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「ほらほら、学食行くでー!」
「はいはい」
奏汰に言われて、皆が動き出す。今歩いてる理由を忘れてた。そういえば学食に行く途中だった。
「僕すっかり忘れてたよー!」
あははって言う莉兎さんに、俺もって賛成する拓也さん。俺もですとは言い出せなかったけど、
心の中で、ですよね。俺も忘れてました。って言った。
学食について奏汰が扉あけたら、一斉に中の人の顔が向く。その瞬間に響く叫び声。
『山中様!!神崎様!!御珍しい!』
『小国君!斑鳩君!お似合いです!』
莉兎さんと拓也さんも人気があるって、初めて気づいた。確かに、可愛いしカッコいいもんね。
その中に混じる、俺のことに関する声。
『愛川、可愛いよな』
『あぁ・・・』
非難の声より、全然嬉しい。けど、その後に続いた『抱きたい』って言葉に背筋が震える。
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