さっていた。
刃が案内人の体を内側から焼き、そして猛毒をばらまく。
「いぃぃぃやぁぁぁぁ!!」
刃を通して伝わってくるのは、これまで以上のリアムの感謝。
ただ、安士に対する尋常ではない感謝の気持ちと、リアムに向けた感謝の気持ちも混ざり込んでいる。
そして、周囲には他にも黄金の刀が浮かんでいた。
案内人に刃を向けた瞬間に次々に突き刺さっていく。
リアムの感謝の気持ちではなく、他にも色々と混ざり合っている。
「それ私は関係ないじゃないかぁぁぁ――」
そしてついに――案内人の体は感謝の気持ちにより崩壊し、シルクハットだけが地面に落ちた。
そのまま、シルクハットだけが沈み込むように消えていく。
ブライアンヾ(*´ω`*)ノ「案内人ざまぁ、であります」




