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謀略編・第十七話

 謀略編・第十七話、更新します。


 今回は山城国が舞台。あと少しだけ摂津の三好家。


 今回はボリューム増。普段の倍ぐらいの量になりました。今回の騒動の他家への余波については、時季も考えて春先になるかな?と言う所。電話とか無い時代ですからね。雪が降らない、少ない地域なら、話は別なんですけど。

永禄四年(1561年)十二月、山城国、京、土御門洞院殿、山科言継――



 宮中でチラホラと降り始めた小雪を眺めながら、一首考えていた所に儂の家臣が急報を届けに来た事を女官が教えてくれた。

 何事かと思いながら家臣が待っている所に向かったのだが、届けられた凶報に儂は思わず目を丸くしてしまった。


 大変な事になってしまった!直ちに太閤殿下にお伝えしなければ。

 そんな事を考えていると、先ほどとは別の女官が『帝がお呼びに御座います』との事。こんな時にお呼びとは、恐らく誰かが主上の御耳に入れたのだろう。

 仕方ない。そう覚悟を決めて御前に向かう。


 「呼び出してすまぬな、権大納言(山科言継)」

 「お気になさりませぬよう。臣にいかなる御用件におじゃりましょうか?」

 「目々から聞いたのだが、婿殿が何かしておるようだ。権大納言は何か聞いておるか?」

 やはりその件であったか。

 儂も家人から火急の報せとして聞いたばかり。実の所、詳しい事は何一つとして知らない。

 御簾の向こう側におられる主上に申し訳なく思いつつも、儂には事実をお伝えする以外の事は出来なかった。 


 「加賀守(武田信親)殿は『天神の寵児が二条御所へ参る』と書かれた旗を翻して、洛中を行進しながら二条御所へ向かっていると存じます。それ以上の事は、臣も把握しておりませぬ。これから調べる所におじゃりました」

 「権大納言、二条御所と言えば公方がおるであろう?公方の婿殿嫌いは朕も耳にしておるのだ。何か問題があったのであれば、太閤に話を通して解決してやってくれ」

 「御意に御座います」

 それにしても、公方は何をしてくれたのだ?

 今、武田家を敵に回して足利という御家が無事で済むと本気で思っておるのか!確かに足利家に味方する者もいるだろう。だが、それにも限度というものがある。

 足利家に味方する者がおるように、武田家に味方する者もおるのだ。その筆頭格と言うべき御方が主上にあらせられる。

 下手を打てば、足利家が朝敵認定されかねぬぞ!


 足早に御所内を移動しながら、これからどうするべきかを考える。

 宮中での情報集め。正直、期待は出来ん。加賀守殿に最も近いのは儂自身と目々典侍様。だが、どちらも詳しい情報を掴んでおらぬ。

 公方からの情報となると、傍に居る太閤殿下。つまり近衛家になる。だが太閤殿下も、公方の母親である慶寿院殿も、二人揃って二条御所にいる。兵部大輔(細川藤孝)殿も同じく二条御所。ここから情報を戴くとすれば、それは全て終わってしまった後の情報だ。今、起きている問題を解決する役には立たん。だが、使者を走らせても損は無いか。何が起きたのかを正確に把握しておくに越した事は無い。


 他に誰かいただろうか……左京大夫(武田信虎)殿……無理だ、あの御仁の加賀守殿贔屓は有名過ぎる。面白がって、率先して一緒に行動していても不思議はない。

 伊勢守(伊勢貞孝)殿……何か知っていても不思議はない。三好家寄りではあるが、京の治政を司る政所執事という立場上、二条御所の事についても詳しい御仁。話を聞くだけの価値はあるだろう。

 あとは三好家で誰か洛中におらぬだろうか?加賀守殿と弾正(松永久秀)殿との親交は儂も聞いた事がある。だが使いを出しても数日はかかるだろう。


 政所執事殿しかおらぬな。太閤殿下には、後ほど伺う先触を送っておくとしよう。

 さて、向かうとしようか。



永禄四年(1561年)十二月、山城国、京、二条御所、細川藤孝――



 御所の庭に植えられた松の木。まだ御所は造られて間もない為、当然の事だが、他所から持ってきて植えた松になる。

 その松の葉に、うっすらと白い雪が見えた。

 松と待つをかけて、何か詠んでみるか?新しい松と待つ、白い雪を白兎に譬えてみるか。白兎に女子という裏の意味を持たせれば、面白い歌が詠めそうだ。新しく作った妾が待っているという、敢えて下世話な歌でも……


 「兵部大輔殿!」

 「おお、美作守(進士晴舎)殿、どうかされましたか?」

 いかんいかん、塀の向こうを見たくなくて、つい逃避してしまった。

 それにしても、とんでもない事になってしまったものだな。

 確かに私は加賀守(武田信親)殿に伝えはした。公方様が能登の件で釈明を求めておられるので、二条御所まで来て戴きたい、と。言い回しは多少違ったかもしれんが、加賀守殿の事を考えて、詫びをいれつつ、なるべく言い回しにも注意したつもりだ。

