謀略編・第四十一話
謀略編・第四十一話、更新します。
今回は備前と近江が舞台になります。
皆様、大変お待たせいたしました。ついに義治君再登場です。
永禄五年(1562年)八月、備前国、天神山城、浦上宗辰――
嵐が過ぎ去ったばかりの天神山城は、実に気持ちの良い空気に包まれていた。
これまでの不運を、根こそぎ嵐が洗い流してくれたのだろう。思い出したくもないが、父上が武田家との戦で命を落としたのは、まさに不運以外の何物でもなかったからだ。
その為に、我が浦上家は武田家に敵対勢力と見做されてしまっていると聞く。理由は父上が最後の最後で、武田家ではなく尼子家に与したからだそうだ。
この結果、浦上家には大きな変化が二つも訪れた。
一つは私。まだ十三であった私を急遽元服させ、新当主に据えた事。
もう一つは浦上家に仕える国人衆であった宇喜多家に対する風当たり。宇喜多家は武田家から本領安堵という名目で、所領が増えていたからだ。
これに対する家臣団の意見は、宇喜多家が浦上家を裏切ったのだ、という物で統一されたと言って良い。それ以外に何も考えられないからだ。
宇喜多家を裏切り者として攻め滅ぼすべき。
そんな意見も出てきたが、それが実行に移される事は無かった。
すぐ傍に武田家がいるのだ。ここで宇喜多家に攻め寄せれば、宇喜多家救援を名目に武田家が浦上家に攻め込んでくる事も考えられる。加えて、こちらの戦力低下も著しい。
命を落とした重臣や、百姓兵があまりにも多かったからだ。
それに加えて、武田家を頼りにする国人衆達が現れた。浦上家はおろか尼子家すらも打ち倒した事実。そこに頼もしさを感じたのであろう。
もともと浦上家も国人衆の一つに過ぎない。単に強かったから、周りが従ってきたにすぎないのだ。ならば、より強い者が現れればそちらに鞍替えするのは自然と言える。
どう考えても、浦上家が今まで通りでいられる筈もなかった。
浦上家存続の為に、どうするべきか?
頼りに出来なくなった尼子家の代わりに、毛利家との結びつきを今まで以上に強める。
武田家に降伏する。
三好家に通じて、武田家からの矛を逸らす。
そのどれもが一長一短が存在する。
毛利家との結びつきを強める。
毛利家の支援は非常に強力だ。毛利家の有する兵力も多い。味方に出来れば心強いが、問題もある。
それは毛利家所領と浦上家所領が離れている事。加えて、毛利家の盾として浦上家が使い潰される危険性だ。
武田家に降伏する。
降伏が許されれば、浦上家は全てを保証される。誰もが失わずに済むだろう。
問題はそれが許されるかどうか、だ。浦上家には武田家に対する伝手が無い。武田家に対する伝手を有していたのは、裏切り者の直家(宇喜多直家)だけだったからだ。
『頼りになる伝手無しで降伏しても、浦上家の先は明るくない』
そう言われてしまっては、そう易々と降伏しようという気にもなれないだろう。
三好家に通じる。
三好家と武田家は同盟を組んでいる。三好家に通じて口添えをして貰い、浦上家存続を図る。
一見すると良い手に思えたが、反対者によれば危険だという。
三好家は公方様の覚えが宜しくないのだそうだ。それに与している武田家も睨まれる可能性がある、と。
喧々諤々の大論争。だが、終りは唐突に訪れた。
宇喜多家からの使者としてきた岡(岡家利)と言う者による事情説明。当初は皆が信用せずに『こいつを殺せ!』と叫んだほどであったが、岡は何ら怯える事無く堂々としていた事を思い出す。
やがて、誰が口にしたのかまでは覚えていないが、宇喜多家は利用できる、と言い出した事が発端であった。
『宇喜多直家を武田家への降伏の伝手とするのはどうであろうか?』
「その為に、宇喜多家との手打ちが今日、行われる」
宇喜多家の謝罪三条件。
だが宇喜多直家を出家させる事は認められなかった。直家が武田家の覚えが良い事は分かっている。だがその直家を出家させてしまっては、武田家との橋渡し役に使う事が出来ないからだ。
何せ、直家は『二度と宇喜多家に関わらない』と宣言しているからだ。それでは武田家との橋渡し役を務められない。故に直家の出家を認める訳にはいかなかったのだ。
