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*17 気がかり
たつにいの後ろをパタパタと追いかける。
身長も足の長さも全然違うから、たつにいと一緒に歩くときは常に早歩きだ。
たつにいなりにゆっくり歩いてくれてるけど、俺にはまだ全然速い。
歩きながら雑談しているとすぐに教室に着いた。
親衛隊の人とか、あの先生のこととか考えると、入るのを戸惑ってしまう。
でも中には有紀がいるし。と考えて扉を開けようとしたけど、たつにいに止められた。
「いま入ると授業中だから、目立つぞ」
「あ、そっかぁ…」
「授業が終るまで待っておこう」
「うん」
そういって、俺達はまた控え室に入った。
ソファーに座っているとまたココアをつくってくれた。
今度は火傷しないようにちゃんとフーフーする。
一口飲んで、飲める熱さになったのを確認してすこしずつのどに流し込む。
一息ついたところで、気になっていたことを聞く。
「ねぇ、たつにい。」
「ん?なんだ?」
「たつにいは、授業じゃなかったの?」
「ああ、俺は次の授業からだ。」
「じゃあ、あの日、は…?」
「あの日も授業ではなかった。職員室で先生達と話していただけだ。」
それを聞いてほっとする。そしたら、気にするな。って頭を撫でられた。
ココアを飲み干した頃、タイミングよくチャイムが鳴った。俺の体が跳ねる。
「大丈夫だ。有紀もいる。行って来い」
「うん」
そして俺はまた自分の頬をペチンと叩く。気合が入ったところで、廊下へ出る。
まだあんまり生徒は居なくて安心する。教室の前と後ろにある扉の後ろのほうの扉に手をかける。
17気がかり 終
やっと作成意欲が沸いてきたので最新です…
お待たせしました。5ヶ月ぶりの最新です(*゜д`)←