 それがまさか……


 「兵部大輔(細川藤孝)殿!外の有様は何なのか、御説明戴きたい!」

 「某も存じませぬ!某は公方様が能登の件で加賀守殿を呼ばれているから、御越し願いたいと伝えただけに御座います!」

 「ならば!あの御所を取り巻く大軍勢は何なのだ!御所巻ではないか!」

 正直、背筋に寒気が走っているのは私だけではないだろう。

 私を詰問している美作守殿も、例外ではないだろうな。実際、顔が青ざめている。加賀守殿を敵に回す事の覚悟を決めておらなかったのか?

 小さな頭痛を感じながら、周りを見やれば皆が不安そうに外を見ている。

 揃いも揃って。あれほど加賀守殿を弾劾しようと意気軒高であったではないか!


 「美作守殿。加賀守殿を敵に回せば、こうなる事は分かっていたでしょう。加賀守殿は自ら望んで一向衆を敵に回した暴君。一度敵と見定めれば……お分かりですな?」

 「それでは謀反ではないか!」

 「そこまでは某にも判断できませぬ。文字通り、公方様の御首を挙げるのか、それとも御所巻で満足するのか。公方様、如何なされますか?」

 視線を上座へ向ければ、やはり顔を青ざめさせている公方様がおられた。

 今更ながらに、誰を敵に回したのかを理解したのだろう……できれば、そうであってほしいものだ。単に怯えているだけでは、また繰り返されるやもしれん。

 何とか加賀守殿の怒りを鎮めなければならんのだが……あの加賀守殿が矛を収めてくれるだろうか?


 「公方殿!一体、何事でおじゃるか!」

 足音も荒々しく飛び込んできたのは、太閤(近衛稙家)殿下。その後ろには御生母の慶寿院様の御姿も見える。

 言うまでもない事だが、御二人とも激怒されておられる。

 これは間違いなく気付かれたな。


 「余、余は何も」

 「兵部大輔殿!」

 「加賀守殿を能登の件で詰問する為に二条御所へ呼ぶよう命じられました。ただそのまま伝えたのでは問題になると思い、某の判断で言い回しを取り繕いましたが、知恵者と名高い加賀守殿の事。恐らくは真実に気づかれたのではないかと存じます」

 御二人は睨んだだけで人を殺められそうなほどに、凄まじい目つきをされておられた。御二人とも殿上人である近衛家の御方。武とは無縁の筈だが、それでも人というのはここまで変わるものなのか。

 そこへ廊下を走る音。

 

 「申し上げます!武田加賀守信親殿、武田左京大夫信虎殿とともに能登の件で公方様に釈明を命じられた、と申して面会を求めておられます!」

 「すぐに通すでおじゃる!公方殿!これ以上問題を起さぬ為にも、同席させて貰うでおじゃる!」

 ドサッと荒々しい音を立てて、太閤殿下が公方様の隣に座られた。最早、近衛家という出自故の高貴さを発揮する余裕もないほどにお怒りのようだ。

 慶寿院様は女性であるからか静かに腰を下ろされたが、その表情を見れば落ち着いていないのは誰の目にも明らかだ。目つきが険しい。この一言に尽きる。

 公方様の近臣達も、全員が腰を下ろした。事、ここに至っては手遅れという事に気づいたのだろう。


 やがて加賀守殿が、祖父である左京大夫(武田信虎)殿に手を引かれて姿を見せた。

 加賀守殿は少し身なりを整えて、眼帯をつけただけ。左京大夫殿は腰に脇差だけでなく太刀も佩いている。恐らくは左京大夫殿の愛刀、和泉守兼定。それを佩いてきたという事は、左京大夫殿は二条御所を『敵地』と判断しておられるのだろう。

 本当に頭が痛い。どうやって事を収めるのだ!?

 その姿に、太閤殿下が小さくため息を吐かれる。


 「よく来てくれたでおじゃる、加賀守殿、左京大夫殿。此度の件、こちらとしても寝耳に水だったのでおじゃる。申し訳ないでおじゃるが、慶寿院とともに同席させて戴くでおじゃる」

