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短編

作者: RK

 私の手は何も掴めない。


 ペンも。


 食器も。


 希望も。


 夢も。


 愛する人の手も。


 私の手は掴むことが出来ない。


 母はそんな私を抱きしめてくれた。


 何処かへ行ってしまいそうな私を引きとめる為に。


 私は母の胸で泣いた。


 私の手は何も掴めない。


 そんな私に母は教えてくれた。


 なにも掴むことにこだわらなくていいのだと。


 私には掴む為の手はない。


 それでも抱きしめる為の腕はある。


 目的地へと歩む為の足がある。


 愛する者は抱きしめればいい。


 夢や希望へ歩めばいい。


 私の手は何も掴めない。


 でも、私は沢山のものを持っている。


 それは私の何もない手が掴ませてくれた人の想いだった。

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