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ゼロのココロ  作者: すぴ
欧咲学園
4/84

2-1

*2 欧咲学園



「で、かい、なぁ…」



俺は今、かの有名な欧咲学園の門の前に1人で立っている。

有紀が、一緒に着いて行くっていってたけど、今日は平日で有紀は学校もあるから

1人で大丈夫って言って断った。

ちょっと不満そうな顔してたけど、困ったように笑えば諦めてくれた。



有紀は、俺の両親が死んでから唯一安心出来る2人のうちの1人だ。

後1人は有紀のお兄ちゃんで達樹。俺は「たつにい」って呼んでる。


2人は、4歳のとき俺の家の隣に引っ越してきたんだ。

俺もあの頃は極普通の子供だったから、

2人とはすぐに仲良くなった。



明るくて優しくてかっこいいたつにいと

泣き虫で甘えん坊で可愛い有紀。


有紀は今だからカッコいいけど、小さいときは

本当に可愛かったんだ。



昔は良く3人で近くの公園に行って遊んだな…



それも、両親が死ぬまでだけど…。


両親が死んでから、俺は人と関わるのが怖くなった。

最初は、有紀とたつにいも怖かったんだ。

でも、2人は何回も話しかけてくれて、だんだん大丈夫になってきたんだ。

今では、俺が唯一甘えれる存在。



本当は、学園に行くのも嫌だった。

だって、寮で生活するって事は自然と他の人と関わるという事だから。

今だってうまく人と関われる自信は無いけど、

有紀が言ったから、俺はここに来た。


きっと、有紀が居なければ、俺は壊れていたと思うから--。




なんて考えてるうちにもう時間だ。


「はぁ…。い、くか…」





-?side-



今日も退屈な毎日。

ちびっこい奴らにキャキャー言われて纏わりつかれる。

いつもと、変わらない。

そう思いながらもう少しで始業式の準備が始まるからと

理玖と一緒に体育館を目指し歩いていた。



門の前を横切るとき、門の前に突っ立ってる奴を見つけた。

こんな奴見たこと無い。

小柄で、どこか切なげな表情の黒髪の…男?

女にも見えるが、服装的に男なんだろう。



とても綺麗な顔立ちだ。

そう思って足を止めると、理玖は不思議そうな顔をしたが、

俺の視線の先を見つけると、同じように歩くのを止めた。



何をするでもなく、ただボーッと門を見つめてるソイツを

俺達もボーッと見つめていた。



「はぁ…。い、くか…」




ソイツがはかなげな顔で静かにそういった。

その声は顔に似合い、少し高めの甘みを含んだ、それでいて凛とした声だった。



その瞬間、俺は一瞬で落ちた。



俺は自分で言うのもなんだけど、顔は整っていて、スタイルもいい方だと思う。

今まで、それなりに女遊びもしていた。

この学園は、ゲイとバイが当たり前だが、俺は違う。

列記としたのんけだ。

そう思っていたが、そんなことが嘘のように、俺は一目ぼれしたんだ。

喋ったことも無い、ただ門の前に立ってるのを見かけた奴に、だ。




自分の事ながら唖然としていると、ソイツが門のチャイムを鳴らした。

すると門が開き、ソイツが入ってきた。



あんなところにチャイムがあったとは…。



…待てよ。この学園に関係者以外が入れるわけが無い。

なのに、なぜコイツは入れてるんだ?



「…そういえば、転校生が来るって噂になってたよね。」



理玖がニヤッとしながらそういった。

ああ、コイツが例の転校生か。




今までとは違って、これからの生活は楽しくなりそうだ…





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