表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/301

加賀国編・第十五話

 加賀国編・第十五話更新します。

 

 今回は野良田の戦いの及ぼした影響と、武田家に突撃をかました門徒達になります。


 そして気が付いたら文字数が爆発してましたw半分でぶった切っても良かったかも。

永禄三年(1560年)四月、越前国、金ヶ崎城、武田義信――



 父上と四郎(諏訪勝頼)が雪融けの始まった三月に丹後へと出陣。一方で私は、叔父上(武田信繁)と共に居城である金ヶ崎城に居た。

 本来なら私も出陣するべきだったのだが、二郎(武田信親)からの情報により、守りが必要だった為に留守居役となったのである。

 二郎によれば、浅井は六角に牙を剥こうとしていた、との事。だがこれには黒幕がおり、その黒幕は武田を狙っている、と。

 故に、叔父上にも留守として残って貰ったのである。単に攻めてくるだけなら、私と守役の飯富がいればお釣りがくる。だがもし外交交渉が必要となれば話は別だ。叔父上や二郎のような知恵働きの出来る者が必須となる。

 

 「叔父上、二郎が申していた黒幕の一向衆ですが、今の武田に正面切ってぶつかって勝てると本気で思っているのでしょうか?」

 「そうだな……まず、武田は大きくなった。その分、割を食った者がいるのは当然の事。負の念に絡め取られて、まともに判断が出来ないのかもしれんな」

 「戦など、仕掛けてこなければ良い物を」

 今日は冬が終わったばかりとは思えぬ程に、とても暖かい。小鳥の囀りも響き、外を見ていると乱世という事を忘れてしまうようだ。

 そこへドタドタと走る音が聞こえてきた。

 

 「御屋形様!敵襲です!」

 「兵部少輔(飯富虎昌)か、敵は誰だ?」

 「一向衆に御座います!どうやら淡海乃海を船で移動してきた模様!」

 飯富が驚いているのを見るのは珍しいな。

 まあ仕方ない事ではある。一向衆が攻めてくる事を二郎から聞いているのは、私以外には父上と叔父上、勘助だけだからな。


 「数は?」

 「船の数は二百以上との事!」

 それなら驚くのも無理はない。だが淡海乃海の船は小型或いは中型と聞く。二郎は攻めてくるなら淡海乃海を利用した水軍による速攻奇襲だと説明していたが、見事に当たったな。

 それにしても二百艘とはよくもまあ用意出来た物だ。確かに淡海乃海には船は多数あるが、根こそぎ搔き集めて来たのか?

 まあ数が数だ。物見も一艘一艘丁寧に数えていた訳ではないだろう。実際には、もっと少なくても不思議はないが、油断大敵ともいう。多目に見ておいた方が良いだろう。


 「御屋形様!何故、そのように落ち着いて居られるのですか!一大事ですぞ!」

 「落ち着け、兵部少輔。坊主が攻めてくる事は読めていた。二郎のお陰でな。既に一乗谷城方面の鉢伏城一帯と、敦賀方面の疋檀城には昨年から兵を入れておる。我等が援軍に向かうまで、十分に持ち堪えられる。心配はいらん」

 「加賀守様が予期されておられたと!?」

 そういう事だ。しかし二郎の名を出した途端、急に落ち着いたな。

 それだけ二郎の影響力が大きいという事か。

 歴戦の武者である飯富ですら、頼りにする程にな。


 「出陣だ。越前を火の海にする事は出来ん!叔父上は一乗谷へ使者を!使者が到着する頃には、二郎が加賀から到着している筈!兵部少輔は常備兵に出陣の指示を出せ!まずは疋檀城まで出る。敦賀の安全を確保した後、敵の出方次第で川沿いに東へ向かい、山を越えて鉢伏山への救援に向かう!」

 「心得ました。出陣だ!法螺貝を吹け!」

 使者が一乗谷城へと走る。ただ二郎の軍勢が到着するには、相応の時間がかかるだろう。幾ら金沢城から、こちらへ向けて既に動いている、とは言ってもな。

 越中の一向衆については、それを織り込んだ上で対応しておくとは言っていたが。

 ……もしや連動しているのか?それとも考え過ぎか?


今は迎撃の事だけを考えるとするか。城にいる常備兵は三千。だが金ヶ崎でぶつかった日には、越前の秋の実りは絶望的となるだろう。それに兄として、弟に情けない姿を晒すのも辛い。

 敵勢についてだが、まず淡海乃海を行き交う船は小早のような小さい船が主流と聞いている。一艘辺り十数人で操るそうだが、それが二百以上。兵数は単純に考えて最低でも二千以上。正確な情報は、物見の連絡待ちだ。


 それに守備兵は越前だけではない。若狭にも武田の守備兵はいる。若狭や敦賀方面なら疋檀城、一乗谷方面なら鉢伏山一帯が北近江と接する最前線。重要なのは、そう簡単には落ちたりしないという事だ。

 まずは疋檀城に向かうか。そこまで出れば、敵の情報も入ってくるだろう。

 ……まてよ?


