12-4
有紀に腕を引っ張られて歩いてたら、保健室の前に付いた。
あ、また道見るの忘れた。
ちょっと後悔してたら、また有紀に引っ張られて保健室に入った。
「村田せんせー」
「はいはーい。あれ?山中君と愛川君。どうしたの?」
村田先生が奥の方から出てきた。
「なんかコイツ、熱あるみたいなんです。」
「俺は、だいじょ「大丈夫じゃないだろ。大人しく熱測れ」」
有紀がそういって体温計を渡してきた。って、勝手にそんなことしていいのかよ…
そう思って村田先生を見たら、「大丈夫だよ」って目で俺を見つめ返して来たから、
ならいいか。と、体温計を脇に挟んだ。
3分ぐらいすると、ピピピピと高めの機械音が鳴った。
「愛川くん、貸してくれるかな?」
村田先生がそういって手を差し出した。
俺は黙ってその手に体温計を置く。
先生はそれを見るなり驚いたように少しだけ目を大きくした。
「んー、高いね。どうする?保健室で寝る?それとも寮に帰る?」
先生は俺に問いかける。
「何度だったんですか?」
有紀が先生に問いかける。
「はい」と言って先生が有紀に体温計を手渡す。
有紀はそれを見ると「え?!」と言って俺を見る。
「澪梓、大丈夫か?!やっぱ高熱じゃん!」
「な、んど?」
「39.5度!!」
おお、高熱だ。俺は平熱が35度台だから余計か。
「…大丈夫、です。教室、戻り…ます」
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