「残り二つの条件。それは受け入れる事にしたのだが」
直家の妹を私の側室にする事。こちらは数日前に側室として迎え入れている。
私には正室も側室もいなかったから、御家としても都合が良かったのだ。血を遺すのは当主としての責務でもある。ならば躊躇う必要など全く無い。
そして宇喜多家旧臣にとっても都合が良い。旧主の妹が側室なのだ。私が不当な扱いさえしなければ下手な真似はせんだろう。
「宇喜多は妹をすぐに側室として差し出してきた。おかげで家臣達も、宇喜多に叛意無しと判断し、武田家への降伏を受け入れた。これから浦上家は武田家の傘下に入る。毛利家や尼子家を相手に戦う事になるだろうが、それは仕方ない事」
傘下に入るという事は、そういう事なのだから仕方がない。
これも弱肉強食の掟が支配する乱世と言う物だ。弱いのだから、全て受け容れねばならない。
御家を強くできなかった浦上家の罪。ただそれだけの事だ。
「だが、ここからだ。まだ浦上家は滅びてはいない」
武田家を主と仰ぎ、浦上家の所領を増やす。
それを成しえてこそ、亡き父上も喜ばれよう。
「さて、腹が減ったな。まずは飯にするか。宇喜多との手打ちもある。気を引き締めないといかんな」
無意識の内に、腹を擦っている自分に気づく。
それはそうと、手打ちが終ったら、妹と直家を再会させてやらないといかん。
私が宇喜多家を大切にしている事を示す事も重要だからな。それが宇喜多家を真の意味で浦上家の忠臣へと育て上げる事になるだろう。
永禄五年(1562年)八月、備前国、天神山城、岡家利――
フウッと息を吐く。胃の腑に流れ込む、美味い澄酒。
素朴ではあるが、手の込んだ野菜の煮物を口内に放り込み、旨味を噛み締める。
実に旨い。特に勝利が約束されたからこその旨さであるとも言えるだろう。
「実に心地良いですな。これで宇喜多家は安泰に御座いましょう」
「平内の申す通りだ。これで浦上家とそれに与した国人衆は全滅したのだからな」
目の前には、澄酒を堪能している我が主の姿。そして下座には又左衛門尉(長船貞親)、平助(富川正利)達が、皆揃って同じように澄酒を堪能していた。
上座に座っていた、この城の主である浦上宗辰はすでに蹴り落とされて、無様な姿を晒している。二度と動く事は無い。
浦上家に忠義を誓っていた家臣達も、この手打ちの場に居合わせた者達は一人の例外もなく、同じ姿を晒している。
まさに殿の御計画通りに事は進んだのだ。
「それにしても、こ奴ら、見事に殿の演技に騙されましたな」
「それはそうだろう。私自身が全ての酒と、全ての料理の毒見をしたのだ。これで疑われたら、どうしろと言うのだ?平内」
「仰せの通りに御座いますな」
最初から、澄酒にも料理にも、毒は仕込まれていなかったのだ。
仕込まれていたのは袖だ。酒を注ぐ前に、裾に塗り込んでいた附子の粉を親指に塗り付ける。そして酒を注ぎながら、相手の杯に落したのだ。
ただ杯に落せる附子の量はたかが知れている。一杯二杯程度でくたばる事は無い。だから何度も此度の件で感謝の言葉をかけたり、情報収集していると思わせながら酌を繰り返したのだ。
その為に人手が必要だった。宇喜多家家臣を引き連れてきたのは、その為でもある。
表向きは宇喜多家重臣一同による感謝の訪問、という体裁を取ったおかげで、疑われる事は無かったのだ。更に付け加えるなら、率先して太刀や脇差を手放した事も影響していたであろうな。
「兄上」
「おお、椿か。見事な手柄であったぞ。其方のおかげで、浦上の連中は油断してくれたわ。俺がこの馬鹿どもの立場なら、全員で酒を飲むような真似はせんわ」
殿は高笑いしながら、まるで見せつけられるかのように宗辰を軽く蹴り飛ばす。
毒で死んでしまった宗辰は、苦悶の表情を浮かべながら椿姫様へ、その顔を向けた。
光を失った双眸に、椿姫様の姿が映し出される。
「其方のおかげで、こ奴らを一兵も損なう事無く葬り去る事が出来た。備前浦上家は本日をもって滅びを迎えた。これで宇喜多家の隆盛は約束されたも同然。よくやった」
