13-8
「ごめんね、澪梓…」
有紀はまだシュンとしてる。でも、今回は簡単に許さない。
本当に腕がちぎれるかと思うほど痛かったんだ。
「…」
俺は無言。有紀は焦る。
「澪梓、澪梓ごめん」
何回も俺に謝る。だんだんとその目は涙で潤んでくる。
でも、俺は無言。どころか、有紀を軽く無視する。
「れ、いし」
有紀は今にも泣き出しそうな声で俺の名前を呼ぶ。
俺はしょうがないと、ハァと短く息を吐き、有紀を見る。
有紀は、やっぱり両方の瞳に零れそうなほど涙をためていた。
それをみてちょっと苦笑いがもれる。
「も、いい。」
そんな俺の短い言葉にも、有紀は顔を輝かせる。
「澪梓、ありがとっ」
そう言って俺に飛びつく。なんか有紀は、大きな犬みたいだ。
俺は有紀の頭をヨシヨシ。と撫でる。
すこしして、有紀は俺から離れる。そして、さっきの弱気な有紀の目つきとは違って、
鋭い目つきで鳴海先輩を睨む。
「鳴海先輩は、何のつもりだったんですか。」
「あ?お前には関係ねーだろ。」
「澪梓をどこにつれてく気だったんですか。」
「お前にはかんけ「早く答えてください」…」
「…」
「俺の部屋行こうとしただけだ。」
「何のために。」
「あんな顔みた後だぜ?そっから家ですることなんて決まってんだろ」
「…」
「なんだ?知りたいのか? 家に連れてって、押し倒して素っ裸にして
白い肌を眺めてからそこらじゅう触りまくって、あんあん喘がせながらあそこに俺のモン突っ込んで
足立たなくなるまで犯してやろうかとおもってよ。」
ニヤニヤしながら、周りには聞こえないような声で、俺と有紀にそう囁く。
俺はそれを聞くなり青ざめる。鳴海先輩の口から淡々と聞こえる卑猥な言葉。
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