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*6 担任
シャワーを浴びてさっぱりした所で、制服に着替えた。
広い風呂場を満喫していたら、思った以上に時間をかけていたそうだ。
入学式もとい、始業式は、あと20分で始まる。
俺は、風呂に30分ほど入ってたことになる。
しかも、シャワーだけでだ。
俺、そこまで風呂好きじゃなかったはずだけど…。
でもまあ、あの広さに戸惑ったからしょうがないよな。
そして、急いで制服に着替える。
新品なので、パリパリしてるカッターシャツを着て、その上から黒のカーディガンを羽織る。
そして灰色のスラックスを履いて、赤色のネクタイを付ける。
普通にどこにでもありそうな制服だけど、素材がいいらしくて、
制服だけで6桁越すんだって。
いい加減金かけすぎだろ。
そろそろ、時間もやばくなったので現金兼鍵のカードを持って部屋を出る。
そういえば、昨日滝紀さんから、
『澪梓君は新入生だから、始業式の前に職員室に行って担任の先生と体育館に来るように』
て言われたんだった。
それじゃあ、先に職員室に行くんだよね。
担任ってどんな人だろう…。
不安だ。けど、行くしかない。
もう全員体育館へ向かったのか、廊下には誰も居ない。
俺は寮を出て、職員室へ向かった。
庭には、さすがに1人2人と人が居たけど、
誰も俺には気づいて無いみたいだ。よかった。
職員室の扉の前に立ち、ノックする。
--コンコン
「し、つれい、します…」
そう言い、ドアを開ける。
すると、中にはいろんな人が居た。
職員室だから当たり前だけど、俺の途切れ途切れの喋り方と、初めてみた顔に驚いたんだろう。
中の人が俺を見てる。俺はびっくりして、うつむいた。
すると、
「澪梓、こっちだ」
と、聞きなれた声がした。
声のしたほうを見ると、たつにいが居た。
「た、つにいっ」
俺はそういってたつにいに駆け寄った。
すると、もっと視線を感じた。たつにいって呼んだのがいけなかったのかな。
俺は少し後悔する。
「大丈夫だ。俺が居るだろ?澪梓は俺が守るから。」
そう耳元で囁かれ、少し恥かしくて頬を染める。
「うん、有難う。大丈夫だよたつにい。」
俺も小声でそうつぶやく。
すると、たつにいは笑った。
「俺がお前の担任、山中達紀だ。お前は、2年S組だ。 それじゃあ、体育館行くか。」
「うん」
それからは、いろんな人に見られたけど、隣にたつにいが居るから安心して体育館に迎えた。
担任の先生がたつにいでよかった。でも、たつにいが先生ってちょっと笑えるな。
有紀も同じクラスみたいだし、安心だ。
何だかんだいって、俺は2人に甘えてると思う。
いつも俺を守ってくれる2人には感謝しないとね。
6担任 終