 「叔父上!一計を考えました……どうでしょう?」

 「いや、良いのではないか?バレたとしても加賀から後詰が来る」

 「ではやりましょう。敵も馬鹿ではない、物見くらいは放ってくれるでしょう」

 さて、上手く行ってくれれば良いのだがな。



永禄三年(1560年)四月、近江国、七里頼周――



 淡海乃海の水運を使って、一乗谷城を目指す奇策。あの仏敵である武田信親のお家芸、速攻奇襲をそっくり真似をしてやった。実に心地よい。

 まずは塩津浜付近で上陸し、一乗谷城目指して北国街道を進んだ。この道を進めば一乗谷の近くまで進軍できる。補給できる場所が無い山道なのが難点だが、そこは法主様が小荷駄隊を派遣してくれると仰っていた。ならば山道を急いで一気に攻め上がるのみ。途中で疋壇城から援軍が出て背後を突かれないよう、対策も練ってある。


 率いる兵は堅田門徒一千に石山から応援に来てくれた門徒が三千、都合四千。彼等は皆、武田の勢力拡大によって、いずれ石山を落とされる事を恐れて手を取り合っている。そして延暦寺の僧兵二千も、仏敵滅殺を目的として協力しているのだ。

 いわば延暦寺・本願寺・浅井同盟だ。浅井は六角を押さえる事で、武田への援軍を封じるのが役目。本願寺と延暦寺は武田の隙を突く。その為に共同戦線を張ったのだ。

 

 「物見を先行させつつ急ぐぞ!武田に気付かれる前に、鉢伏山を落とすのだ!」

 仏敵に仏罰を与えるべく、兵を進軍させる。この戦は速さが命運を分ける。少しでも急がねばならん。

 こちらの進行が早ければ、鉢伏山一帯の砦は守る事も出来ずに、降伏を余儀なくされるだろう。武田本家は丹後に出陣し、仏敵信親は越中へ出陣中。そこに我等が奇襲を掛けたのだ。援軍を呼ぶ前に鉢伏山を落とし、そのまま燧城まで駆け上がってくれるわ!

 昼夜を問わず進軍し、山道を強行する事、四日。やっと目当ての鉢伏城を視界に捉える事が出来た。


 「よし、全軍休憩だ。干飯で腹を満たせ!その間に物見は偵察だ!」

 周囲に物見を走らせ、情報を集める。本当ならすぐにでも攻撃したいが、疲れが溜まり過ぎだ。こればかりは仕方がない。時間を稼ぐ為の代償だ。

 物見が色々と情報を持って来る。鉢伏山一帯に、武田の兵が入っているという信じ難い情報が飛び込んできた。籠もっている兵の数は不明。臨戦態勢にあるのか、城には旗が翻っていたという報告があった。


 「馬鹿な!我等が来る事を読んでいたとでも言うのか!だが無視して突き進めば、背後から襲われる上に、後続の小荷駄隊の安全が確保できん。ここは落とすしかないか。明日、全軍で総攻撃を開始する。延暦寺の僧兵にも半分、こちらに回るように伝えてくれ。時間を掛ける訳にはいかんからな」

 「七里様。金ヶ崎に潜っていた者からの報告です。金ヶ崎城に『鏖』の旗が翻っていた、との事に御座います」

 「何だと?その物見を連れてこい。詳しい事を聞きたい」

 陣幕に入ってきた物見が言うには、出陣の準備を始めた金ヶ崎城に武田信親と思しき『鏖』の旗があったと言う。しかも信親と思しき、眼に目隠しをつけた武者が出陣したというのだ。

 (……おかしい。信親は加賀の差配を任されている筈だ。軍を率いた状態で偶然、一乗谷に居たとは思えない。恐らくは影武者だろう。となれば、こちらを揺さぶるのが目的か!)


 「御苦労だった。下がって休め」

 「七里様?」

 「恐らくは影武者よ。気にする事は無い。それに越中で一揆が起きている。加賀守という立場からしても、そちらを無視は出来んだろうよ。今晩は疲労を取る事に専念し、明日から攻め掛かるぞ」

 そうだ、恐れることは無い。夜が明けたら総攻撃開始だ。

 


永禄三年(1560年)五月、越前国、一乗谷城、武田信親――



 四月に事が起きる事を予測していた俺は、金沢で俺と共に留守をしていた者達を率いて加賀を出立していた。メンバーは軍配者である虎盛を筆頭に、三郎太、長次郎、ゆき。兵は火部隊の内、大楯と長槍を扱う者達一千と常備兵一千に陰部隊百。加えて風部隊が五十と言う構成だ。

 能登畠山方面の守りは勝家率いる二千。越中方面は光秀率いる火部隊(種子島と弓騎馬隊)二千が攻め入っている。陥落した拠点は孫次郎(小畠昌盛)率いる常備兵二千が安全を随時確保しながら、光秀を支援している。

 越中に関しては、光秀に任せておけば問題は無い。神保も真面目に頑張っているし、補佐役として竹中もいるからだ。だからこそ、後顧の憂いも無く、後詰要請に応える事が出来たのだ。

 正確には後詰要請が来る事が分かっていたからこそ、最初から信用できる奴を越中に派遣していた、というだけなのだが。

 