「兄上!私を側室にする事で宇喜多家を守るというのは聞いておりました。ですが、このような真似をするなんて、私は聞いてはおりません!」
「寝言で漏れた日には策がバレるからな。教えないのは当然の判断よ。だが其方の功績は間違いなく素晴らしい物であった。安心するがよい。其方には相応しい夫を娶せよう。私が責任を持って、幸せな生活を約束しよう」
殿は満面の笑みを浮かべて、椿姫様を褒められた。
椿姫様の手柄は、比類なき物だ。浦上家を油断させられたのは、間違いなく姫様の功績であるのは断言できる。
故にこそ、殿は姫様の幸せを約束されたのだ。
夫を娶せる。それは側室ではなく、正室となれる事を意味しているのだから。
「女子と言う物は、御家の為に存在している。其方であれば、宇喜多家を栄えさせる為に生まれてきたのだ。浦上家の為に、其方は生まれて来た訳では無い。其方は正しい事をしたのだ。胸を張ると良い」
「私は……私は!」
「姫様!?」
椿姫様は身を翻すと、廊下へと飛び出してしまわれた。
荒々しい足音が、奥へと消えていく。
……もしや……
「殿。椿姫様は……」
「良い、好きにさせてやれ。浦上家は滅んだのだ。椿の居場所は宇喜多家以外に存在はしない。それが乱世の掟なのだからな」
殿はグイッと杯を呷られた。
そして満足そうに、フウッと大きく息を吐く。
御飲みになられている酒の量は、いつになく多い。心の底から満足しておられる、という事であろうな。
「私にとって最も大切な宝は其方達だ。貧しき頃から、明日をも知れない宇喜多家の為に励んでくれた忠義の士。これに勝る宝は無い。其方達に報いる為なら、私は全てを犠牲にしよう」
「「「ははっ!」」」
我ら家臣の事を宝と言って下さる御方。それが我が主、宇喜多八郎直家様。
この御方の為ならば、我ら一同、命を擲って忠義を尽くす。その結果、我らが命を落としたとしても、殿が我らの家族を庇護して下さる事が分かっているからだ。
その時、離れた所から微かな悲鳴が聞こえてきた。
『北の方様!?誰か!誰かおらぬのですか!誰か!誰か!!!』
……姫様。殿はそんなに甘い御方では御座いませぬ。
我らが酒盛りに興じていたのは、城内全てを皆殺しにしておいたから。
つまり、城内に敵がいないからこそ、宴会に興じていたのですぞ?
城内の重臣以外には振舞酒が振舞われていた。この振舞酒には、附子を直接溶かしておいたのだ。毒見を必要とする立場ではない連中だからな。生まれて初めての澄酒を浴びるように飲み、夢見心地のまま逝ったのは間違いない。
奥の者達も同じ。皆が疑う事無く、澄酒を味わっていた。もし子供がいれば面倒な事になっていたかもしれないが、浦上宗景には宗辰以外の子はいなかった。おかげでこちらの手間が省けてくれたわ。
だから姫様。姫様は誇って宜しいので御座います。
その先に、きっと姫様の幸せが御座いましょう。
永禄五年(1562年)八月、近江国、観音寺城、六角承禎――
一際、厳しい暑さの日。
夜空の中天に三日月が差し掛かった頃。儂は息子、左衛門尉(六角義定)を伴い、もう一人の息子である右衛門督(六角義治)の元を訪れていた。
夏の暑さにやられたのか、最近、右衛門督が体調を崩してしまっていたからだ。
……恐らく、対馬守(三雲賢持)が仕込んでいる毒の影響もあるのだろう。
対馬守が申すには冬までかかるという事であったが、それでも体力の衰えは隠せる物ではない。そこに暑さが襲い掛かった。寝込んだとしても不思議はない。
ただ看病をしている者によれば、その弱りようはかなりの物。食は細り、重湯を摂るのみ。水は飲むが、あれほど好きだった酒は一滴たりとも口にしない、と。
場合によっては秋まで持たないかもしれない。
その報告を聞いた時、儂は何気なく室内に置かれていた鏡に目を向けていた。
眉と髭は大半が白く、顔には皺が浮かんでいた。
頬には小さなシミが三つほど。更に肉が落ち痩せこけていた。
……醜い老人がそこにいた。
儂はいつのまに、こんなに老いたのだろうか?
いや、いつから『儂』なんて言うようになった?
