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3話 いつかは交差する想い

※たいあっぷにも掲載しています。現在イラストレーターさん募集中です!

https://tieupnovels.com/creator/user/Tamago_atama

「それで、話って何?」


 私は香織の相談を引き受けた。他の人には相談できない内容だとか。なんで私になら相談できるんだろう?


「相談というのは、恋愛のことでね……」

「なるほどね。恋バナってなかなか他人には話せないもんね。ていうか、やっぱり好きな人いたんじゃん! で、相手は誰よ? 同級生? 先輩? 私たちは一年生だから後輩ってことはなさそうだけど」

「同級生なんだけど、わたしの場合は普通とは少し違くて……」

「恋愛なんて人それだから普通なんてないよ。同級生か。てことは、あの人とか? ほら背の高い眼鏡の人! ちょっと目つき怖いけどさ。周りで結構人気じゃん」

深海ふかみくんのこと?」

「そうそう! その人! ちっちゃい男の子と一緒にいることが多いよね。めっちゃ可愛い男の子。ほんとに男なのかね?」

「そっちは中村なかむらくんだね。でも、そうじゃないんだよ。わたしの好きな子ってのは女の子なんだよね」

「へ?」


 間の抜けた声が出てしまった。


「だから、わたしは女だけど女の子が好きなの!」


 もう一度香織が言う。今度はしっかりと聞き取れた。


「えっと、ちょっと待ってね……。女の子どうしで付き合いたいってこと?」

「うん。そうだよ」


 そう言いながら、香織は少しうつむく。ちょっとドキッとした。


「相手は……。聞かない方が良いよね」

「うん。決心がついたら伝えるね」

「わかった。上手くいくといいね。応援するから!」

「ありがとう。話したらすっきりした。そうだ、この前のお菓子を作り直してみたんだ。ココアパウダー多めで」


 香織は鞄から小さな袋を取り出す。可愛くラッピングしてある。香織らしい。


「覚えてたんだ。ありがと」

「この前、優夏は言ってたよね。『好きな人に聞けばいいじゃん』って。わたしは好きな人に聞いてるんだよ」

「え? それって……」

「あ、親友としてだよ! あくまで親友として!」

「そうだよね。びっくりしたー。あはは」

「ごめんね。びっくりさせて。じゃあ、そろそろ帰ろっか」

「うん」


(まさか香織も女の子が好きとはねー。ていうか何さっきの!? 告白かと思っちゃったじゃん! でも、好きな相手に恋愛相談なんてしないか。相手は誰なんだろう? マヤとかかなー。この前かっこいい人に憧れるって言ってたし)


(結局、優夏にちゃんと好きって言えなかったな。恥ずかしくなって話をはぐらかしちゃったし。でもお菓子は渡せたし良しとしようかな。いや、ちゃんと言わなきゃ前に進めないよね。うん。頑張ろう)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初はどちらかの子が男の子なのかな? なんて思いながら読んでしまう自分はふうわりと優しい文体で描かれるタマゴあたま様の作品の彼女たちに怒られてしまいそうですね。 知らない両思い。 いつまで…
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