裏では
ーーーー1ヶ月前ーーーー
「あの裏切り者排除せねば」
ある男が呟く。
「流石にそれはやりすぎじゃないっすかね。まだ16かそこらでしょう」
若い男が言った。
「はん、やつはワシらを裏切った。ワシらを欺けるほどの才能に優れておった。であれば、ワシらもその演技に対してちゃんと感想を述べねばならん」
男は不敵な笑みを浮かべた。
「はは…ほどほどにしてくださいね」
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彼は魔法を放った。
ボトッ。
目標の首を落とした。
「裏切り者風情が」
そう思った刹那、どっと過去の記憶が押し寄せてきた。
ああ、思い出した。
あいつらと同じツラだ。
「ふん、裏切り者のゴミ虫どもめが」
そう言い放った。
自然とそう出た。
膨大な記憶が彼が彼女を殺そうとするの引き止めた。
仕方ない。
そう思い、その場から去った。
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現代社会では、魔法の登場により、生活のさまざまなところに変化があった。
魔法部隊もその一つ。
日本では世界最強と呼ばれる魔法戦士がいた。
彼は弱冠17歳で日本の内閣府所属魔法部隊総隊長の座に就いた。
世界魔法師チャートで世界1位とされるくらいに強いのだとか。
各国は魔法の登場後すぐにこれを軍事に取り入れようとしたそう。
「ふ、ふぁああ!」
なんというか情けない声を上げながら、彼から逃げている。
「ふっ!」
声量はそれほどでもないがものすごい気迫があった。
彼は確かに最強クラスの魔法を持っているが、それよりも注目するべきなのは、彼のフィジカルだ。
魔法にはフィジカルを強化するものもあるが、彼はそれと同等くらいのフィジカルがある。
逃げていた男は彼によって捕まった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ここのおっさんと最強(?)の話は別なんで本当は分けたかったんですけど、それだと短いので合わせました。
次も楽しみにしていただけたら嬉しいです。