ああ、醜いのも当然だ。
家督を譲った事により、儂自身の心が守りに入ってしまったのだろう。
右衛門督を隠居させると決めた時、儂の心は折れ、前に歩む事を止めてしまっていたのだろう。
何と情けない。
だが気づいたからには、そこからやり直す事が出来る。それもまた、人という物だ。
まずは己の罪。己の弱さを認め、ケジメをつけねばならん。その為にも、ここ暫く会う事を避けていた右衛門督に会わねばならんだろう。
儂が右衛門督に会う事が出来なかった理由。
それは愛する我が子をこの手で殺めようとする事実から目を逸らしたかったから。
それは愛する我が子を一人前に育て上げられなかったから。
謝らねばなるまい。其方を立派に育て上げられなかった、儂が悪かったのだ、と。
「右衛門督。調子は……どうだ?」
躊躇いながら声をかけた儂に、横になっていた右衛門督は儂に顔を向けてきた。
毒と暑さのせいだろう。右衛門督は隠居を強制されるよりも前より痩せこけ、肌は血の気が感じられず、土のような色だった。
分かってしまった。右衛門督は、すでに三途の川に片足を突っ込んでいるのだ、と。
「……父上……次郎(六角義定)……俺を嘲笑いに来たのか……」
「馬鹿者……愛する我が子を嘲笑ったりなどするものか!……すまなかったな、四郎(六角義治)。儂が其方を育て上げられなかったばかりに、其方を辛い目に遭わせてしまった。全ては不甲斐ない儂の罪。儂が……悪かったのだ……」
眦に感じる熱さ。
今更。本当に今更だ。今更気づいた所で、手遅れなのだ。
儂が四郎に対して出来る事は無い。何も無いのだ。かつて六角家当主を務めた儂が何もできない。これほどの屈辱、初めて味わったわ!
「四郎。其方は悪くは無い。儂がもっと親として、時に厳しく、時に優しく、甘えを許さず育てられなかった事が原因なのだ。だが、それでも儂にとって其方は愛おしい息子なのだ」
「……」
「好きなだけ儂を罵るがよい。儂は父親失格。其方に父上と呼ばれる資格は無いのだ!全て儂のせいなのだ!」
一番の愚か者は儂なのだ。
誰に指摘されずとも、儂自身が良く知っている。
目頭を手で拭い、そして四郎の頬を優しく撫でた。
「信じてはくれんかもしれん。だが、儂は其方が六角家当主として、六角家を更に大きくしてくれる事を期待しておった。確かに其方の気の強さは危険かもしれん。だが乱世においては頼もしさを感じていたのも事実なのだ。それは儂には無かった物だからだ」
「父上……」
「六角家当主は其方こそが相応しい。其方が幼い頃から、儂はそう信じていたのだ」
四郎の頬を流れ落ちていく雫。
土色の顔を細かく震わせる我が愛しき息子。だが残りの刻はそう残されてはおらん。
御家を守る為の決断とは言え、儂は父親として子殺しの罪を背負って残りの刻を生きていこう。だがもうすぐ逝くであろう我が子には、安らぎを胸に旅立って欲しい。
どうか神仏よ、我が子、四郎に救いの手を差し伸ばし給え。四郎に罪があるというのなら、それは儂が代わりに償わせて戴きます。
「すまなかった、四郎……せめて、せめて六角家だけは儂の命の全てを捧げてでも守り抜く。それが詫びになるとも思えんが、儂に出来る事はそれぐらいしかない」
「……父上……」
「六角家は次郎を当主として、必ず残してみせる!」
四郎の顔が見えん。次から次へと涙が溢れてくる。
文字通り、堤が決壊した川のように、とめどなく溢れ続ける。
「すまなかった、四郎!」
我が子が愛おしい。儂は寝たままの四郎を掻き抱き、何度も何度も詫びの言葉を繰り返す。
我が子を殺めようとしているからこそ、より強く実感できた。
儂は四郎が愛おしいのだ。
「すま」
首に走る痛み。何だ?
思わず視線を落とす。そこには、四郎の右手があった。
そして親指の先から赤い物が滴っている。赤い……儂の、血か?
「四郎?」
「やはり父上は……次郎が相応しいと……」
澄んだ音が耳に届く。
まさか!
