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奏汰はの顔はまさに顔面蒼白。
今にも土下座をしそうな勢いで先生に謝っている。
それでも先生は許さなくて、奏汰は半泣きになり、それ以降ずっと机に突っ伏していた。
声を掛けようかと思ったけど、それでまた奏汰が怒られては大変なのでやめておいた。
しばらくしてチャイムがなり、先生が授業の終わりを告げた。
それと同時に奏汰の肩がビクッと揺れた。
奏汰がそっと顔を上げると、教卓にニヤリと笑みを浮かべる先生。
それを見て青ざめながらも奏汰は立ち上がる。
「…じゃぁ、行って来るわ…。遺骨は大阪湾にばら撒いてな…」
「おうおう、分かったからさっさと行って来い。先生また怒るぞ」
「…澪梓、短い間やったけど楽しかったわ。また来世で会えたら「さっさとしろ」…ばいばい」
奏汰の声と被るように先生が声を出し、奏汰は重い足取りで教室を去っていった。
俺はそんな奏汰の背中をただ見つめた。
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