14
*14 安心
痛い。頭が痛い。喉が痛い。目が痛い。ココロが、痛い。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い。
真っ白な世界。誰も居ない、何もない。何も聞こえない。
そこに俺は1人。
怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い寂しい、寂しい、助けて…
俺は真っ白な世界の中で、痛いと怖いと寂しいと、助けてを声を荒げながらひたすら叫び続けた。
そしたら、声が聞こえた。何もない無の世界に声が響いた。大丈夫だ、と。
誰だかわからない。けど懐かしい、安心する声。
俺はその声を聞いて、涙を流して助けを求めた。
大丈夫だ、澪梓…
力強いハスキーボイスがそう言った。瞬間、白い世界は消えた。
そこにあるのは、白くも黒くもピンクでも水色でも、何色でもない。
透明な世界。それでも、怖くも寂しくも無いのは、
俺が、安心する優し何かに包まれている所為。
俺はその何かを抱きしめた。 怖かったのだと、寂しかったのだと。助けてくれて、有難うと。
すると、その何かに抱きしめ返された。俺が居るからもう大丈夫だと。いつでも助けてやると。
その瞬間、その何かが誰かわかった。そしたら俺の表情はさっきよりも明るくなる。
有難う、有難う---たつにい。
安心した所為か、俺は浮上しかけていた意識をまた落とした。
14安心 終