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泥を被る役

 私はどろどろした黒漆の中に棲むそして固まる。

 どろどろした黒漆の中に閉じ籠る私はそこに棲む。

 あるとき私は溶け出して外に出るそしてどろどろする。


 私はどろどろした黒漆を滴らすそして人と会う。

 そぞろ避ける人々は口々に言うどろどろした黒漆の私、

 漆は触れると爛れる恥を知れ汚らわしい穢れ気味が悪い。

 私は黒漆をしたにどろどろ垂らすそして池に行く。

 薄ら笑う池はぐちぐちと言うどろどろ垂れた黒漆に対し、

 漆は溢れると汚れる消えうせろ汚らしいきみがわるい。

 私が悪いのかそうだ君が悪いんだきみが悪いから悪いのだ、

 私が悪いのか私のなにが悪いのか私のなにかがわるいのだ。

 そのとき私は駆け出して池に逝くそしてどろどろするのだ。


 私は池をしたに覗くどろどろのしたに私の顔がある、

 爛れた顔がある池の中に黒漆にどろどろ塗れたことによる。

 漆は触れると爛れる私よ恥を知れ穢れた私 私が悪い。

 私はどろどろした黒漆の中に戻るそして固まる。

 どろどろした黒漆の中に閉じ籠る私はそこに棲む。

 漆は触れると爛れる私よ恥を知れ穢れた私 私が悪い。

 漆は触れると爛れるきみよ虐げられたきみキミが悪い。

 漆は触れるとカブれる価値を知れ穢れなき私の悪い癖。

 私よ恥を知れ穢れた私 悪い私よ恥を知れ穢れた私、

 私が悪い私が悪いのだ私が悪いのか私が悪いのだろうか。

 私よ恥を知れ穢れた私 悪い私よ恥を知れ穢れたわろ悪し、

 私は何だろうか私は漆だと言われ蔑まれ呪われて私が悪いからだ。


 私はどろどろした黒漆の中に戻るそして固まる。

 どろどろした黒漆の中に閉じ籠る私はそこに棲む。

 あるとき私は競りに出るそして高値で売られる。

 私はきらきらのショウケエスの中に入るそしてひかる。

 てかてか黒漆の色輝く気品溢れる最高級の色を湛える。

 あるとき私はガラスに映るひかった部分の色をみる。

 黒などどこにもないなんのことはないただの鈍色にびいろである。

 このとき私は溶け出して外に出るそしてどろどろするのをやめる。

 私のどろどろがなくなると私の黒い光もなくなるほどなく私もなるほどなくなる。

 わ た し が わ る い か ら だ 。

  わ た し  の  わ る い  か ら だ 、

   わ た し   の    わ る い  か お   が 、

    とろけ て  こ  われ  て   く 

                      ズ  レ

                         て   く  。

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