 「はは、心得ました。では改めまして公方様、武田加賀守信親参上仕りました」

 「う、うむ。よく来たな」

 すでにどもっておられる。これは混乱されておられるのであろうな。

 だがこれは我ら近臣にも責任がある。公方様がこのような行動に出ないよう、諫めるべきであったのだ。それは間違いなく、近臣全ての責任だ。

 納得して戴けるかどうかは分からんが、最悪、私が腹を切って怒りを抑えて戴けるようお願いするしかないだろう。覚悟だけは決めておかねば。


 「か、加賀守殿!そ、外の者達はどうしたのだ!」

 「某が二条御所へ参る、と伝えた所、某の後を勝手についてきただけに御座います。某がついてくるよう命じたのは護衛の二十騎のみに御座います」

 「そ、それならすぐに帰るよう命じよ!」

 「その権利は某に御座いませぬ。あの者達は勝手についてきただけ。故に御所内にも立ち入らせはしませぬ」

 ん?何であろう?加賀守殿と美作守殿とのやり取りに、妙な違和感を感じたのだが……それに、左京大夫殿の様子もおかしい。

 よくよく様子を伺ってみれば、理解出来ないが怒ってはおらぬのか?何故かは分らんが、あの豪胆な御方が顔を俯き加減にしておられる。

 それは顔を見られたくない、と言う事であろうが、あの左京大夫殿が顔を見られたくない?どういう理由だ?


 「外の事などどうでも良いでおじゃる。それで本日、加賀守殿が呼ばれた能登の件での釈明とは、どういう事でおじゃるかな?」

 「そ、それはここ最近の能登国での治世の悪化。その原因が加賀守の策謀によるものである為!」

 「公方殿が申すにはそういう事らしいが、加賀守殿は何か言いたい事はおじゃるかな?」

 それにしても、この状況で外の事を一顧だにしないとは、太閤殿下の肝の据わり様も大層なものであらせられる。

 それに引き換え近臣達は、時折、外へと目を向けておる。中には尻を僅かに浮かしておる者も。

 まさか、この期に及んで逃げ出すつもりか?


 「誠に失礼な事とは存じておりますが、直答にて太閤殿下の御下問にお答えさせて戴きます。某は全く心当たりがない事を断言致します」

 「こ、この恥知らずが!嘘を吐くのも大概にせい!」

 「事実で御座います。寧ろ、迷惑をかけられておるのはこちらの方に御座います。何故か?それは能登畠山家当主が悪政を敷き、それを嫌がった民は加賀へと逃げて参り、国人衆は加賀武田家の庇護を願う始末。誠に迷惑千万と言う他、御座いませぬ」

 公方様を見やれば、ギリギリと歯ぎしりされておられる。

 御顔も怒りで真っ赤に染まり、文字通り、怒髪天を衝くという有様。もし太閤殿下や慶寿院様がおられなければ、間違いなく太刀を抜かれておられただろう。


 「確か二十年ほど前にお亡くなりになられた興臨院(畠山義総)殿は名君と謳われるに相応しい御方で御座いました。その業績を長じて後に調べれば調べるほど、大した御方であったのだな、と素直に感心したもので御座います」

 「ほう?加賀守殿は先々代当主の事を御存知でおじゃったか」

 「あくまでも調べた、という意味でしか御座いませぬが。ざっと挙げてみましても、北の海を利用しての交易促進。金山の開発。京から下向されてきた公家の方々や禅僧、猿楽大夫や連歌師を招いて保護。商人や職人も手厚く保護する事により、七尾城下町は小京都と評されるまでに至ったという実績。亡くなったのは五十半ばという事でしたが、誠に惜しい御方で御座いました。お若い時には、三条西家を訪れて源氏物語の講義を御受けになられたほどの文化人でもあられた、と。太閤殿下もお若い頃に、直接、文の遣り取りをなされておられたのでは御座いませぬか?」

 『よく知っていたでおじゃるな』と感心したように太閤殿下が声をあげられた。少し後ろに控えていた慶寿院様も口元を隠しながら、驚いたように目を見張っておられる。

 加賀守殿は知恵者として有名だが、為政者・暴君としての一面が非常に強い。だからこそ文化人的な一面を持ち合わせているとは思ってもみなかったのかもしれないな。


 「某、甲斐の山猿では御座いますが、母は三条家の出。三条西家は三条家の分家にあたる御家で御座います。某は盲故、幼い頃に母が色々と聞かせて下さったのです。あとは興臨院殿の文化人としての交流の広さを加味して考えれば、そう不思議でも無いな、と」

 「いやいや、加賀守殿の事を過小評価しておったようでおじゃる。大した知恵でおじゃるな。それにしても懐かしい」

 昔日の事を懐かしまれているのか、太閤殿下は怒りを消し去り、何度も頷いておられた。それは慶寿院様も同じようだ。御二方にとって、大きな存在であったのかもしれぬな。

 ただ問題は公方様だ。

 完全にお一人だけ蚊帳の外。これでは更に感情的になられてしまう。決して良い兆候とは言えぬ。 


 「話を戻させて戴きますが、能登畠山の現当主は無能と評すべき男。太閤殿下が良く知る興臨院殿の爪の垢を煎じて飲ませるべき、愚か極まりない男で御座います。それ故に民は逃げ、国人衆は離れているので御座います。民にも心があり、生活が御座います。重税を課されれば『もう嫌だ!』と逃げるのは当たり前の事。それすら理解出来ないので御座いますから、つける薬が御座いませぬ」

