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ゼロのココロ  作者: すぴ
関わり
11/84

4-3

そう考え、そろそろ帰ろう、と立ち上がり、寮へ戻ろうと(かかと)を返そうとしたとき

目に誰かの影が映った。


知らない人だったらやばい、と思い今度こそ踵を返し、帰ろうとした。

というか、この学園で知ってる人はたつにいと有紀と滝紀さんとミネさんだけだから、

知らない人の確立が遥かに高いのだ。

しかも、滝紀さんとミネさんの事も知っているけど、

ニガテなので、どちらにしろ会いたく無いのだ。

そして、一歩足を踏み出そうとしたとき、



「澪梓」

「…え?」



声を掛けられ、ビックリして振り返り、声の主をよく見ると、

それは有紀だった。



「え、有紀?」

「うん、そうだよ。」

「なんで此処に居るの?」

「書記の仕事してて、疲れたから気分転換に外に出てみれば澪梓が居てさ。

 声掛けようと思ったけど、なんかあまりにも綺麗だったから、眺めてた。」


有紀はそういいながら微笑んだ。


「なっ、俺綺麗じゃない!もっと早く声かけてくれれば、よかったのに。

 て言うか、今度は有紀と一緒にこの景色みたいなって、思ってたところだったんだ。」

「馬路で?嬉しいな、ははっ。澪梓ったら可愛いんだからっ!」



有紀はそう言うなり、いきなり抱きついてきた。

体格に差があるから、俺は重さに耐え切れず、こけそうになった所を

有紀が支え、ベンチに座った。

…俺を膝の上に乗せて。

しかも、向かい合わせにだ。



「ちょっと、何コレ。恥かしいよ、有紀」

「澪梓は可愛いから大丈夫だよ」

「関係ないし、可愛くない!てか、降ろしてよ、ゆきぃ…」

「だーめ。俺と見たかったんでしょ?なら見ようよ、」

「俺は、有紀の膝に乗って見たいとか、言ってない!なんか、近いし!」

「俺はこうして見たいなー、て思ってたよ。俺のお願い聞いてくれないの?」

「う…。有紀のばか…」

「うん、良いよ。俺は満足」



有紀は意地悪な笑みを浮かべた。



「有紀は、意地悪だ…。」

「澪梓があまりにも可愛いから、だよ。澪梓が悪い。」

「な、俺は悪くない!有紀が悪いんだよ。」

「まあまあ、良いじゃないのー」

「良くないーっ」

「それよりさー、兄貴と会ったんだって?」

「あ、うん。部屋に向かう途中にさ。バッタリ。おかげで、気持ちが軽くなったんだ。

 たつにい、相変わらず心配性だったよ。」


軽くはぐらかされたと思ったけど、言おうと思ってたことだったので、今日会ったことを伝えた。


「澪梓の事だからな。兄貴、澪梓のこと本当の弟みたいに可愛がってるからさー。

 本当の弟に対しては只の意地悪な兄だけどな」



「でも、2人とも仲いいよね。俺、有紀とたつにぃと一緒に居るの、大好き。」

「あ、ああ。俺も澪梓と居るの大好きだよ」

「嬉しいー、なんちゃって」


俺がクスクスと笑うと、有紀は顔を真っ赤にした。

(澪梓可愛すぎる!その笑顔むやみにさらさないでー!)

なんて思ってるなんてしらない俺は、そんな有紀をみてさらに笑うのであった。



有紀としばらく話して、寮に戻った。

布団に入る前に、今度はちゃんと安定剤を飲んだ。


今日は、嫌な夢も見たけど、最終的に有紀と会って、気持ちが落ち着いた。

やっぱ、有紀は凄いと思う。

今度は、たつにいと有紀と俺とであの景色を見たいな…。



そんなことを考えながら、俺は眠りに付いた---



4関わり 終

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