魔器の存在
そして僕は武器譲渡室に着いた。当然ながら僕以外にも何百人もいる。武器譲渡室とは簡単に言えば魔法騎士の武器を授かるところだ。武器の強さや種類はローの質で決まる。ところが質があまりにも悪いと武器が来ないでそのまま帰される。これもまた厳しい現実だ。「静粛に。武器譲渡室の支配人の志崎だ。今から君たちのこれから使う武器・・・・通称魔器を選んでもらう。自分のローにあった魔器ならば共鳴して自分自信が光だしそれと同じ色に武器も光る。それが君たち一人ひとりの魔器だ。手に取って埋め込まれたコアに手をかざせば自分がどんな魔法を使うかわかる。」話が終わると室内の皆が一斉に魔器を見つけようと動きだした。「へーこれが俺のかー」、「この剣から炎出たぞー!」、「この魔器変な形してるぞ?」室内の人は次々と魔器を見つけ始める。「さてと、そろそろ俺も探すか」そう思い魔器を探すと自分と同じ色に輝く細く長い剣を見つけた。長さは普通の剣よりやや長めだが恐るべきはその軽さだ。細いだけじゃなく恐ろしく軽い。「だいたい皆魔器を手に入れたかい?自分と同じ色の魔器が見つからなかった人は帰っていいよー」そんな軽い口調で不合格を言い渡された者たちは先程の奴を思い出しそそくさと帰っていった。「残った人達はコアに手をかざして。そうすると自分の魔法がわかるんじゃないかな?正確には称号と言うのかな?炎魔法なら炎使い、水魔法なら水使いと書いてあると思うよ。称号の下に魔法の発動条件や必要なロー、現在使える技とかが書いてあると思うけど。わかんない人は質問に来てねー。」室内の皆は自分の魔法がわかると興奮して声を上げていた。「よっしゃー!炎使いだー!」、「何だこの技?」、「必要なロー多すぎ!」みんな口々に思うところを述べているのだろう。僕も自分の剣に手をかざし魔法を調べた。・・・・称号・・選択者・・・・魔法・・選択魔法・・・・技・・選択権の行使・・・・必要ロー・・0 少し異常な魔法や称号に何をどう反応していいかわからず支配人まで質問に行けなかった。「大体の人が自分の称号と魔法等がわかったね。それなら今から君たちはこの魔法騎士育成高等学校の一員だ。今室内にいる全員友でありライバルだ。お互い高め合いそして国のために尽くしてくれ。それでは・・・あ!そうそう、魔法の使い方を知りたい奴や試し打ちしたい奴はこの先に第7訓練所があるからそこに来いよー。」そう言って支配人は、さっきまでいたはずの場所から一瞬にして消えた。
その後は、スタッフらしき人が学校案内をしてくれて全員寮の部屋に案内された。わかったことは、この学校は全寮制であり3年間家に帰れないこと。授業は現実世界と同じ進度で進めること。そして、1年生は3日後にリーグ戦形式の試合があるということくらいだ。悩んでいても仕方ないので僕は第7訓練場に向かった。
「みんなよく来た!私が試射を見守る彰音だ!魔法が打ちたいやつは壁に向かって思うような魔法を使ってみろ!びっくりするぞー!使い方の分からんやつは俺のところまで来い!全員にまとめておしえてやる!」僕も魔法の使い方の分からない者の内の一人なので教えて貰いに行った。「騒がしい先生だな」突然男が話しかけてきた。こんな状況で勇気をだして話しかけたんだろう。応えてやらなくては可哀想だ。「全くだ。試験管といいここの教師はうるさいのばっかだな」そういうと男は笑った。「俺の名前は子安 奏。お前は?」「僕か?僕の名前は埜上 新樹。よろしくな」「ああ。やっぱりお前も魔法についてはここに着いてから知ったって感じか?あの意味不明な招待状に招かれて。」「うん。そんな感じにしても入ってから誰とも話せなくて。友達が出来て良かった。」「それは俺も同感だ」こうして初の友達ができた。