プロローグ そして天才魔法使いは消えた
「あなたはなんでもできるのね。天才よ。これでラーカス家は安泰ね」
『ありがとうございますお母様』
魔法と勉強を頑張ったらお母様が褒めてくれた。私はもっと褒めてほしくて大好きだったお人形遊びやお友達と遊ぶのを止めて魔法の練習のと勉強の時間にあてた。
「天才魔法使い・・。お前は天才なんだだから完璧に魔法を使えなければダメだ」
『・・・はい』
少し魔法を失敗しただけでお父様に怒られた。完璧に魔法を扱えるようにするため私は寝る時間を減らし魔法の練習時間を増やした。
「いいよな天才は。なんでもすぐにできて。」
天才じゃないよ・・。私。頑張ってるんだよ・・お兄様・・そんなこと言わないで・・。でも、ここでお兄様に言い返すと後でお父様に叱られてしまう。もうぶたれるのは嫌・・叱られるのも嫌・・。
『・・・そうですね』
だから私は愛想笑いをした。本当の自分の感情を押し殺して。
「天才魔法使い。」
「天才魔法使い様。」
天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い天才魔法使い・・。
「ーーーーーっもうやめて!!!」
天才天才と呼ばれ続けて私を見てくれない。もう私は天才魔法使いとしか認識されない。そんなの私じゃない・・・。私は天才なんかじゃないのに・・・。私を見て・・本当の私を・・・。
頑張って手に入れた力なのに。努力して魔法使いの最高峰である大魔法使いの一人になったのに。
けどそれでも私という私を認識してもらえない・・・もう魔法なんて嫌い。嫌い嫌い大っ嫌い!!天才魔法使いはもういない・・。家から出してもらえず世界もよくわからない、ただ自分が自分じゃなくなるだけ
ーーーーなら!
家を出て大魔法使いの席を返して世界を知りにいきたい!もっと知らないこの世界を知りたい!
「天才魔法使い」
この肩書なんてもうゴミだ。・・・・私はただのリリカとして生きてやる!
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ーーーただのリリカとして生きることを決めたリリカの旅は果たしてどうなる?
魔法嫌いのリリカがたどり着く結末とはーーーーー。