 越前に入った頃に、義信兄ちゃんが一乗谷へ送った使者が、更に加賀へ向かおうとしていた所に遭遇。その場で文を受け取り、一乗谷城に到着したのは五月二日。兵達の疲労を鑑みて、休憩を与えながら城に届いていた情報を確認していく。そこへ三条ママが姿を見せた。

 「二郎、太郎は大丈夫でしょうか?」

 「……これらの情報から判断する限り、敗戦と言うのは有り得ぬでしょう。兵数は敵が倍ですが、こちらには鉢伏山一帯の守りが御座います。それに一向衆は失策を犯しました。手堅く進めれば何の問題も御座いませぬ」

 「加賀守様の仰る通りに御座います。大方様は何の御心配もいりませぬ。御屋形様の元には、飯富殿もおられますし、典厩殿もついておられます」

 「そうですね。それにしても、戦とは何度味わっても不安を感じる物です」

 ふむ、三条ママを不安がらせるのも良くないか。三条ママは公家の出だしな。心の方はそんなに強くはないだろう。それに浅井家の戦の結果も届いている。仲裁する為の時間を作る為にも、さっさと戦を終わらせる一手が必要だな。

 ここで時間を掛けていては、本気になった六角家が浅井を潰しに入る。

 それでは武田の利を確保できないのだ。


 「長次郎!風に働いてもらう時が来た!鉢伏山を攻めている一向衆の坊主に、近江方面から来た『急使』として接触するのだ!浅井が裏切り、北国街道を封鎖する為に出陣した!浅井は武田に与した、とな!」

 「お任せ下さい!」

 「それ以外の風は、門徒兵に紛れ込んで噂を流せ!仏敵信親は堅田に使者を出した。降伏の条件は一向門徒全ての命!飲まねば堅田を焼き尽くすと宣言した、とな!そして夜闇に乗じて、堅田を助ける為に逃げ出すよう煽動しろ!その上で風が率先して逃げ出せば、不安に感じた者達が徐々に逃げ出していく!」

 風の最大の武器。それは出自だ。

 孤児。奴隷。流民。捨て子。皆、その気になれば一向衆に紛れ込むのは朝飯前。何せ、演技せずとも、普段は取り繕っている言動を取っ払えば、百姓丸出しになるのだ。それは門徒にしてみれば、周りにいて当然の者達。故に、簡単に紛れ込めてしまう。


 「虎盛、本日中に触れを出せ!俺が報復の為に『堅田』に出陣する、とな!同時に堅田へ降伏勧告の使者も出せ!条件は一向門徒全ての命!期限は五月末日まで!老若男女の別なく差し出せ、呑まねば堅田を焼き尽くす!更に民にも触れ回るのだ!越前に忍び込んでいる、一向衆の草の耳にも入るようにな!」

 疋檀城には百戦錬磨の叔父上がいる。使者を出して、俺が堅田での出陣と言う偽情報を流した上で、鉢伏山へ向かっている事を伝えておく。併せて、浅井が裏切ったという偽の使者を送った事を伝えれば、叔父上なら適宜判断をしてくれる。

 だがそれだけでは俺が到着するまで戦は続く。それよりも早く戦を終わらせる為には、こんな筈では無かった、と不安にさせれば良い。


 その為の第一手が浅井の裏切りという流言工作。背後を塞がれた、逃げ場が無いという不安感が門徒兵を襲う事になる。

第二手が堅田への出陣という情報。自分の家族の命が、同じ堅田の住人によって奪われるという危険を耳にした時、出陣した門徒共はどう思う?それでも坊主の命令に従い続けられるか?

 間違いなく、不安から内部分裂を起こす。俺の悪名には、それだけの重みがあるからな。 

さあ、連中はどう出る?


 「虎盛!まずは燧城経由で鉢伏山へ向かうぞ!叔父上や飯富なら、後背を突く為に東へ向かい、北国街道を逃亡中の門徒達に襲い掛かってくれるだろう」

 「心得ました、しかし延暦寺には使者を送らぬので?」

 「送る必要は無い。皆殺し確定だからな。時間の無駄と俺が決めた。その事も流布させろ」

 これが第三手。延暦寺の僧兵共も慌てて兵を退こうとするだろう。だが兵が帰る事は不可能だ。最短経路で帰るには、疋檀城を落とさないと帰れない。反転すれば城兵達に背後から襲われるだけ。それも川の流れる狭隘の地で、だ。だがそれでも奴等は反転せざるを得ない。地の利を無視した軍略のツケを払ってもらおうか。保身の為に朝廷や幕府に工作を頼むだろうが、それは甘い事を骨の髄まで刻み込んでやる。

 そして延暦寺には贄となって貰う。愚かな犠牲者を増やさぬ為に。

 あと重要な事を忘れていた。親しき仲にも礼儀あり、と言うからな。筋は通しておかないといかん。


 「ゆき。誰か適当な者を使者として六角家に送ってくれ。伝える内容は……だ。もし六角が文句を言ってきたら、その時は素直に引き下がってきてよい。それから三好と京の信虎御爺様にも使いを。見せしめの為に延暦寺を焼き討ちにする、と伝えるのだ。事情を訊ねられたら説明してやってくれ。後は相応に動いてくれるだろう」