 「そ、それは其方の策謀であろうが!」

 「それこそまさに濡れ衣。民は純粋に重税を嫌って逃げてきているだけ。武田家の税は低い事で有名で御座いますからな。米に例えれば、そうですな……二公八民と言う所で御座いますかな?米の相場によっては三公七民かもしれませぬが」

 ポトリ、と公方様の手から扇子が落ちた。

 これにはこの場にいる方々、全てが驚いたのだろう。視線が加賀守殿に集中している事が良く分かる。


 「二、二公八民など不可能に決まっておるわ!虚言を申すでない!」

 「虚言では御座いませぬ。某が今荀彧と評されたのは、甲斐国でそれを成し得たからこそ。こと政という点において、某は誰にも負けるつもりは御座いませぬ。太閤殿下、質問をお許し願います。仮に殿下が百姓であったとします。六公四民で暮らすのを強制されていたとして、隣の加賀では二公八民が当たり前と聞いたら、どうされますか?ついでに申し上げるなら、武田家は賦役等も廃止しております」

 「躊躇いなく逃げるでおじゃる……なるほど、策など弄する必要もないでおじゃるな」

 太閤殿下は納得されてしまったな。慶寿院様も頷いておられる。

 納得しておらぬのは公方様唯御一人。だが正直、認めるしか無いのが現状だ。

 実際、加賀守殿の言い分を崩せぬからだ。

 

 「国人衆についても同様で御座います。加賀との国境に所領を持つ国人衆達は、民の逃散により租税が減ってしまい苦しんでおりました。彼らは食っていく為に、武田の真似をして生存を図ったのです」

 「うむ。それは仕方ない事でおじゃるな。租税が同じになれば、民が逃げる理由もなくなるからのう」

 「殿下の仰る通りで御座います。それを修理大夫(畠山義綱)殿が咎め、旧来のやり方に戻す事を命じました。これでは国人衆が愛想を尽かしても、誰も責められませぬ」

 話を聞けば聞くほど、加賀守殿の方に理があるように思えてくる。

 確かに税、その物を策だとすれば話は別だが、さすがに税の低さを咎める事は出来ん。税というのは、日ノ本全土で統一されている訳でもないのだからな。

 

 「何度も申し上げますが、迷惑を被っているのはこちらで御座います。逃散してきた民を受け入れてはおりますが、中には金沢の城下で喧嘩などの騒動を起こす者もおります。国人衆達も、このままでは攻められるから助けてくれ、と好き放題言い放つ始末。自分の意思で愛想を尽かしたのなら、自分の面倒ぐらい自分で看ろ、と言うのです。武士のくせに泣き喚くのなら、母親の腕の中で思う存分泣いていろ!」

 ブフウッと噴き出しながら、太閤殿下が崩れ落ちた。両の拳で床をバンバン叩きながら、必死に笑いを堪えておられる。

 慶寿院様が、額に手を当てて、ため息を吐かれておられる。その視線は、公方様に向けられたもの。公方様のこれまでの行動と照らし合わせて、加賀守殿の言に思う所が御有りなのであろう。

 そして公方様はと言えば、完全に鬼の形相だ。すでに太刀の柄に右手を伸ばそうとしておられる!


 「やめなさい!菊幢丸!」

 「母上!?余の名は」

 「今の其方には幼名で十分です!このたわけ者!」

 慶寿院様の一喝に、公方様が手にしていた大典太光世を落とされた。

 ガシャン!という音が謁見の間に鳴り響く。


 「良いですか!私は其方の母です!だからこそ、其方がどのように成長しようが、母は其方を見捨てたりはしません!それが母の愛という物です!ですが、それは無制限に其方を甘やかすという物ではありません!今の其方に必要なのは、千尋の谷へと突き落とす厳しさです!」

 「母上!」

 「大典太を加賀守殿に差し上げます。御迷惑をお掛けした、せめてものお詫びです。加賀守殿、誠に申し訳御座いませんでした。不詳の息子に代わり、謝罪をさせて戴きます」

 慶寿院様が大典太を拾い上げられると、手ずから加賀守殿に手渡された。それだけではない。なんと加賀守殿の眼前で、膝をついて頭を下げられた!

