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君を知る

 「なぜ大魔法使いの塔へ行くんだ?大魔法使いにあったことはあるのか?君も大魔法使いになるのか?」


 え?これはどういう状況だって?それはね・・先程助けてもらったアレンに質問攻めにあっている状況だ。無口っぽそーって思ってたのに・・。好きなことになるとこうなるものなの?あーでも私も研究とかに対してはこうなってたかも。


 魔法を使わない科学実験。あれ、めっちゃくちゃ楽しいんだよね・・・あ。思い出したらまたやりたくなってきちゃった。えっとそうだ!なぜこうなったか気になるよね・・。どうしてこうなったかというと・・。


 ーー時は遡り五分前ーー


 「え、アレンは魔法使いの先生はいなかったの!?それなのに魔法使いの試験に受かったの・・すごごいね・・合格率七十パーだけど中には落ちる人だっているのに!」

 

 そう・・魔法使いは見習い魔法使い→試験に合格後魔法使い→実績を積むと大魔法使いとなる。大魔法使いの条件は追々説明するとして・・基本的に見習い魔法使いから魔法使いになるには魔法省が行う魔法使い選抜試験というものに合格しなければいけない。

 

 これは筆記、実技の二つで点数がつけられ二百点中百六十点以上を取れば合格というものだ。独学での合格は極めて難しく、普通は魔法使いに教えを乞うか魔法学校に行くかの二択だ。


 私は家から出してもらえなかったので魔法使いを家庭教師として雇い魔法を教えてもらった。だから独学はマジですごい・確か独学の合格率はパーセントを切っていた気がする。それで合格とか・・。


 「そうか・・?そもそも家は剣の家系だからな。魔法使いになりたいといったときには親に殴られたよ・・。」


 えっ・・剣の家系ということは貴族?じゃあ今からでも敬称付けるべき・・?もう今はただのリリカだし・・。


 「・・・・ねぇアレンはなんの専門なの?」


 もう考えても無駄と思い話を変えた。自己紹介の時に家名を名乗ってなかったし、もしかしたら私と同類かもしれない。そう言うことにしようと思い急遽魔法の専門分野を聞くことにした。


 魔法の専門分野は今は物凄く広いので聞いても分からないけどちょっと興味がある。ちなみに私は土の専門魔法使いだ。専門分野以外の魔法は使えないわけではないが魔法使いは基本的一つの魔法を極めるから二種類使っている魔法使いはあんまり見たことない。


 私も土魔法意外に水魔法・風魔法を使うときがあるがやっぱり自分に合っている土魔法が一番使いやすい。・・・別に好きで土魔法を専門魔法にしたわけじゃないからね!一番私の適正に合っているのが土魔法だったの!


 本当は火とか雷とか・・かっこいい系が良かったけど適正がめっちゃくちゃ合わなかったからやめた。この適正は魔法省で魔法使い登録をする際に知ることができる。


 だから見習い魔法使いまでは自分に合った適正は分からない。それに見習いのうちは基礎を学ぶので専門魔法は扱わないのだ。物を動かすとか姿を消すとかそっちらへんを集中して学ぶ。基礎ができていないとその応用の専門魔法は使えないしね・・・。


 「俺・・・?俺は・・・・ぶつ・・魔法なんだ・・。」


 「へ?ごめん・・もう一回。」


 ぼそっと何かアレンが言ったが聞き取れなかった。


 「植物魔法なんだ!!:


 「・・・・え。ふっ・・・ふふふ・・・」


 植物魔法・・それは植物を使い魔法を操る魔法のことだ。別に悪い魔法なわけではないがマイナーな魔法ではない。それに顔の割にかわいい魔法だなろ思い少し笑ってしまった。


 「・・・笑うな・・・・。」


 そうアレンは耳を赤くした。・・ふっかわいいな・・。


 「ごめん・・もう笑わないか・・・あ。」

 

 『バサッツバサッツ』


 もう笑うまいと深呼吸をしようと思ったら鳥が慌ただしく入って来た。そして床へと落ちていった。少し顔をのぞかせて鳥を見て見ると鳥は足を怪我をしているようで翼をバサバサと羽ばたかせていた。


 どうやら羽をけがして飛べないようだ。


 もう魔法は封印と思ったけど怪我をしている鳥は放っておくことはできない。ここはしょうがないと思い羽の部分に手をかざし回復魔法を施す。完全に骨がバラバラとかになっているともう治すことはできないけど折れているだけのようなのですぐに治すことができた。

 

 「・・・よかった・・。」

 

 ほっとして鳥を外へ飛ばせた後アレンの存在を忘れていた私は言い訳をしようとアレンの方へ体を向けた。でもなかなか言い訳が出てこない。どうしようかと思うとアレンが口を開いた。


 「す、」


 「す?」


 「ーーっすごいな・・。君も、魔法使いなのか?今、鳥の足治したのか?」


 「え、えっと・・。」


 あまりの勢いで少しだけ戸惑ってしまった。これがギャップ・・?口数の少ないアレンは消えていった・・。


 というか直球で褒められたのが初めてだったのでどう反応すればいいのかもよくわからない・・こういう時どうすればいいんだ?。


 「じゃあ、やっぱり大魔法使いの塔へ行く目的って・・?」

 

 ・・・というわけで冒頭に戻ります。


 「大魔法使い様に会ったことはえっとおいておいて・・私は大魔法使いになりたいわけじゃないの。」


 「・・・そうなのか?」


 少し驚いたような顔をアレンにされた。まぁ魔法使いはそもそも見習い魔法使いから始まり試験に合格することで魔法使いになることができてそこから努力をし大魔法使いになるのが名誉とされているからその反応はおかしくはないけど・・・。


 「別に大魔法使いになったってただ「大魔法使い」という称号が与えられるだけだし・・。逆になんでアレンは大魔法使いになりたいの?」


 ただ単純に気になった・・。称号は名誉ではあるけど与えられることにより縛られる。自分が制御される・・。それを自分から欲しがるなんて・・・変な人と少し思った。


 「昔街に来ていた魔法使いが綺麗な魔法を見せてくれたんだ・・・・。その魔法がすごく綺麗で俺も使ってみたいて思った。でも親からは反対されるし俺にも才能はないって言われていたし・・でも頑張って独学で魔法使いになったんだ。それでもまぐれだとか言われて、悔しくて・・。まぁ見返すためだな・・。」


 「そ、そうですか。」


 ・・少し重い話を聞いてしまったかも・・それい意外とちゃんと理由あった・・疑って申し訳なかったな・・。


 でも・・ソアンはまぐれだと言われてもそれを見返すために頑張ると言って・・。いた


 私はお兄様に言われたときそれ以上頑張ろうとは思えなかった・・。どうして彼は否定されてもまっすぐ前へ向いていられるのかな・・。


 私は彼を彼自身を少し知りたいと思った・・・。


 


 



 

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