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*9 無自覚
有紀とたつにいにくっ付いて歩く俺。
この2人と並ぶと、どうしても俺が小さく見えるんだよね…。
いや、実際小さいほうだからいいんだけど。いいんだけどね。
でもやっぱり、男としては大きいほうがカッコイイからね、。
「…ぅー」
そう思ってたら、無意識に唸って、2人より前に出てた。
ほら、前に出たらちょっと大きく見えるかな?と思って。
「?どうかしたか、澪梓。」
「どうしたの?」
「え、あのね、2人は背が高くていいなーって思って。
前に出たら俺も少しは大きく見えるかなって思っただけ。」
((何!この可愛い生き物!!))
「澪梓はそのサイズが合うと思うぜ。」
「俺もそう思う。澪梓は今のままでいいよー」
「でもさぁ…。俺だって、あと3センチで170なのに…」
俺は少しいじけて、頬をぷぅっと膨らます。
じゃあ、2人とも「ブンッ」って効果音が鳴りそうなくらい速く
顔を背けた。
あ、ひどい…。そんなに見てられないほど今の顔ぶさいくだった?
((ちょ、可愛すぎ! 無自覚なのも困りようだな…))
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