 まさかの事態に、居合わせた近臣達も言葉もない。それは公方様も同じだ。


 「母上!母上がそ奴如きに頭を下げる必要など」

 「黙りなさい!」

 慶寿院様の再度の一喝に、公方様が尻を着いてしまわれた。

 初めて見せた厳しさに、近臣達も完全に呑まれてしまい、何も言い出せない。そのまま固唾をのんで見守るばかりだ。


 「慶寿院様、どうか頭をお上げください。慶寿院様が公方様を慈しむお気持ちは、某にも覚えがある物。某は盲故、今日に至るまで母上には大層、心配をかけ続けて御座います。先程の叱咤は、某にも訴えてくる物が御座いました」

 「三条殿は御子息を立派に育て上げられたのですね。三条殿はどのような母親で御座いましたか?」

 「優しい御方で御座いました。幼かった某を膝の上に乗せて、色々な物語を聞かせ、頭を撫でて下されたものです。某が七つの時でしたか、母の下を離れて駿河の臨済寺で居候すると言った時には、泣かれた事を覚えております。そういう意味では、某は親不孝者に御座います」

 盲の子供が七つで母から離れる。それは母君が泣かれるのは当たり前であろうな。可愛がっている分、心配の度合いも強かったのだろう。

 だが慶寿院様には、思う所が御有りだったようだ。何度も真剣に頷かれておられた。


 「それでも母上は、某を見捨てようとはしませんでした。神仏を信じぬ某が体調を崩したと聞けば、薬を調達して送って下された事も御座います。娘が生まれた時には、心の底から喜んで下さいました。某にとっては、たった一人の母で御座います」

 「三条殿が羨ましい……三条殿を大切にして下さいね、加賀守殿」

 「ははっ。肝に銘じます」

 これでは公方様も加賀守殿を糾弾するどころではない。

 公方様がどう動こうが、殿下も慶寿院様も公方様に御味方はなされぬだろう。

 

 「ところで加賀守殿。加賀守殿に対する疑念は解けたと麿は判断したでおじゃるが、外の御所巻を何とかして貰っても良いでおじゃるか?」

 「それでしたら、某よりも二条御所の方々に命じるべきで御座います。某にはその権利が御座いませぬ。某が命じる事の出来るのは、直属の二十騎のみ。洛中に住んでいる民については、某は何一つとして命じる権限が御座いませぬ」

 「……洛中の民?」

 外を指さしながら説明する加賀守殿に、この場に居合わせた方々は、呆気にとられたようだ。

 それは殿下や慶寿院様も同じである。


 「誠に不可解で御座いますな。某はただ白地の旗に『天神の寵児が二条御所へ参る』と書かせて持たせてから、洛中をぐるりと回ってこちらに来ただけです。民が二条御所へ乱入せぬよう、護衛の者には門を守らせておいたのですが、御迷惑で御座いましたか?」

 再び崩れ落ちる殿下。片方の手は腹を押さえておられる。同時に、加賀守殿の隣で沈黙を貫かれていた左京大夫殿も、限界を超えたのか大笑いされ始めた。

 事ここに至って私も気づいた。

 全て今荀彧の策であったという事に。民を集め、御所巻を装ったのだ!


 「か、かかか加賀守いいい!よくも抜け抜けと!」

 「公方様、お座りになられた方が宜しいかと」

 「そこになお」

 瞬間、轟音が轟いた。

 咄嗟に上座へ飛び出し、公方様を我が身を盾にお守りする。


 「御無礼を!そのまま身を小さくして下され!」

 「ひょ、兵部大輔!?」

 「殿下!慶寿院様!御無事でいらっしゃいますか!?」

 轟音の後は埃がうっすらと上から舞い降りてくる。一体、何があったというのだ?

 不幸中の幸いと言うべきか、御二人は御無事らしく返事が返ってくる。


 「御祖父様、大層な轟音で御座いましたが、何が起きたのでしょうか?」

 「雷でも落ちたのではないかな?空が見えて、檜皮葺が燃えておるわ」

 「雷なら納得の轟音で御座いますな」

 この期に及んで呑気な会話をする祖父と孫。豪胆にも程がある。

 だが、こちらはそれどころではない。

 なぜなら、近臣達の気配が減っていく気がしたからだ。まさか!


 「皆、公方様をお守りせぬか!殿下と慶寿院様をお守りせぬか!」

 だが、私の言葉は虚ろに響くのみ。何という事だ……これが天下の足利家だと?

 埃が全て舞い落ちた謁見の間は、元の静けさを取り戻していた。が、この目で確認できた近臣の数は激減していた。

 

 「公方様。進言申し上げます。今の公方様を誰が身を挺してお守りになられたか。その事を良く御理解願います」

 「麿からもしっかり言い聞かせておくでおじゃるよ、加賀守殿。いや、天神様の寵児殿でおじゃったな。天神様が雷でお守りになられたのでおじゃろう」

 「懐かしい名で呼ばれたもので御座います。あの頃は公頼御祖父様も御健在で御座いました。しからば、失礼仕ります」

 加賀守殿は左手に大典太を、右手を左京大夫殿に預けて退室された。

 それにしても、まさか雷が降ってくるとは……いや、いかん!


