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まなざしの監獄

アバーナス湖なるほとり

赦免の砂金を

納屋のものども売り捌く。

あるいは火のため

ひいては水のため

水夫は川をのんだのである。


子よ

凍えた指のさきには

だれもおらず、

しかしてだれかのかげを

手繰り、

揃えて並べてたたせて

べつの掌で砂をつかみ、

つかんでは投げ、

投げてはつかんで

形なきものを在るように

あるものはきわめて歪ませ、

凭れ掛かろうと

誹謗しようと

産声をあげた

真名もしらぬ

ぺてん師に

犯され孕んだ

怒り。

魂の苦悩。


信仰なき者は異教徒、

袂を分かつ者は背信者、

分け隔ては嘘つきにだけほほえむ

だのに慈悲は

死者の魂にもひとしく

与えることを欲するのか。


口は、悪態が

たちまち外道へ誘う

なれば

幸福にくちづける為に。

理を埋葬する

ただ一つの

敬虔な真理なのだから。

参考文献:

ビアス著・奥田ほか訳『悪魔の辞典』角川文庫

加藤久雄『新訂版 ポストゲノム社会における医事刑法入門』東京法令

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