 「浅井はどうされますか?」

 「今は敢えて無視だ。馬鹿共との同盟が表沙汰になっていないからな。留守の者に、浅井から使者が来たら、俺に追いついて報せるよう指示を頼む。さあ今晩は体を休めるのだ。明日から忙しくなるぞ」



永禄三年(1560年)五月、越前国、鉢伏山、七里頼周――



 山の木々が青々と茂るようになった鉢伏山に攻め掛かって、既に半月。

 未だに城を落とす事は叶っていない。

 それは全て、鉢伏山に籠もっていた兵の数の為だ。

 

 「間違いなく二千は籠もっている。最悪だな」

 こちらは都合五千。城を攻めるには三倍の兵が必要と言う常識からすれば、厳しくはあるが、こちらの勝利は間違いない。

 だがこちらの真の目的は、電光石火の行動により武田の留守を突いて一乗谷を落とす事だったのだ。後続の安全確保の為に鉢伏山を攻め落とそうとしたのだが、半月も足止めを食らっている。どう考えても作戦は失敗したと認めざるを得ん。

 その上、近江から来た『浅井の裏切り』を報せる使者。疋檀城から出陣した典厩信繁の率いる兵が北国街道の高所を陣取り、こちらに圧を掛け始めた現状。更には仏敵信親が、鉢伏山を無視して、堅田に向かったという報せ。

 

 有り得ない。味方である鉢伏山を見捨てて堅田侵攻など有り得ない!

 だが一乗谷に潜り込ませていた草は、信親が堅田侵攻を宣言したという報告を届けてきた。燧城経由で敦賀方面へ向かい、そこから塩津街道を南下して塩津浜から堅田へ向かうつもりなのだろう。それが最短経路なのだ。

 何故なら塩津浜には……

 

 「塩津浜には我等の乗ってきた船が置いてある」

 主のいない船を奪い、一路堅田へ。やってやれないことは無い。

 そして堅田も武田に敵対してまで我等に味方するか?門徒ではない堅田の住民にしてみれば、武田の侵攻に対して命を捨ててまで徹底抗戦するとも思えん。

 あの仏敵は堅田の門徒を皆殺しにする事を命じたという。それも今月の末までに。


 決断せざるを得ん。

 「全軍撤退する」

 「宜しいので御座いますか!?」

 「仕方あるまい。鉢伏山に多数の兵を入れられていた時点で、こちらの策は失敗していたのだ。門徒達は流民のフリをさせて、バラバラに逃げさせろ。我等は囮となって北国街道を塩津浜目指して撤退する」

 坊主の身では目立ち過ぎる。流民のフリをして逃げられなくもないが、生きて戻った所で敗残の将として責任を取らされるだけだ。

 ならばせめて、教えに忠実な門徒達の盾となって死んでやろう。

 改めて、近習の者達を見回す。彼等には悪いが、共に盾となって貰おう。


 「酒を用意せよ。末期の酒だ。共に酌み交わして、明日は囮となって共に暴れよう。そして仏様の前で、再び会おうではないか」

 

 

永禄三年(1560年)五月、近江国、小谷城、浅井賢政―



 六角家との戦いは一日で終わった。浅井独立を賭けた乾坤一擲の勝負は、浅井の勝利で終わったのだ。

 浅井家の最後の突撃を、左京大夫(六角義賢)様は無理に持ち堪えようとせず、宇曾川に沿って東へ下るように撤退したのだ。更に後藤但馬守(後藤賢豊)率いる二千の兵が、左京大夫様をお守りする為に決死の突撃を敢行。残念ながら、御首を挙げる所にまでは至らなかった。

 意気揚々と攻め掛かっていた摂津守(目賀田貞政)と山城守(進藤賢盛)、大和守(山中俊好)は急報を受けて兵を返そうとしたが、そこに浅井家先陣が復讐鬼となって襲い掛かり、思う存分、食い荒らす事に成功した。六角側の戦死者は二千。浅井側は五百。

 

 周辺国人衆は、浅井家に靡いてきた。特に坂田郡の南に接する犬上郡の国人衆の存在は大きい。これにより、坂田郡の守りはより強固となり、美濃へ出陣中の蒲生下野守(蒲生定秀)は一層の孤立を余儀なくされている。

 左京大夫様は蒲生下野守を救う為にも、必ずこちらに攻め込んでくる。仮に左京大夫様が気付かずとも、両藤と呼ばれる知恵者二人がいるのだ。美濃と浅井が絡んでいる事には必ず気付く。そうなれば蒲生下野守の命は風前の灯火。一刻を争う状態だと判断するだろう。

 だが兵を出そうにも、犬上郡、坂田郡を落とす必要が有る。その為には相応の兵と糧食が必要だが、肝心の糧食を野良田の戦いで戦場に放棄して逃走を余儀なくされているのだ。準備にはそれなりに時間が掛かるだろう。

 浅井としては、左京大夫様が再度、兵を挙げる前に武田に仲裁に入って貰いたいのだ。その武田は、本願寺と延暦寺が引き付けていたのだが、どうなったのやら。


 「殿、鉢伏山に向かっていた草が戻りました」

 「美作守(赤尾清綱)か。報告を聞かせろ!」

 「鉢伏山は地獄絵図となりました!門徒兵が皆殺しにされたとの事!」

 何があった!皆殺しとは尋常ではない。

 確かに皆殺しの信親は冷酷非情。実行したとしても不思議はないが、今やる事ではないという事ぐらい、理解している筈だ。

 最も重要なのは時間なのだから!