 「すぐに避難を!火にまかれてしまっては命を落とします!」

 一度火がついたのだ。火元が屋根では消火もままならぬ。

 まずは公方様や太閤殿下、慶寿院様を安全な場所へと避難。その後に水で消火。だが恐らくは間に合わぬだろう。

 二条御所の代わりとなる御所を探さねば。室町第に戻るのも手かも……公方様の命で廃棄していたではないか!

 仕方ない、とりあえずは等持院に避難して戴くか。

 

  

永禄四年(1561年)十二月、山城国、京、武田信虎――



 御所から出るなり、可愛い孫は家臣とともに越前に向かうと申してきた。

 まあ今回ばかりは仕方あるまい。のこのこ京に残っていた所で、面倒な事しか起こらぬであろう。

 突然の出立は寂しくもあるが、仕方のない事だ。


 「御祖父様。初めての手柄首、御祖父様にお預けしても宜しいですか?」

 そういって差し出してきたのは、慶寿院様から詫び代わりに手渡された、大典太光世であった。

 名刀中の名刀。二郎(武田信親)が持っておれば良かろうに。


 「これから越前まで、少々強行軍で向かいます。荷はなるべく減らしたく存じます」

 「そういう事であれば預かっておこう。見事な大将首であったぞ、二郎!」

 「有難き幸せ。これも喜三郎(小笠原貞虎)がいたからこその策で御座います」

 小笠原弓術の後継者であり、加賀武田家弓術師範を務める小笠原貞虎。こ奴が弓の達者な十騎とともに別行動をとって、御所に向かって少し手を加えた焙烙筒を射ち込んでいたのだ。

 目的は雷と偽る事。

 合図は二郎が外を指さす事。そう、御所巻の正体を暴露した時の事だ。


 「小笠原、見事な腕前であった。儂からの褒美だ、遠慮せず持っていけ」

 「はは!忝う御座います!」

 愛刀、和泉守兼定を惜しげもなくくれてやる。

 京の外れまで二郎達を見送り、その姿が見えなくなった所で儂は踵を返した。

 

 洛中は寒いというのに、御所の騒ぎで騒々しい。民は揃って、御所から上がっている煙を指さしておる。

 その光景に笑い出したくなるのを堪えながら、儂は屋敷への帰路についた。

 屋敷についたら、すぐに二郎に頼まれた事をせねばならん。時はそれほど余裕が無い。特にこの季節だからな。そんな事を考えていると、一台の牛車が儂を呼び止めた。

 

 「左京大夫殿」

 「これは権大納言(山科言継)様」

 「ちょうど良かったでおじゃる。訊ねたい事があるので、こちらに」

 早くも権大納言様の御耳に入ったか。

 まあ隠す様な事でもない。あのヘタレ公方には良いお灸だ。全て洗いざらい教えて差し上げるとしようか。


 

永禄四年(1561年)十二月、河内国、飯盛山城、三好長逸――



 師走となり、下に着こむ服を増やした日の事であった。

 弾正(松永久秀)経由で伝えられた炬燵に未練を残しながら、孫次郎(三好長慶)様にお会いしようと御前に伺うと、儂は信じられない光景を目の当たりにした。

 孫次郎様は、上座で額を畳に擦り付けながら、小刻みに震えておられたのだ。

 まさか、毒でも飲まれたのか!?


 「修理大夫(三好長慶)様!何事で御座いますか!弾正、其方も何をしておるのだ!」

 「お、落ち着け、大叔父上。弾正は、何も、悪くは無いのだ……いかん、笑い死ぬ……」

 「修理大夫様、白湯をお持ち致しますか?」

 弾正の問いかけに、孫次郎様は必死に頷かれた。

 一体、何があったと言うのだ!

 運ばれてきた白湯を、一息に飲み干される孫次郎様。それでようやっと落ち着いたのか、孫次郎様は居住まいを正された。


 「大叔父上も読んでみるか?洛中に潜んでいた弾正の草が掴んできた情報だ。二日前に洛中で起きた騒動についてよ」

 「二日前とは、また最近で御座いますな。それでは拝見させて戴きます」

 文を読んでいくにつれ、どうして孫次郎様があのような醜態を晒していたのか、それを嫌と言うほどに理解せざるを得なかった。

 いかん、前屈みになっている事が自覚できる。だが、止める事ができん!

 必死になって面を上げてみれば、修理大夫様が儂をニヤニヤと笑っておられた。

 

 「ぶ……ぶはははははは!」

 「やはり笑ったな、大叔父上!儂が笑い死ぬと申した意味が理解できたであろう!?弾正はすでに知っていた情報だから、儂と同じ目にはあわせられなんだのだ!」

 「酷う御座いますぞ!ぶはっ!」

 駄目だ、笑いが止まらん!

