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「それより、今日は機嫌良いねんな」
「…まあな」
「なにその含みのある笑い!」
「別に」
「まあ、良かったわ。この頃不機嫌すぎて怖かったんよ、俺!
話しかけるたびに睨まれるわ舌打ち連発されるわでもう不登校なったろうかと思ったわ!」
「お前が相手のテンション考えずにずっとうるさいからだろ」
「え、俺の所為なん?!」
「…神崎」
先生が低く唸るような声で奏汰の名前を呼ぶ。
奏汰は一気に青ざめてギギギと音がするくらい硬い仕草で教卓の方へ顔を向けた。
そこにはこめかみを轢くつかせながら青筋を浮かべる先生が居た。
「ごめんたけちゃん!いや、竹内先生!」
「…後で資料室に来い」
「ヒィィッ!それだけは勘弁して!」
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