 「一向衆の大将、七里頼周は味方の坊官に殺された模様!坊官と延暦寺の僧兵は夜闇に紛れて鉢伏山から逃走!取り残された門徒兵は指揮官を失い混乱状態に陥りました!そこに燧城経由で救援に来た加賀勢と鉢伏山の守備兵により、一気に圧し潰されたとの事に御座います!」

 「……なるほど。確かに、それでは仕方がない。皆殺しにするのが最も手っ取り早いわ。肝心の大将が裏切りに遭って殺され、混乱した門徒兵だけが取り残されたのではな。信じていた坊主に見捨てられ、皆殺しの信親が攻めて来たと分かれば、門徒兵も逃げ出すだろう。それで加賀勢はどう動いている?」

 「疋檀城の兵二千を加えて、堅田へ向かっております!塩津浜に残されていた一向衆の使用した船を使って、攻め込むつもりと思われます!」

 堅田への報復か。ならば俺自ら途中で合流して、話をするべきかもしれん。

 

 「ですが、それだけでは御座いません!武田は延暦寺の焼き討ちを行う、との事に御座います!」

 「詳しく説明せよ!」

 草からの報告によれば、武田は見せしめの為に延暦寺にまで攻めこむ、との事だった。

 まさに皆殺しの信親の面目躍如と言った所か。

 石山はまだしも、延暦寺は欲を掻いて身を滅ぼしたな。まあ浅井が声を掛けた訳ではないのだ。俺が気に掛ける必要は無い。


 「申し上げます!」

 「どうした、喜右衛門(遠藤直経)!」

 「ただいま、武田加賀守信親様の家臣、風祭長次郎為好殿が来られました!殿に密書を持ってきた、との事!」

 「すぐに通せ!」

 通されたのは、まだ二十代。俺より十歳ほど年上の男だ。

 やや小柄で戦働きは不得意そうに見えるが、他の才を持つからこそ、加賀守様に仕えているのだろう。


 「私が浅井新九郎賢政だ。早速用件に入ろう。密書を見せて貰おうか」

 「はは。こちらに御座います」

 気が急いているのを自覚しながら、文に目を通していく。

 内容は対六角家を想定した時間稼ぎの策について。

 ……可能だ。これなら今の浅井家でも実行できる!

 何より、それすらも隠れ蓑とした謀略には、舌を巻くしかない。これなら国人衆達も受け入れやすいだろう。


 「風祭殿。加賀守様に、某が感謝していたとお伝え願いたい。そしてどうか、宜しくお願い致します、と伝えて戴きたい。加賀守様にはそれで伝わる筈」

 「心得ました。主には必ずお伝えいたします。それでは失礼させて戴きます」

 「美作守!兵を集めよ!坂田郡と犬上郡に浅井の武威を知らしめる為、兵を率いて領内を行軍する!各地に報せを出せ!そして草を使い、観音寺城下町にその事を噂として流すのだ!」

 攻め込むのではない。あくまでも武威を知らしめるだけだ。

 国人衆が浅井に寄っている。それが左京大夫様に伝われば、あの御方の事だ。拙速に逸る事は決してしないだろう。

 稼ぐ時間は一月も有れば十分。その間に、加賀守様が仲裁に入れば浅井の勝利だ。


 「喜右衛門、竹生島の父上にこちらへ戻る様に使いを。俺が行軍で不在の間、留守は父上に頼むのだ」

 六角に臣従していては、浅井もそう長くはない。六角義治は頼りに出来んからな。

 それに北近江の地の利は武田にとって大きな価値がある。北近江は越前の盾に出来るからだ。それは武田にとって、命綱が増えるような物。

 加えて、浅井の勝負強さを六角相手に示してみせた。

 ここが勝負所だ。何としても勝たねばならん。浅井家存続の為に!


 「更に追加で、草に南近江全体で流言工作を仕掛けろ。義治の戦下手ぶりをな。格下の浅井一つ、まともに相手も出来ん程度だと」

 これで六角は内部分裂を起こす。仲裁後、先を見据えてじっくり構える当主と、憎き浅井を倒して手柄を挙げようと暴走する後継ぎとの間で。それは武田にとっても旨味のある話だ。勝算は十分にある。

