魔法使いの任務part1
魔法の店を堪能した後
そのまま夜が明け
私たちは木陰で一休みしていました。
「流石にずっとは疲れましたね。」
「・・あぁ。」
アレンはそう言い鞄から水筒を取り出し
勢いよく飲んでいました。
私も何か飲み物をと思い
カバンをあさっていると。
「ボンッ」
「な、なんの音ですか?」
急に音がして私は辺りを見渡しました。
ですが周りには何も・・いえ、ありました。
アレンの目の前に手紙がふよふよと
浮いています。
「・・これは。」
アレンは手紙を手に取り中身を確認
しました。
多分アレンが受け取ったものは
魔法使いの依頼者でしょう。
魔法使いの試験に合格すると
自動的に魔法省に所属することになります。
そこで定期的に魔法使いへ
依頼者などが届くのです。
え.私はないのかって?
ふふん。私、大魔法使い
ともなると魔法使いでは解決できないような
依頼しか受け付けていないのです。
まぁ大魔法使いともなると
研究が仕事ですからね。
ま、その大魔法使いも近いうちに
辞めるんですけど。
「・・。」
アレンはまだ依頼者の手紙を見ています。
そんなに大変な依頼だったのでしょうか。
私もアレンの手紙を覗き込みました。
ええと、近頃彼の様子が
おかしくなり始めたんです。
私たち数日後に結婚式なんですが
彼、最近物に当たったり急に
苦しみ出したりしていて。なにか
呪いでもかかったと思い依頼しました。
どうか魔法使い様のお力をお貸しください。
ーーーっと。
呪いか、最近私も呪いの類は見ていませんが。
「依頼、やりますか?」
「だが魔法使いの塔へ行くのが遅れてしまう。
リリカは急いでいたんだろ?」
おっと、まさか心配してくれていたとは。
でも依頼は最優先事項です。
やらなければ魔法省からのお叱りと
圧がかかりますからね。
「そんなの気にしないでください。
依頼、手伝います。やりましょう。」
私がそういうと少し目を見開き
「ありがとう」と言ってきた。
そして私たちは依頼者の元へ向かうのでした。