12-6
有紀side
澪梓が寝た後、村田先生と話をした。
「澪梓、大丈夫ですかね」
「熱はすぐ引くと思うよ。」
「そうですか…。」
「生活環境が変わったから、ちょっと体が付いていけなかったのかもね。」
「……。」
「他に思い当たる事があるのかな?」
思い当たるといえば、やっぱり教室での出来事…。
「…その、教室で俺の親衛隊と鳴海先輩の親衛隊と、田中先生からの嫌がらせが…。
それで意識失って、さっきここに連れて来たんです。」
「そっか、それじゃあ、精神的ショックってのも入ってるのかもね。」
「はい…」
「でも、多分大丈夫だよ。山中君と一緒に居るときの愛川君、とても安心したような顔してたからね」
「そうですか…。でも、俺の所為で澪梓は…」
「山中君の所為じゃないでしょ?」
「でも俺の親衛隊ですし…」
「けど、山中君が直接なにかしたわけじゃないでしょ?」
「…はい」
「教師の立場の僕は、親衛隊の子達が一丸に悪いとは言えないけど、
あまり人の気持ちを考えれて無いよね。」
「はい」
「それと、田中先生か…。 そうだね、あまりいい噂は聞かないね。
少し理事長と話し合ってみるよ。」
「すいません…」
「気にしないで? 僕達は生徒のみかただからね。」
「ありがとう御座います。」
村田先生は、いい先生だと思う。
本当に、生徒を一番に考えてるという事が伝わってくるんだ。
とりあえず、村田先生と理事長の叔父さんに任せておけば、田中のことはどうにかなると思う。
それにしても胸騒ぎがする。
なにもなければいいけど。
12胸騒ぎ 終