 それともう一つ、やらねばならぬ事がある。

 幸い、加賀守様に会うのだ。確認するだけしてみるか。

 加賀守様と左京大夫様の仲の良さは周知の事実。万が一、という事は無いだろう。



永禄三年(1560年)五月、近江国、観音寺城、進藤賢盛――



 「延暦寺攻め!?」

 観音寺城に加賀守(武田信親)殿からの急使が届いた。

 内容は延暦寺と堅田に対する懲罰の為に、加賀守殿を総大将とする四千の軍勢が、高島郡の領内を通過する事を認めて頂きたい、という内容だった。

 使者に問い質した所、浅井との戦いの裏で、淡海乃海を利用して堅田の一向門徒と延暦寺の僧兵、合わせて六千が越前へ侵攻していたと言うのである。

 加賀守殿の狙いは堅田一向門徒全ての命と延暦寺焼き討ち。加賀守殿の豪胆さは知っていたが、まさか国家鎮護総本山の焼き討ちまでするとは思わんかった。


 「馬鹿者か、一向衆も延暦寺も。そんなことをすれば、加賀守殿が見せしめの為に全滅させようとするぐらい、理解出来て当たり前だろうに」

 後藤但馬守殿が呆れたように首を左右に振っている。全く以て同感だ。延暦寺は大失態を犯したな。

 「加賀守様は堅田に対して降伏勧告も行っております。一向門徒は老若男女の別なく、堅田の民の手で皆殺しにする事。一向宗の寺、全ての廃棄。年一千貫文の支払いを武田本家に対して二十年続ける事を求めました」

 「厳しい内容だな。だが全滅よりはマシか。それに淡海乃海から一向衆勢力が消えてくれるのは、六角家にとっても有難い事ではある」

 左京大夫(六角義賢)様は領内通過を認められるようだ。天文法華の乱もそうだが、仏僧共が力を持つと碌なことにならない。

 すぐに暴れようとする前に、少しは考えろと言うのだ。


 「お待ち下さい、父上。ここで通過を認めて延暦寺焼き討ちをさせてしまっては、六角は片棒を担いだと言われますぞ?」

 「構わぬ。そもそも武田家と矛を交えるつもりはない。それに延暦寺は六角にとっても目の上のたん瘤でもある。第一、延暦寺の僧兵共がまともに仏の教えを実践しているとでも思っておるのか?伝教大師は酒も女も認めてはおらんぞ?」

 「そうは申しますが、中には真面目に仏に仕えている者もいる筈です!」

 右衛門督様の悪い癖が出たな。武田に対する嫌がらせであろう。武田の勢力拡大が面白くないのだろうが、ここは武田に譲るべきだ。

 浅井の件もある。今は武田の協力が必要なのだ。

 チラッと周りを見やれば、儂に向かって頷く者。小さく溜め息を吐く者。

 行動に違いは有れど、皆、武田に譲るべきと判断したのだろう。


 「右衛門督様!ここは武田家の要請を受け入れるべきに御座います!」

 「但馬!其方も武田に味方するのか!」

 「違います!六角家の為に御座います!」

 後藤殿を皮切りに、皆で右衛門督様を説得するが、右衛門督様は半ば意地を張っておられる。これはまずい兆候だ。主従の間に妙なしこりが残ってしまう。


 「兄上!我が儘を言うべきでは御座いませぬ!下野守(蒲生定秀)を見殺しにせよと仰るのですか!」

 「次郎(六角義定)!その言い草は何だ!」

 「何度でも申します!家臣を見捨てる男に、六角家当主を務める資格は御座いませぬ!かつて加賀守殿が教えて下さいました!三国志の公孫瓚の最期を忘れてはならぬ!一人の家臣を見捨てた為に、公孫瓚は家臣全てに見限られて命を落とした!そのような愚行は決して行ってはならぬ、と!」

 なんと、加賀守殿はそのような事まで教えておられたと言うのか。

 確かに公孫瓚の最期は主従の姿として、重要な事を教えている事例ではある。

 特に次郎様は、下野守殿をよく傍に呼んで、色々と質問をしていた事は知っている。守役でこそないが、次郎様にとっては師のような存在だ。そんな下野守殿を見殺しに出来るような御方ではない。

 惜しい。何故、この御方が嫡男ではなかったのだ!


 「次郎!そこになおれ!」

 「止めんか!他家の使者を前に、愚かな振る舞いを晒すでない!右衛門督!家臣の命を軽々しく扱ってはならぬ!次郎、其方は弟だ!諫言は重要だが、言い方と言う物も有る!互いに控えよ!」

 仲裁に入られた左京大夫様の言葉に、御二人とも激情を押さえられた。

 しかし、本当にどうした物か。六角家の先行きに不安しか感じぬわ。


 「恐れながら申し上げます。六角家の事情は理解出来ました。武田家としては今回の要請は無かった事にさせて頂きます。それで宜しいでしょうか?」

 「おお、重畳重畳。分かってくれたか」

 「いえ、加賀守様はこのような事態を考えておられました。故に、無理そうなら引き上げてこいと仰せつかっております。左京大夫様には、民を傷つける事はせぬ、それだけ伝えるように、と。それでは失礼致します」

 ああ、そう来たか。今荀彧の知恵は尋常ではない。どちらでもよいように、対応していたのだろう。

 堅田までの陸路が駄目なら水路で。

 堅田はそういう土地だ。あとは堅田から延暦寺までの土地だが、あの豪胆な加賀守殿の事だ。民には傷をつけない、という最低限の礼儀は守った上で、比叡山まで強行突破を図るのだろう。

