9-5
「それじゃあ、HRはじめるぞ」
俺が席に着いたのを確認してたつにいがHRを始めた。
このクラスの人達は1年生のときも全員Sクラスだったらしくて、
自己紹介とかも無くHRは進んだ。
HRが終わって、休憩時間。
俺がボーっとしてると、有紀が後ろから話しかけてきた。
「よっ、大丈夫かー?」
「う、ん。だいじょぶ」
そういって、有紀が俺の頭をなでてくれる。
有紀になでられるのは好きだ。だから、無意識に目を細めて有紀の手に頭を摺り寄せる。
有紀(可愛いっ)
「ん、澪梓は相変わらずだなぁ」
「うん、」
「それより、やっぱ詰まっちゃうのな。」
「…う、ん。ごめん、ね…?」
「ううん!無理しなくていいんだよ~。 それに、2人きりになればいつでも聞けるからね」
最後のほうは耳に口を寄せて小声で囁いてきた。
俺ははずかしくて、一気に紅潮する。
「ちょ、ゆきっ。やめ、」
「ごめんごめん。」
絶対ごめんって思ってない。
まあ、許すけど。
そっからも少しじゃれてると、前の席の子が振り返った。
「なぁに~?有紀君と転校生君は知り合いなの~?」
振り返った子は、ミルクティー色のふわふわでくるくるした髪を靡かせて
大きなこげ茶色の瞳で俺と有紀を交互に見ながらそういってきた。
「…」
すごい可愛い子だ。女の子に見える。
「ねー?」
もう一度たずねてきたけど、俺は黙り込む。
すると、有紀が答えた。
「ごめんな、この子あんまり人と話すの得意じゃないんだ。
澪梓とは、幼馴染!! 可愛いからって、手ぇ出すなよ?」
「そーなんだー! 逆にこっちこそごめんね! 怖がらせちゃった?」
「…(フルフル)」
俺は頭を横に振って、大丈夫だと伝える。
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