 正直に言おう。ざまあみろ!という気分だ。公方の面目は丸潰れだな!


 「民を上手い事誘導して御所巻を装うとは……久しぶりに大笑いさせて戴きましたな」

 「本当にな。儂としては公方を弑するつもりは全く無かった。所詮は口先だけだからな。ただ思う所が全く無かったか?と言えば、それは嘘になる。だからこそ、此度の騒動は笑わせて貰ったわ!」

 「二条御所は落雷で火災が発生。一部が燃えた、との事で御座いますが、恐らくは加賀守(武田信親)殿が何かしたので御座いましょうな」

 否定できる者はおらんだろうな。

 儂の言に、親交深い弾正が何度も頷いている。どうやったかまでは弾正も把握しておらぬが、儂と同じ考えだという事だろう。


 「能登の件で詰問したが、太閤(近衛稙家)殿下も慶寿院様も、加賀守殿に味方する始末。その上、御所が燃えて、当面は等持院へ避難。某も間近で見物しとう御座いましたな!さぞや気分が良うなったで御座いましょう!」

 「朝廷にも間違いなく伝わるであろうな。目と鼻の先での騒動だ。しばらくは、この話で公家の方々は夢中であろうよ。公方の権威も失墜するのは間違いない」

 間違いなく、朝廷は足利に対して厳しい目を向ける事になるだろう。

 武家の棟梁に相応しからず、と。

 さすがに露骨に口には出さんだろうが、普段の態度にその思いが滲みでてくるのは間違いない。そうなれば、朝廷は三好家をより頼りにしてくる事になる。


 「だが大叔父上。笑ってばかりもいられぬぞ。此度の騒動で、もっとも名を馳せたのは他ならぬ加賀守殿だ。民の間では、加賀守殿を公方の暴挙から守る為に、天神様が雷で打ち据えたのだ、と噂になっているらしい」

 「天神様の寵児。確か加賀守殿の二つ名で御座いましたな……修理大夫様、もしや?」

 「儂も弾正も、そう考えたのだ。もしかしたら、民を誘導する為の旗。それは天神様の寵児である事を意識づける為でもあったのではないか?とな。普通に武田加賀守信親でも、今荀彧でも良かった筈だ。違うか?」

 言われてみれば、確かにその通りではある。

 となれば、加賀守殿は此度の騒動で、自分が天神様の寵児である事を周囲に知らしめる必要が有ったという事になる。

 あの知恵者が、ただの自己満足の為にこのような騒動を起こす訳が無い。

 ならば、その真意は?


 「素直に考えれば、戦に利用するためで御座いましょう。天神様の御加護を持つ加賀守殿と、誰が好き好んで戦いたがりましょう」

 「儂もそう判断した。となれば加賀守殿は、能登か越中に本格的に侵攻する。そう考えたのだが、よく考えてみれば、これは有り得ぬ。今から能登に此度の騒動を伝える頃には、雪が本格的に降ってきて、噂が広まるには時が足りぬ。春先に話が届いて、それから広まる頃には四月になっておるだろうな」

 「確かに。であれば、加賀ではない?」

 武田の主戦場は、北陸と山陰山陽。東海は動く気配はない。

 北陸でなければ山陰山陽なのだが、そちらであっても条件は北陸と同じ。噂が広がるよりも前に、戦が始まるだろう。

 ならば、加賀守殿はどこを狙ったのだ?


 「儂にも弾正にも、加賀守殿の狙いは読めんかった。だが、利用する事は出来る。それが三好家の利になるのであれば、猶更だ」

 「なるほど、そう言う事でしたら某も賛同致します」

 「うむ。草や人脈を使って、此度の騒動を周囲に広げよ。摂津、紀伊、丹波。年内に広めさせる。この騒動を三好の利へと繋げるのだ!」


 今回もお読み下さり、ありがとうございます。


 まずは山城国から。山科言継さん視点。


 【洛中大行進】

 速攻で朝廷どころか、正親町天皇の耳にまで届きました。そりゃそうですよね。つい先日、挨拶に来たばかりなのに、まさかの洛中大行進。何やってんの?って感じです。


 【足利という御家が~】

 かつて言継さんは、細川藤孝さんを通じて公方に『武田家と仲直りせいよ。信親は春齢内親王様の婿になるのだからな?朝敵認定されてもしらんぞ?』と遠回しに警告をしておりました。