 六角家としては複雑だが、左京大夫様なら見て見ぬフリを為される筈。それぐらいには加賀守殿の事を信用しておられるからな。


 「延暦寺を攻めると申すか!」

 「懲罰を与えると加賀守様は申しておりました。神仏など存在せぬ。敵は全て皆殺しだ、と」

 「領内は通らせぬ!通らば武田の宣戦布告とみなす!比叡山にも使いを送るぞ!」

 「義治!大概にせんか!」

 危険な状態だ。六角は同盟国である武田の要請を拒んでしまった。これでは武田に譲らねばならなくなる時が来る。それも拒めば、最悪、同盟破棄も考えられる。

 同盟とは互いに利が無ければならぬのだから。

 それを右衛門督様は理解できないのだ。これは早く加賀守殿にお会いして、溝を埋めなければ。


 「使者殿!要請の件は六角家当主、左京大夫義賢の名において認める。ただ加賀守殿に伝えて貰いたい。罪の無い民には傷をつけない。その約束を信じている、と」

 「心得ました。必ずお伝えいたします。それと主から、もう一つ、言伝を預かっております。事を終えた後、観音寺城に寄らせて戴きたい、と。五月末までには寄るので、どうか御承知頂きたく願います、と」

 加賀守殿が来る?このような時に?

 皆、目を丸くしている。左京大夫様も少し驚かれたようだが、頷く事で了承の意志を示された。

 使者は立ち去った。だがまずは右衛門督様を鎮める事が大事だ。六角家で内輪揉めを起こさせてはならぬのだから。



永禄三年(1560年)五月、美濃国、府中城、蒲生定秀――



 「やれやれ。まさかこのような事態に陥るとはな」

 具足を纏って一ヶ月。時が経つのはあっという間だ。

 物見櫓から見える周囲の山々は、青々とした葉を茂らせている。何となく、故郷の日野にいる幼い孫達を思い出してしまった。

 上の孫は御爺様、下の孫はじじ様と舌ったらずな声で呼んでくれる。儂の窮地を耳にして不安に感じておらねばよいのだが。


 「いかんな。今は戦の最中。そのような事を考えてはならん!」

 西美濃国人衆の裏切りが発覚した後、儂は西美濃の完全掌握に乗り出した。

 だが、その最中にまさかの御家の敗北の報。近江に通じる不破関は坂田郡を有する浅井家によって封じられたのだ。

 直後、美濃国人衆からの猛攻撃が始まった。


 「兵糧の確保だけで精一杯とはな。小荷駄隊も近江からは来られん。左京大夫様が坂田郡を奪取するまで、何とか持ち堪えねば」

 北方城のままでは四方八方から攻撃を受ける。その事を案じた儂は、西にある府中城にまで下がったのだ。

 南に十町ほどの所にある垂井城に嫡男藤太郎(蒲生賢秀)を大将に、次男青地茂綱を補佐役として兵二千。ここ府中に儂を大将に三男小倉実隆を補佐役として兵二千と傷病兵三百。残り七百は戦場で散るか、逃走した。

 

 「それにしても想定外の事ばかり起きてくれたわ。西美濃制圧は間違いなく堅実な方策であった。だが美濃南部の制圧が正解だったとはな」

 美濃南部にいたのなら、恥を忍んで尾張経由で帰国も可能であった。

 儂と加賀守(武田信親)殿との仲はそれなりに知られている。頭を下げれば、断られるような事も無かっただろう。

 だが、それも全ては事が終わったから言える事。神仏であったとしても、見抜けた筈が無いのだ。


 「父上、今後の方針で御座いますが」

 「籠城の一択よ。六角家の所領は浅井の四倍だ。時間を掛ければ坂田郡を奪い取り、援軍を送る事も可能。そうであろう?実隆。ただ問題は兵糧だな」

 最後の小荷駄隊が持ってきた兵糧。北方城で奪い取った兵糧。府中城と垂井城にあった兵糧。これで遣り繰りしないとならぬが、精々、二ヶ月分と言った所か。

 七月に入ったら、息子達と合流し、坂田郡の強行突破を仕掛ける事も視野に入れておかねばなるまい。

 

 「まさか北方城での裏切り者抹殺が裏目に出るとはな」

 あの時は正しい選択であった。だが状況の激変により、美濃北部と南部の勢力が儂の抹殺に乗り出してしまったのだ。

 生き延びた安藤や氏家、稲葉を中心に兵三千ほどが府中城を取り囲んでいる。垂井城も同じように取り囲まれている。

 それでも襲い掛かってこないのは、こちらの兵糧という弱点に気付いているからに違いない。


 浅井もそうだが、美濃の裏切り者連中は決して許さぬ。必ず生き延びて、己の悪行を後悔させてやる。

 だがそれも、この窮地を凌いでからだ。


 「好機は一度だけ。実隆。今は傷病兵を一人でも良いから回復させよ」

 「心得ております……父上?」

 「兵を激励してくる。席を外すぞ」

 籠城戦の最大の敵は、士気の減衰だ。心が折れては、兵は戦えなくなる。

 特に今は近江との連絡を絶たれた状況。だからこそ、出来る事は全てしなければならんのだ。

 儂が踏み入ったのは、傷病兵を寝かせている一画だ。唸り声が鼓膜を叩き、血臭と悪臭が鼻を刺激する。

 

