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多分、俺が泣き始めて20分ぐらいした頃に、食堂の扉が勢いよく開いた。
泣きながら扉に視線を寄せると、そこには息を切らしたたつにいが居た。
「おい有紀!どうしたんだ!!」
「後で話すから、澪梓を!」
「チッ」
有紀と話した後、たつにいがこっちに来た。俺はまだ泣いてる。
「やだぁ、やなのおぉ!! た、つにぃっ!たす、け…!」
俺はたつにいに助けてと訴える。
たつにいはそれを見ると、両手を広げて俺を迎える。
俺はそれを合図にたつにいに飛びつく。
「うっ、たつ、に…。こわっい!」
「大丈夫、大丈夫だ。」
「たつに…っ!」
「もう大丈夫。俺が居るだろ?」
そういってたつにいは、いつも母さんがしてくれてたみたいに、
俺の頭を2,3回撫でてから、俺の顔を覗き込んで、
『澪梓、大丈夫だから。泣くな。』って囁く。
俺はそれを聞くなり、安心してたつにいに凭れかかる。
たつにいは俺を抱き上げる。そして涙で濡れた頬と瞼にチュッと音を立ててキスをする。
そのまま、俺は泣き疲れて、たつにいの暖かい胸を抱きしめながら眠りに落ちた。
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