13-1
*13 騒動
「……」
目が覚めた。なんか右手が異常に暖かかったから右手のほうに目を持っていくと
有紀が俺の手を握りながら寝ていた。
「有紀」
俺は名前を呼びながら上半身を起して有紀の頭を撫でる。
すると有紀は ぅー と唸りながら身じろいだ。
それが可愛くて、俺はクスクス笑いながらまた同じことをする。
「ゆーき。」
「…ん……。れい、し?」
「うん。ずっと一緒に居てくれたんだ?」
「うん、澪梓の手暖かくて気持ちよかった…」
有紀はまだ眠いみたいで欠伸をしながらそう答えた。
「それより、澪梓はもう大丈夫?」
「うん、気分もだいぶ楽。」
「よし、んじゃあ熱測って。」
俺は体温計を受取り脇に挟んだ。
ピピピピと、また高めの機械音が鳴った。
「何度?」
「37.2度」
「んー、ちょっと高いのな。」
「でも、大丈夫。 いいでしょ?」
「…しょうがない。微熱ってことで許してあげる」
「ありがと」
2人でクスクスと笑う。
「ねえ有紀、俺お腹すいた…」
朝ぐらい食べなくてもいいだろうって思って朝抜いたけど、
そういえば学園に来てから何も食べて無い。
昼は家を出る前に食べてきたけど、夜ご飯を食べる前に俺は寝たんだった。
「ん、了解。今1時だから、丁度昼時だしな。 どこで食べる?」
「どこがある?」
「学食、コンビニ かなぁ。」
「…」
「コンビニで俺が買って来ようか?」
それは嬉しいけど、迷惑掛けるわけには行かない。
「いい、学食行こう。」
「いいのか?」
「大丈夫。」
「分かった、それじゃあ行こう。」
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