 「殿!ここは」

 「気にするでない。戦場にあっては、大将も兵も一蓮托生よ。それより皆に伝える事がある。楽な姿勢で聞くのだ。良いな?」

 ここの責任者らしい、若い侍が『ははっ』と応えた。

 年の頃はまだ二十にも届いておるまい。こんな負け戦に付き従わせた事に、若干の罪の意識を感じた。だがすぐに頭を振って、意味の無い事だと意識を切り替える。

  

 「何としても生きて近江へ帰るぞ!生きて帰った者には、儂が褒美を取らす!だから決して死ぬな!生きて褒美を掴み取ってやる!皆で褒美を掴み取り、蒲生家の蔵を空っぽにしてやる!それぐらいの気概で生き延びるのだ!」

 「殿!」

 療養中の兵達からも、小さくはあるが、儂の冗談に応じるかのように小さな笑い声や、鬨の声が上がってきた。

 何と頼もしい連中だ。これは褒美を弾んでやらんとな。


 今回もお読み下さり、ありがとうございます。


 まずは義信兄ちゃん視点での、一向衆越前侵攻の件。

 でも昨年の内に浅井から主人公が話を聞いていたので、全て対応済という有様。最前線の拠点となる疋檀城と鉢伏山には、すでに兵が詰めていました、というオチ。

 鉢伏山の各砦(某、近江の覇王作品では築城していましたが)は、南北朝時代から砦があったというのが定説らしいので、この作品では砦が築かれていた、という事にしています。

 あと本当なら最前線になる玄蕃尾城は、史実では賤ケ岳の戦いで勝家が築城した物らしいので、この時点では存在していません。


 今度は逆に一向衆視点から。

 琵琶湖の水運からの強行軍による奇襲攻撃を肝とした作戦。ですが浅井が一向衆の狙いを武田に売っていたとは露知らず、という有様。のっかってしまった延暦寺は、北国街道へ疋檀城からの援軍が来る事を防ぐ為に、僧兵一千を押さえに出しています。イメージとしては、北陸自動車道の刀根PA周辺に陣取ってます。残りは門徒と一緒に鉢伏山。

 七瀬さんは義信兄ちゃんの影武者の策も読み切って、しっかり対応。

 ホント、浅井に裏切られていなければ、ねえ?


 そして遅れて一乗谷へ到着した主人公視点。

 短期決戦での勝利を掴む為、主人公は流言工作とハッタリ(浅井による北国街道封鎖)を中心に門徒兵の瓦解を目論みます。

 『お前達の家族(堅田)の命は預かった。家(堅田)に火を放ってやる』

 やってることは悪党です。殺人放火事件発生、誰かポリスメンを呼んで下さいw


 そして再び七瀬さん視点。

 鉢伏山で足止めされ、作戦失敗。流言工作やらハッタリやらで、もう無理や、と判断。せめて門徒の命だけでも、そう思って最後の宴を開くのですが。

 まあ御約束ですよね♪


 ここで賢政視点。

 鉢伏山大虐殺の報告に『信親さん?そんな暇あるん!?』といきなり大困惑。でも頭が逃走してしまい、降伏勧告が無理なら潰すしか無い訳で。逃げてくれれば御の字、という所。

 七瀬さんが踏ん張る事が出来ていれば、大虐殺は起きませんでした、というIFになります。

 そして時間稼ぎの為に、主人公の入れ知恵開始。

 これはいずれ書く事になります。


 今度は六角視点。

 案の定、みんな大好き義治君の大暴走開始!そして弟、次郎君が我慢できずに行動し始めます。

 今の所、不在の蒲生さん、三雲さん、進藤さんが次郎寄り。後藤さん、目賀田さん、平井さんは中立と言うか『御屋形様に従います』という感じ。

 義賢パパは思わぬ兄弟喧嘩に激怒。武田を敵に回しちゃいかん、という現実がしっかり見えています。

 主人公の訪問については、次回の予定。


 最後に蒲生さん。

 正確で的確な判断が、野良田の戦いの影響で全て裏目に出るという笑うしかない事態に陥っています。

 美濃三人衆は全員が生存。美濃北部と南部の国人衆が『蒲生抹殺』をお題目に動き出した感じです。ちなみに書いてはいませんが(蒲生さん視点では分からんから)東美濃は膠着状態です。

 今は関ケ原の東に陣取ってるような感じ。南北に兵を分けて、相互に支援し合うイメージでしょうか。この辺りって、城が少ないんだよね。

 敗軍の将となりつつありますが『まだだ、まだ終わらんよ!』と言った感じで〆。


 それでは、また次回も宜しくお願い致します。


 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 蒲生爺ちゃんみたいな逆境でもジョークを言える人に下は着いて行きたい。 ところで六角家の平井さんは確か加賀守が名乗りだったような。 信親と同席する時に周囲はどう呼ぶのか(呼び分けるのか)、少し…
[良い点] 信親様が植えた不和の種が芽吹き始めた事。 しかも義治君寄りの味方がおらん……マジカル・ヨッシー・シャイニングさん、出番ですよ(笑) [気になる点] 信親様が浅井家に授けた策の内容。 [一言…
[一言] まさに大戦略!面白いわ~ 主人公は見事、比叡山を焼くことができるのか!? 楽しみだな~ そして六角サン、いい感じに内紛してる。 嫡男さんは、そんなに比叡山や堅田Loveなの? どう見ても、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