9-9
「ちょ、澪梓、今の声はやばい」
頭上から有紀の声。またしても理解できない
「…な、んで? てか、有紀、おもい、って」
俺はおもいきり有紀の胸を押して、有紀から解放された。
やっと新鮮な酸素が吸えた。
「あ、ごめんな、澪梓」
有紀はやっと俺が苦しがっていたことに気がついたのか、今更だけど謝ってきた。
「……。苦しかった、なぁ?」
俺はそういって、有紀を睨む。
有紀はあたふたしながら謝ってくる。
「ご、ごめん!そ、そのっ、つい!! えっと、すいませんでした!」
俺は、そんな有紀が面白くて、ついクスクスと笑って
「も、いい、よ。許して、あげる」
そういってあげた。
すると、周りからヒュッと息を呑む音が聞こえた。
俺が振り向くと、クラスメイトの人達が全員顔を真っ赤にして俺に視線を向けていた。
え、真っ赤になるほど、怒らせた…?
「ゆ、き…。」
俺は何したのか分からなくて有紀に助けを求めた。
「んえ? ああ、違う違う。皆怒ってないよ?」
さすが有紀。俺が言わなくてもちゃんと何を聞きたいか伝わってる。
「…じゃぁ、な、んで?」
「ああ、気にしなくていーの、大丈夫だから。」
「で、も」
「俺が大丈夫っつったらだいじょーぶ!
それより、澪梓はもう少し自分の外見を自覚しようね?」
そういって、有紀は俺の頭を撫でる。
自覚って方は良くわかんないけど、有紀が大丈夫って言ったから大丈夫。って、俺も思う。
「? 分かった。」
とりあえず、そういって俺はまた微笑む。
すると、周りの人達はさらに顔を赤らめた。
まあ、もう俺は大丈夫だけどね。
その頃クラスメイトは…
可愛すぎる!!
天使の笑顔だ…
やべ、突っ込みてぇ
うお勃った!
喘がせてぇ
などと考えていた。
一部の生徒を除いて----
9無自覚 終