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「ん・・。分かった」
「うん。」
有紀はニッコリ笑うと、俺の目の前に立って呆然としてる奏汰を睨んだ。
「何見てんだよ。さっさと進め」
「おおう、いきなり態度変えすぎやろ・・・」
「うっせー。」
小さい声でボソッと何か言った奏汰をばっさり切り捨てて、有紀は足を進める。
俺も着いて行って、後ろから莉兎さんたちも着いてくる。
お昼の時間だからみんな食堂に居るのか、廊下は人が少ない。
それでもポツポツと、時々歩く人を見かける。
そんな人たちは俺達の方を向いて驚いたように目を見開いた後、走り去っていくか、
キャーっと叫んで近寄ってくるかのどっちかだった。
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