9-2
「と、とりあえず、もう教室だぞ」
たつにいが、ちょっと顔を赤らめてそういった。
「それじゃあ、俺先に教室入っとくから」
有紀がそう言って、教室に入っていく。
俺とたつにいは、教室の隣にある控え室に入って
クラスの全員が教室に入るのを待つことにした。
「ほら、飲め。俺特製のココアだぞ」
「わぁ~、たつにぃありがと~」
たつにいの作ってくれたココアを受取って、猫舌な俺はふーふーしてから飲む。
「ぁち」
冷ましたんだけど、やっぱりまだまだ熱かった。
俺は火傷しちゃって涙目になりながらヒリヒリする舌をベーっと出した。
「大丈夫か?」
「ぅん、ちょと舌ヒリヒリするー」
「ふっ、氷でも舐めとけ」
「ぬー…。」
たつにいは意地悪そうにそういって、氷を出してきた。
しょうがないので、それを口に含む。
「はふひいのいひはふ(たつにいのいじわる)」
「ふはっ、なに言ってるか分かんねーよ」
「うぅー」
「それより、もうそろそろ皆教室に入ったんじゃないか?」
「…ん、もう行く?」
俺は口の中にある小さくなった氷をゴクンと飲み込んで、
たつにいにたずねた。
「おう、行くぞ。気合入れろよ」
「ん」
「大丈夫、俺と有紀が付いてるし。」
「ありがと、大丈夫」
俺は、自分の両頬をペチンッと叩いた。
ちょっとジンジンするけど、気合が入った気がする。
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