心話
心話と魔力操作と骨っ子たちの言語理解について。
心話 指向性を持たせて放出した魔力によって意思の疎通を図るもの。
心話に必要な能力、特性 話すのと聞くのでは異なる。
話す(発信) 「身体強化技術」+「多大な放出魔力」
イメージ的には放出魔力を身体強化で指向性を持たせて発する感じ
そのため発信側の魔力が大きいと身体強化が下手でも音が染みこむというか押し込まれるため聞こえやすい。ジャ○アンの歌声か。
聞く(受信) 「魔力操作/感知能力」+「魔力」
保有魔力に届いた他者の放出魔力の把握。受信側の魔力はないと困るがさほど多くなくても大丈夫。イメージ的には振動を拾うために水盤に満たした水が魔力、振動を把握できるのが魔力操作/感知能力。
つまり、不自由なく心話で会話をするためには「身体強化技術」+「魔力操作/感知能力」+「魔力」が必要
※「身体強化技術」=体内の魔力の循環を制御することで身体能力と強度を上げるもの。
言うなればモーターをダイナモとして使うための技術。
ちなみに、魔力をとおすぶん身体強度もどうしても上がるので、魔力で運動不足の身体を動かした結果、腱が切れる肉離れ起こす筋肉痛で動けなくなる、などの子どもの運動会にうっかり張り切っちゃったお父さんみたいな後遺症が発生することはない。
※「魔力操作/感知能力」=大気中の魔力を感知したり、自身の放出魔力を操作したりするために必要な能力。
魔術師にとっては魔術を使うために前提となる必須基本スキルなので、通常は魔術学院や各魔術系貴族の家で、体系化されたカリキュラムにのっとって学習されるもの。
この能力が身についていれば「身体強化技術」は覚えやすいが、肉体労働をあまりしない魔術師には恩恵があまり感じられないのか、身につけている魔術師は滅多にいない。
逆に、騎士の中には、身体をいじめ抜いた結果、別に系統立って学んでないのに「身体強化技術」を身につけちゃう者もいる。
さらにその中には、やはり学んでないのに「魔力操作/感知能力」を身につける者もいる。
身体能力向上に加え、隠密活動のため自身の魔力を隠蔽する方向で使ってるのがアロイス。
威圧として使ってるのがカシアスのおっちゃん。
不自由なく心話を使いこなせるもの
・魔物 生存のためにナチュラルに身体強化してるし、魔力感知能力は高い。また水を操ったり重量軽減したりするのも全部魔力操作による。魔力が多いのは当然。
・骨っ子 動けるのは身体強化しているせい。魔力操作/感知能力は擬似五感として使用している。魔力も多い。
・グラミィ 魔力は多い。骨っ子に心話で話しかけられたというか、思考ダダ漏れ状態でやってきた骨っ子の魔力に当てられて、魔力を感知する方法を覚えた感じ。魔力操作と身体強化は骨っ子に叩き込まれた。
・森精 魔物枠かもしれない。生得的に心話能力がある感じ。
彼らのコミュニティで無言で過ごそうと思ったら、たぶん生まれてから死ぬまで可能。基本価値基準が身体より精神優位なので、声帯が衰えて喋れなくなるのを防ぐためと、人間の言葉を忘れないために喋ってる感じ。
・身体強化を覚えた魔術師
骨っ子が身の危険に自力でも対応できるようにと同行者を鍛えたので、マヌスくん以外の糾問使団同行組とアルボー同行組は全員。
受信だけできる者
・アロイス
「身体強化技術」はあるものの、魔力ナシと断じられたように放出魔力は常人なみの大きさ、というか小ささ。
「魔力操作/感知能力」もあるが、感知方向に偏っているせいで、パッシブソナー的に受信はできるものの発信が微弱。
骨っ子ならびに骨っ子に心話の使い方を学んだグラミィにはしっかり聞こえるが、二人ほど微細な魔力操作に長けていないコールナーにとっては「声が小さくて聞こえない」感覚。
・身体強化を覚えていない魔術師
「魔力操作/感知」は高いので『心話が行われている』ことはなんとなくわかる。けれども「身体強化技術」がないと、自身の魔力で受けた他者の魔力に焦点をあわせることができない。
アンテナの精度があってもチューニングのずれたラジオ状態。
それでもうっかり聞こえるとまずいので、骨っ子とグラミィは、ほか魔術師がいる場合、基本的に互いの身体に接触して直接心話を叩き込む直接心話方式接触テレパシーをとっていたり、ヴィーリの樹杖、魔物に伝えてもらったりする。
また、二人ともよほどの相手でもない限り、自分から心話で話しかけることはない。
シルの声が聞きたいアーセノウスさん、残念ながら念願がかなわぬようだ。
発信しかできないもの
・(骨っ子&グラミィ限定で)この世界の人間全部
骨っ子とグラミィがこの世界の人間と会話ができる理由と関係する。
骨っ子とグラミィがこの世界の人間と会話ができる理由
この世界の言語はアルマ語。二人の喋る日本語との互換性はほぼない。
だが、二人は心話の応用で会話ができている。
この世界の魔術師ではない人間が話をする際、放出魔力には意図、概念、感情などが含まれる。それを鋭敏センサ持ちな骨っ子(とその受信方法を学んだグラミィ)は、ほぼ言語的なコミュニケーションとして受け止めることができる。
発信も二人が膨大な魔力を持ってるせいで、無駄に理解が進む。
→ただし、魔力というのは存在感とも比例する。異様なまでに膨大な魔力のせいで、一番最初に出会ったカシアスのおっちゃん以下魔術士隊騎士隊の人間には超警戒された。
魔術士隊は骨っ子の魔力が生きてる人間のものっぽくないことにも気づいてた。それがあの敵意満載な行動の遠因の一つになった。
魔術士隊という敵ができたことで、二人と騎士隊との関係はちょっと良好になったが。
心話の危険性
本文中でも書いたが、心話は魔力をぶつけるもの。
つまり言語面だけでなく感情も伝わる。
敵対的なものだと威圧と受け止められ、相手に恐怖や憎悪をもたらしやすくなる。
逆に好意的なものだと肯定的になったり親和性が高まったりする。
さらに、魔力をぶつけていると相手の魔力も変容する。
真名の誓約を受けていない=魔術師でない者は、たぶん心話を一度受けちゃったら一発で変容する。
タクススさんの異様なまでの骨っ子に対する支援はそのせいかもしれず。
自我がドロドロに変容してしまうほど心話によって影響を受けると、影響を与え、変容をもたらした存在の非存在を耐えがたく思うようになる。
つまりヤンデレ方向一直線の危険も。