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私と君と・・・。

 太陽が雲に隠れることなく輝いていてとても暑い今日・・。私は今炎天下で死にそうです・・。


 私はリリカ・・。年齢は十七。家出する前はラーカス公爵家の一人娘で天才魔法使いとか呼ばれていたけど今はその名を捨ててただのリリカ・・。


 全てを捨てて家出をしたのだが・・ただいま絶賛迷子中・・。まずラーカス領を出ようとしたけど他の街経由の馬車がどこにいるのか分からずかれこれ家出から一時間以上彷徨っている状態だ。


 いやぁ普段家から出ていなかったので本当に領地のことなんて知らないんだよね・・。魔法を使えば?とか思うだろうけど転移魔法とかは私の専門外だし・・。


 それに私は魔法を普段使いたくない。魔法を使えない人間として生きたいから。はぁー家のことならかなり熟知しているのに・・・もう外となると・・地図読めないしさ・・。


 馬車、、馬車・・。辺りを探しても馬車らしき馬車は・・ってあった!というか今おじさんが看板を掛けた・・・。あ、そうか時間が早すぎてそもそも馬車がまだ無かったのか(※ただいまAM四時)だけど見つかったなら話が早い!


 『馬車乗り場この先』とご丁寧に書かれている看板の先に馬車が何台も止まっていた。私は目を輝かせ小走りで馬車乗り場へと向かった。


 馬車乗り場に行ってみると御者さんがいてお金を払うと乗れるそうだ・・。先程も言いったが、かれこれ十七年屋敷からぜんぜん出たことのない私はお金の価値すら分からない。


 箱入り娘てやつだね・・。あまり嬉しくない言葉だけど・・。聞くのも変だし。金貨一枚・・そうだ!金貨一枚あれば乗れるはず!金貨は世界を救うって誰かが言ってた!!(※いってません)


 私はそう思い金貨一枚を御者さんに渡した。

 

 「っ!!!!!・・・・どうぞ。」


 「・・・?」


 御者さんは一瞬目をい開いた後馬車祈っていい合図を出したので私は馬車へ乗ることにした。最近は硬貨を見ないのだろうか?それとも・・・金貨一枚じゃ少なかったのかな?


 足りなくても乗せてくれたとか?・・いい人だこの街の人は・・。私が親切心にほっこり心を温めていると・・。


 「ちょっと待て!!!」


 「?」


 急に赤毛の少年が走ってこちらにやってきた。髪の色は明るいけど服装が紺系の色で暗い。もう少し明るければいいのに。と思いながら少年を眺めていた。


 「なんだ、お前。」


 急に赤毛の少年に腕を掴まれた御者さんは少しばかり機嫌を悪くして少年を怒鳴った。まぁ急に腕を掴まれたら誰でも機嫌を悪くするよ・・・もう。どうしたんだこの少年は・・・。?


 「・・普通馬車の運賃なんて銅貨二枚で乗れるじゃないか。これ詐欺じゃないか・・?」


 えっそうなの!?私は赤毛の少年を見た後もう一度御者さんを見た。すると御者さんはバツが悪そうな顔をしてお釣りをくれた。・・・騙されていたようだ。ちゃんとお金の勉強はすべきね・・。少しばかり反省した後、赤毛の少年を見た。


 「ありがとうございました。えっとお名前は?」

 

 「・・別に。俺はアレン・・・アレンだ。」


 ・・?二度言いました。一度でわかるのに・・。というか無口な人なのか?それに顔はかっこいいのに目が鋭くて怖い・・。あ、こういうのを顔がいいのにもったいないというのだろうか?確か家で働く侍女さんが言っていたような気がする・・。でも使い方あってる?

 

 「私はリリカです。アレンさんはこれからどの街へ行くんですか?」


 「アレンでいい。・・・別に敬語も必要ない。・・・俺は行く当ては決まってないんだリリカは?」


 ・・アレンは決まってはいないそうだ。まぁ旅人というものは気ままに旅をする人が多いしね。逆に決まっている人の方が少ないような気がする。・・・家出する人なんてもっと少数派だろうけど。


 「あ。そう?私は大魔法使いの塔へ行く予定なの。」


 席を返すために・・。


 「大魔法使いの塔か、・・・大魔法使いにリリカも興味もあるのか?」


 「も」?アレンも興味があるのかな・。冷たそうな方と少しだけ思ったけど今すこしだけ頭に耳が見えた・・。犬みたい・・。狂犬・・?ぱっと見戦士とか剣士っぽいし似合いそう。ん?でもなら大魔法使いに興味があるんだ?


 「アレンも興味があるの?」


 「・・まあ。俺も一応魔法使いだしな。」


 少し切なそうにアレンは言いった。あれ!?アレンも魔法使いだったの・・!?戦士か剣士かと思ったのに・・。魔力探知を切っていると気づかないものね・・。は。もう魔法の話はしない・・。嫌いだし憎いし・・・。


 ・・ゴホン。話を戻そう。先ほど行く当てはないと言ってたそ大魔法使いの塔・・お礼に連れて行ってもいいかもしれない。大魔法使いの塔はあまり気軽にみられるものではないし。・・・別に旅、一人じゃ寂しいからお供が欲しいってわけじゃないからね!!別に私一人でも平気だもん!


 「ねぇ・・アレン。大魔法使いの塔・・。連れて行ってあげようか?」


 ちょっと胡散臭いかもしれない笑顔でアレンに聞いた。まぁ付いていくかはこの人次第だし。私はどっちでもいいのだが。


 「・・・いいのか?」


 ・・・少しだけ声がうわついている。嬉しいのだろうか。


 「いいよ?」


 う、ちょっとそっけなさすぎたか?恐る恐る片目を開けアレンの様子を伺う。だが怒っている雰囲気はなくその表情は少し穏やかだった。


 「・・礼を言うリリカ。」


 「・・・別に・・・。」


 顔はかっこいいけどちょっと目の鋭さが怖い印象の彼だったけど・・・思ったよりいい人みたいだ。


 ・・・・そんなこんなで私の旅は一人旅から変更され二人旅になったのだった・・。


 

 

  

  


 


 

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