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ゼロのココロ  作者: すぴ
不機嫌
74/84

21-2



不安でしかたなくて、袖の裾を握り締めて下唇を噛みながら床を見つめた。

そしたら、頭にポンっと誰かの手が乗せられた。

上を見上げたら、困った笑顔の有紀の顔。



「ごめん澪梓。本当になんでもないから。大丈夫だよ」

「・・そ、か・・・」

「うん。澪梓は気にしなくていいよ」

「ん・・」



今度は安心できて、リラックスして前を向いた。

そしたら、横から手が伸びてきて、有紀の両手が俺の頬に当てられる。



「?、どうか、した?」

「ん。澪梓、唇噛んだらダメだよ。」


有紀はそういって俺の下唇を親指でなぞった。






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