 それがこの有様。儂のお節介、聞いておらんかったのか!?という所。


 【信虎御祖父ちゃん】

 良い年なのに、孫と組んで悪ふざけしそうだ、と思われてますw


 次は細川藤孝さん視点。


 【現実逃避】

 開始早々現実逃避。アダルティというか、失楽園的な和歌を作ろうとした藤孝さんw


 【責任転嫁】

 唯一の反対者であった藤孝さんが責められるという、とんでもない展開です。呆れるのも当然ですね。


 【御所巻】

 近臣達なら、御所巻を知っていて当然です。まさかこう出るか?と言った所。考えが甘すぎるというか、リスク管理が出来ていない。


 【ブチ切れ状態の稙家さんと慶寿院さん】

 監視の目を掻い潜って公方が行動した結果が、この始末。激怒するのは当たり前。特に公方は先日の件がありますからね。


 【和泉守兼定】

 信虎御祖父ちゃんの愛刀という逸話有り。新選組の土方さんの愛刀を作った人とは、さすがに別人だと思いますがw同じ系譜に連なるんでしょうけどね。


 【迷惑千万】

 主人公、開き直ってますw


 【畠山義総】

 話の転換を利用して、稙家さんや慶寿院さんを味方につけようと目論んでます。この人に関しては、主人公が三条ママから聞かされていた、という設定。


 【源氏物語の講義】

 三条西実隆が師匠役。古筆の鑑定に始まり、茶道、和歌、将棋、囲碁。実隆公記も書いていた才人。三条家の分家。


 【現当主は無能】

 更に話の転換。孤立していく公方w主人公の主張に納得する稙家さんと慶寿院さん。


 【二公八民】

 武田は銭を税としている。そこまでは知っていたでしょうが、実際にどれぐらいの負担になるのか?までは考えていませんでした、というのが公方陣営。


 【母親の腕の中で~】

 以前に長慶さんを大爆笑させた超☆皮肉w今度は本人を前にして、能登国人衆を公方に見立ててやらかします。

 稙家さんは大爆笑を必死にこらえ、慶寿院さんは息子のこれまでの言動を思い出して、頭痛を感じてます。


 【菊幢丸】

 慶寿院さん、今までの自分が過ちを犯していた、と自覚して鬼になろうと覚悟を決めました。

 敢えて幼名で呼んだのも、その表れ。

 お前はいつまで子供でいるの?というお説教の意味。


 【大典太光世】

 天下五剣の一振り。史実では加賀前田家の家宝。

 拙作では、加賀武田家に渡ります。

 刀剣乱舞の蔵入り息子の言動が変わるかもw


 【御所巻ネタばらし】

 笑い死ぬ稙家さん。ついに我慢しなくてもよくなり、大笑いを始める信虎御祖父ちゃん。

 公方はブチ切れw


 【落雷】

 近臣の行動が、足利の行く末を現わしてます。藤孝さんは愕然。主人公の進言は、最後の警告になります。


 次は信虎御祖父ちゃん視点から。


 【手柄首】

 腐らない大将首w信虎御祖父ちゃんもこれなら喜びそうです。


 【強行軍】

 一乗谷まで向かう必要がありますからね。琵琶湖は船で半日としても、そこから馬で五日は見ておかないと厳しいでしょう。主人公がいるので、速度が出せませんから。

 なので、なるべく早く、という感じです。


 【言継さん登場】

 伊勢貞孝さんの所で情報を集めて、二条御所へ向かっていた所でした。

 そして信虎御祖父ちゃんから伝わる真実。

 言継さん、胃に穴が空きそうw


 最後は摂津国、三好長逸視点から。


 【炬燵に未練】

 長逸さんも炬燵を愛用中。年寄りですしね。


 【長慶さん毒殺】

 上座で痙攣してたら、毒を疑って当然です。


 【悪戯小僧な長慶さん】

 大叔父上も笑い死ね、という感じ。


 【ポーカーフェイスなボンバーマン】

 この人は自宅で笑い死んで来たので、平気です。なんて卑怯w


 【公方の権威失墜】

 これは不可避。もう避けようがありません。

 噂が周辺諸国に広まれば、更に悪化していきます。


 【主人公の狙い】

 戦に利用。これは正解です。ただどこの戦で使うのか?ですね。噂が広まるには、四月ぐらいを見ておく必要が有りますから。


 【三好家の行動】

 親・足利勢力を削る為に、今回の騒動を広めて利用しようと目論みます。

 

 今回もお読み下さり、ありがとうございました。


 また次回も宜しくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
[一言] 〉両の拳で床をバンバン叩きながら、必死に笑いを堪えておられる。 殿下、笑い、堪えられてませんよ、それw 〉「お、落ち着け、大叔父上。弾正は、何も、悪くは無いのだ……いかん、笑い死ぬ……」 …
[一言] これはじいちゃん笑い堪えるのに必死ですね…… 何食わぬ顔で盛大に悪戯を仕掛ける孫に大ウケしてらっしゃるw 確か二代目と十一代目でしたか。 信虎じいちゃんの他の有名な二代目兼定所有者としては…
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] たしか浅田次郎氏の壬生義士伝で、和泉守兼定は友人から主人公へ、そして息子へと渡っていったように思います。 何代目兼定の作かは分かりませんけど。
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