「止めよ!四郎!」
「兄上!?」
「くたばれえええ!」
涙を振り払った儂の目が捉えたのは、儂が差していた脇差を抜いて次郎に切りかかった四郎の姿。
次郎は咄嗟の事で、太刀を抜く事すら出来ん。
そして振り下ろされる一閃。遅れて噴き出す赤い迸り。
勢いに負けた燈明が、派手な音を立てて倒れる。
「御隠居様!」
「御屋形様!」
外で見張りを命じられていた強者達が、太刀を抜きながら入ってくる。
そして状況を察するなり、すぐさま四郎へ……
「や、やめ」
儂の制止の声は、怒号にかき消されて届く事は無かった。
今回もお読み下さり、ありがとうございます。
今回は謀略は謀略でも、家族に対する感情とかを対比するような感じにしてみました。
それ以外にも、対比はありますけどねw良かったら考えてみて下さい。
まずは備前国。浦上宗辰視点より。
【浦上宗辰】
浦上宗景の長男。次男は1573年?生まれっぽいので、宗辰以外に跡取りはいませんでした、という感じです。
元服はしても、まだ子供も同然なので、かなりお人よしです。
【浦上家】
史実の北条家なみに、決められずに相談ばかり、という状況でした。
どれを選択しても一長一短で悩ましい。それが理由です。
【直家の妹】
名前は資料が無かったので、椿としました。
史実だと1562年に伊賀久隆の嫁になり、1581年に旦那が直家に暗殺されたそうです。なので史実でも、この年まで嫁に行かなかったのかもしれません。まあ事情があって離縁された、という可能性もありますが。
作中の椿さんは二十一歳ぐらいのつもりです。
次は岡家利視点より。
【浦上家全滅】
手打ちの酒宴で毒を盛る為に、浦上家を油断させようと策を巡らしていました。
文中にもありますが①妹をすぐに側室として献上②宇喜多家所領を浦上家に献上③直家自ら酒宴の毒見④宇喜多家一同は言われる前に武装解除。
その気になれば、宇喜多家を皆殺しに出来る。そんな心の油断を、浦上家に作り出す事で毒を仕掛ける隙を作っております。
【附子】
皆さん御存知トリカブト。暗殺の定番ですね。
トリカブトの致死量ですが、葉っぱなら1ℊほどらしいです。乾燥させて粉末状にした物を、それとなく酒に落したり、料理に落したりすれば、余裕で1ℊは達成できます。
※素手で触れるのは危険です(死にはしないそうですが)。
【戦国時代の女性の価値】
露骨に言えば御家の為の道具。これに尽きます。
史実の直家が娘を暗殺相手に嫁がせて油断させたのも、全てここに集約されています。
拙作の主人公は、間違いなく戦国時代においては異端児ですね。
【椿のその後】
嫁ぎ先全滅。
直家の指摘通り、実家に帰る以外の選択肢は有りません。直家は約束した通り、どこかの御家へ正室として輿入れさせるでしょう。
可能性としては史実通り、伊賀さんか、或いは宇喜多家三家老の誰かか。
【直家の価値観】
家臣>家族。
史実の直家と同じです。
次は近江国が舞台。六角承禎視点より。
【夜更けの訪問】
義治君がそろそろ、と聞かされて見舞いに向かう承禎さん。
夜に向かったのは、家臣のいる昼だと周囲に止められるからです。
【醜い】
精神的に、かなり参っているから、それが表に出てきております。
もし出家してなければ、髪も白髪のせいで、さらに老いて見えたかと。
【呼び方】
義治君:右衛門督→四郎
承禎さん、感情が高ぶって仮名で呼んでます。
義治君が義定君を次郎呼びなのは、弟が左衛門尉と呼ばれている事を知らないから。まあ知っていても認めなかったとは思いますが。
【承禎の本音】
乱世ですから、やはり弱気だったり物静かだったりするよりは、強気な方が周りに舐められにくい、というのは有ったでしょう。
それが自分が持ちえない物であったのなら、猶更、期待するだろうな、という感じです。
問題は元服後に、強気すぎた事なんですけどね。
【分かり合った父と子】
そして義治君を激怒させるトリガーを、何も考えずに口に出す承禎さんw
父子の和解は一瞬でした。
【親指】
義治君が閉じ込められた時、彼は『爪を噛んで』いました。
この時、彼は爪を武器とする事を思いつきました。爪を噛んで、先を針のように尖らせる。
無論、これだけでは足りません。もう一つ、今回は書かれていない『武器』が存在していました。
それでは、また次回も宜しくお願い致します。




